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戸々咲雫のエターナルウェル
2023年3月2日 21:51
シザールは目の前の石をじっと見つめて居た。どれ程そうしているのか自分でも分からない程、そうしていた。 大人の腰ほどの位置まである、全体的に丸味を帯びた白い石だ。所々に小さなガラス質の黒点が見える、何の変哲もない石だ。路傍にぽんとある、それだけの石。ただ、そこにある、そのままにある、モノ。 通りすがりだった。けれどその姿を見た途端、そこから動けなくなっていた。むしろそれこそが尊いのではないかと