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フルタイム双極サラリーマンの1例

こんにちは。Natsuです。今日は双極性障害をもつわたしの働き方についての話題です。

引越しに伴う転院で、なんと初診から4つめのメンクリ、4人めの主治医。どの病院でも、紹介状を持っていっても、はじめは必ず病歴聴取があるんですが、それにも慣れすぎて、スラスラ話して医師に「時系列順で情報が出来てすごい」など驚かる始末。歴代主治医の誰かが紹介状に医大の大学院に通っていたことを書いたみたいで毎回「なんの研究をしていたんですか」と聞かれますが、疾患や病態の研究はしていないということだけ適当に伝えています。

相変わらずどうしても病識が薄い(特に躁状態のとき)のですが、こんなツイートがぶっ刺さって、まじめに通院しよ…と思ったのでした。

わたしは別にインテリじゃないんですが、都合の良い情報だけを組み合わせて医師の診断や治療を拒否しようとした実績があるので、ぶっ刺さりました。自分は「事実を評価する能力」は高くないんだというのを忘れずにいなくては。

ということで、今度「自立支援医療制度」というのを申請してみようと思っています。普段3割負担の医療費と薬代を、精神科に通院する場合に限り1割負担にしてくれる制度です。

こんな制度があり自分が対象者だというのは、メンクリ4件目にして初耳でした。これまでにかかったお金…。でも今は医療費を気にするほど経済的に困窮してはいないので、申請しなくてもいいかなと思っていましたが、さっきのツイートを見て「自分はちゃんと病気」と言い聞かせるのに役立ちそうなので、申請手続きをすることにしたというわけです。

調べてみると、双極性障害で手帳を取得している人もいるし、

ていうか障害者手帳がなくてもそううつ病の時点で障害者雇用枠で働けるらしいし、「え、そんな人々がいるなかで健常者と肩を並べてフルタイムで働いているわたし、すごくない?」と思うに至ったわけです。

実際に診断を受けてから時間が長く、体調も思わしくなくて就労困難な方もたくさんいることかと思いますが、メンクリに行くの迷っている人とか、自分のまわりで双極性障害の人がいて今後が不安で自分が病みそうなレベルの人は、一旦落ち着いて冷静になるための参考にしてもらえればと思います。

誠実に書きたいので長くなりますがご容赦を。

わたしの症状

わたしの症状はこんな感じです。病前から発揚基質というか躁っぽいのがデフォだったので、上がりすぎないように気をつける事が多いですね。躁も鬱も数ヶ月ぐらいでだんだんに移り変わるようなイメージを持っています。

【軽躁のとき】

・創作活動がしたくて仕方ない

・無計画に遠出する

・財布の紐ゆるゆる

・すごい食べるし酒も飲む

・人が話しているのを遮ってでも喋る

・相手のリアクションの薄さにイライラする

【鬱のとき】

・本が読めない

・音楽が聞けない

・あんまり食べない

・めっちゃ寝る

・先の予定を入れるのを極端に嫌う

・人混みに出かけると酔って吐く

・自然災害のことばかり考える

【特にどっちでもないとき】

・日本人ですか?と疑われるレベルの自己肯定(過大評価はしていないと思ってる)

・うるさい場所が苦手(たぶん聴覚過敏)なので避ける

・読書、音楽鑑賞が好き

・早口だけど人が話し終わるのを待てる

躁転、鬱転のきっかけ

【躁転のきっかけになりやすいこと】

・引越し、転職など新しい環境

・頑張れば頑張るほど成果になる環境

・正義に燃える瞬間

・睡眠不足

【鬱転のきっかけになりやすいこと】

・国内の自然災害、台風、地震

・騒音

普段の生活で気をつけていること

上記のような特徴(特性?)を持っているので、普段の生活ではこんなことに気をつけています。躁になろうが鬱になろうが、次にその波が来る時は前回よりも大きくなる(病状がどんどんひどくなる)のがこの病気の怖いところなので、どちらにも転ばないような生活を、気をつけなくても自然と送れるような環境構築が目標です。数年の話ではなく、死ぬまで続きますからね。

・家の防音を徹底

風の音、人の声、家鳴り、隣人の気配、そういうのが本当にダメなので、マンションを選ぶときは薬を買うつもりでコンクリの壁が厚い物件を選びます。カーテンも防音効果のある高いものを選びました。

・家事は少しずつ常にするようにする

やる日とやらない日があると生活リズムに波が出てくるので、2〜3日を1セットとして短いスパンの少しの作業で家事をできるような環境にしています。例えば、掃除が捗るように床にものを置かないようにしています。洗濯を頻繁にしなくてはいけなくなるように、服の数を減らし、どんな天気でも干せるようにいつも浴室乾燥を利用しています。買い物で買うものは基本固定し、生活雑貨は定期的にいつも同じサイトで通販します。

双極性障害の人はミニマリストが多いらしい(ものを捨てることに抵抗がない?)ので、こういう生活スタイルが合う人は多いかもです。

・苦手なことは生活から切り落とす

わたしはテレビが嫌いなので家にはテレビを置いていません。靴下のペアを探すのが嫌なので全て同じ靴下で統一しています。タオルも下着もすべて同じもので統一しています。もともとモノがめちゃ多い汚部屋に住んでいたのですが、今はこのスタイルに落ち着いています。これまでのことよりこれからのことのほうが大事なので、変化を恐れず、過度に楽しまず、「嫌だからしない」を発動しまくっています。あんまり仲良くない人とのコミュニケーションとかね、気が乗らないイベントとかね、そういうのも断捨離断捨離です。

転職活動での条件

・在宅勤務ができること

ザワザワうるさいところがダメ、調子悪いときは電車に乗るのが苦痛、ということで「オフィス勤務」と「電車通勤」を省略できる環境であることが大事でした。業界や職種が同じでも在宅勤務の取り入れ具合には幅がありました。もちろん直接質問もしましたが、面接担当の方が在宅勤務しているかどうか、は実態の見極めに有効でしたね。

・組織規模が大きく、転職したくなっても異動ができること

どんなに慎重に選んでも、合う合わないは絶対にありえるので、リスクヘッジとして転職の前段階で異動ができるような会社にしようと考えました。大企業で働いたこともなくイメージはあんまりつかめなかったのでちょっと挑戦ではありました。

・組織規模が大きく、わたし一人の頑張りの会社内での影響がなさそうなこと、また、調子が悪くなった時に休みをとりやすそうなこと

がんばった分だけ成果が出れば嬉しいし、やりがいが出てもっと頑張れちゃうんですが、そういうチームって、自分が抜けたときの穴がすごく大きくなってしまいます。ちょっと調子悪いかな、くらいのときに予防的に休める環境が理想なので、そういった理由からも大企業を志望していました。もちろん面接では言いませんでしたけど。

・住居に課金できるだけの給料があること

高望みかもしれないけど、やっぱりもらうものもらわないと、続けられるものも続けられないです。いつ働けなくなるかもわからないし、お金の心配から生活を切り詰めるのもストレスになるし。

・定時勤務

裁量労働制は論外、フレックス尚可。って感じでした。仕事やればやるだけできちゃうし楽しいんですけど、長い目で見るといいことないので。自分がぶっ飛びやすい性格なので、こういう社会的枷を選んで装着していくことで穏やかな生活を手に入れる作戦です。

現在の働き方

・在宅勤務

ほぼ完全在宅、必要に応じて任意に出社です。オフィスは広いんですがまあまあうるさいので、通勤用のノイズキャンセリングヘッドフォンをつけて隅っこの方にいます。ヘッドフォンは見た目がめだつのでイヤホンにしたいんですが、外耳炎が未だに完治せず耳栓もイヤホンもできないんです…。今の会社はフリーデスク制で人のいない島を選べるのも嬉しいポイントです。

静かなほうが仕事がはかどりますし、仕事においては特にテキストでのやりとりが楽で確実なので、在宅バンザイです。(電話よりメールやチャットで送っておいて「お返事急ぎません/明日午前中にお返事ください」などの同時性のないスタイルでやっていたら、コミュニケーションが硬いと言われましたが…絵文字でもつけようかな☺)

天候による影響も受けず、睡眠時間も確保できるので、双極性障害や精神疾患のある方は在宅勤務をぜひおすすめしたいです。

・フレックス週40時間

フレックスですが基本的な定時もあり、タイムカードに厳格です。素晴らしい。在宅でも毎日定時退勤です。優良社員。

・年収500万くらい

やったー。お金もらえるの嬉しいー。奨学金の返済も捗るー。

・業界トップ層大手企業

大きい企業だー。休みやすいし異動もできるし嬉しいー。

・not障害者雇用枠、でも雇入時健康診断には双極性障害明記

これどうしようかな、ってかどうなるかなって心配だったんですけど、こういった開示の仕方になりました。今後出張の多い部署に行く可能性があるらしく、今の自分は「出張楽しそう!」って思うんですけど、病気的には結構リスキーで辞めておいたほうが良いので、必要に応じて上長に「こういう病気でこういうのが苦手なので内勤希望です」くらいは言おうと思っています。コロナが終息に向かっていって在宅勤務から出社ベースに切り替えるかも?って話も出てますがこちらも同様に、できるだけ在宅で出来ないか交渉予定です。

自分にとってリスクを最小化した企業に入ることができ、数ヶ月たった今でも特に問題なくやれているので良かったです。仕事がつまらないわけでもなく、やりがいがなさすぎるわけでもなく、といった感じ。穏やかにお金を稼いで、他の時間はゆっくり好きなことしています。

生活って毎日毎時間続くので、穏やかで楽な生活にフォーカスして人生を組み立てていくのも悪くないなと思います。

くれぐれも、「わたしは病気でも働いているんだからあなたも働きなさいよ!」というメッセージではありませんのでご注意ください。

わたしもここ半年くらいは、数ヶ月スパンで「どちらかといえば躁」「どちらかといえば躁ではない」くらいを行き来しているので毎日働いていますが、そのうちドーーンと落ちて何もできなくなる可能性は大いにあります。それでも自分の暮らしが保てるようにいろいろリスクヘッジ体制を構築している段階です。

どうやってこんな(双極の人にとって)優良そうな企業に転職したかといえば、普通に転職サイト見て、条件に合いそうなところ何社も受けて、強みをアピールして、と普通に就活しました。引っ越しすぐのやや躁状態のうちにバーーっと活動してギラギラ面接して受かった感じかもしれないです。

どなたかの参考になれば。では。

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