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「まずは小さい作品から作れ」の本当の意味

Chromeのスタートページで見かけたこのニュース、つい最近Steamでゲームを初公開した私にも関係がある話だと思う。

主旨としては、「最初はまずできるだけ小さい作品を完成させろ」というもの。私も同様の意見を何回か見たことがあるので、大多数に支持されていると考えてよさそうだ。

ただ前から思っていたのだけど、この話はちょっと語弊があるようにも思えるので、フォローみたいなことをしてみる。簡単に言うと、「やりたいことによって1作目から時間がかかるのはしょうがない」

ジャンルと製作の規模

ゲーム製作はモノによってかかる人数や期間に幅があるからこういう話が出てくるのだけど、もっと違うジャンル、例えばイラストの場合、「1枚4~10時間くらい」だそうだ。大抵のゲームよりは短い時間でできる。

ではなぜイラストを描かずにゲームを作るのか?もちろん、やりたいのはゲーム制作だから。イラスト一枚描き上げても何かゲーム制作の役に立つものが得られるかもしれないが、遠回りすぎるしそもそもモチベーションを保つのが大変だろう。

3Dアクションなど、どうしても製作期間が長くなるジャンルというものはあって、その場合1作目に時間がかかるのは避けようがないと思う。無理にジャンルを変えても必要な技術が違うし、やる気が削がれて学習効果も下がるのでは。

何でもいいから作る

かといって最初から完璧なものを求めても躓きやすいのはよく言われていることで、その対策なら「一番やりたいことだけ満たしたものを作る」の方がいいと思う。

自分がプレイして楽しいとか、まがりなりにもFPSであるとか、そういう外せないポイントだけに注力して、あとは度外視する。もちろん「作品として完成されたものを出したい」なら短期間で作れるジャンルがいいという話になるけど、そうじゃないなら多少時間がかかってもやりたいことを優先していいのでは。

これだと総合的な仕上がりが悪くなるので評価されにくく、特に長編RPGの場合「典型的な駄作の作り方」として槍玉に挙げられるパターンかもしれない。とはいえ最初から高評価を求めないほうがいい、というのはさんざん言われていることであって、そこは気にしないのが一番だと思う。

ようは「小さい」というより「粗い」作品がいいのではという話。別の言い方をすると「何でもいいから1作作れ」には「図体だけでかい駄作」も含まれるのではと思う。

本当に大事な事

ここまで書いて思ったのだけど、最初に小さくまとまった作品から始めてその後スケールしていって…というのもある意味「理想的なクリエイターキャリアパスをなぞろうとする」完璧主義な気がする。野心とかガチ主義の下でなら限りなく正解だろうけど、そこまで万人に適用できるものに思えない。

成功者の真似をするためにやりたいことを曲げるのって、人によっては最初から大作を作ること以上に難しいんじゃないだろうか(私もだけど)。本当に大事なことはハードルを下げることであって、衝動のまま無茶なことをするのもその一つの方法かと思う。

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