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プログラミングは嫁でゲームはアイドル

プロフィールに「ソフトエンジニア」とある通り、私は仕事でプログラムを書いている。しかし、ここにプログラミングに関する記事は書かないし、他にエンジニア向けのコミュニティにも所属していない。私生活の都合か、エンジニアとして技術を磨くことよりも、会社員として生き抜くことを意識する場面が多かったように感じる。

しかし、今の生活があるのはこのスキルのおかげだ。安定した収入を得られたのは勿論、人にはできないことができるようになって、周りと違う自分を肯定できるようになったのは大きいと思う。11~12歳の頃からやっているので、プログラミングと一緒に育ったと言ってもいいだろう。

なのに恩知らずにも興味をなくしてしまったのか、というのは違うと思う。私は詳しくない事ほど喋りたがるタイプなので、記事にする内容がないのは「にわか」ではない証だといえる。また、飯の種に関する事でいい加減なことを書いたり、人と揉めたりするのは恥ずかしいという気持ちがある。自分の一部として大事にしているからこそ、無闇に語らないのだろう。

なんかこうしてみると、長年連れ添った妻みたいに思えてくる。どこが良いのかを熱弁したりする必要はなく、生活のパートナーとして扱うことを意識する。一緒にいることが当たり前になりすぎて、こうして振り返らないとその大切さが言葉にならない。

ところでプログラミングとの出会いは家庭環境によるものだが、あれだけ時間を割いて勉強したのは、ゲームに関わる仕事がしたかったからだ。私が元々結婚したかったのはゲームであってプログラミングではない。当初の「好き」は完全にゲームに向いていて、プログラミングはあくまでもそのための道具でしかなかった。

しかし、その「好き」はオタクがアイドルに向けるような、自分の欲求を満たすだけのものであり、一緒に居れる好きではなかったと思う。楽しくないならやる意味はないと就活をまともにせず、すぐに心が折れて装置メーカーに就職した。これは、アイドルと結婚できなかったからファン活動で知り合った女で妥協したんだろうか?

別にそんな大好きなわけではなかったけれど、嫌いになったことは一度もないはず。ひどいような気もするが、さっき書いたように「大事にする」というのはこのくらいの熱量のほうが上手くいくのかもしれない。どこからか「うん知ってた」という幻聴が聞こえてくる。

ここまで書いて、なんか話が変なことに気付く。ここでいうゲームは業界で、プログラミングは技能。ゲーム業界に入ってもプログラミングは続けていたはず。アイドルも職業なので結婚するという喩えはおかしい。

正しくは、アイドルと結婚したかったので幼馴染をデビューさせようとしたけどダメだったからそのまま結婚したようなもんだろうか。なんか「お前以外の女とは話せないから結婚してくれ」とか言った偽りの記憶がある。

そうなると、最近また趣味でゲーム開発をしているのは、人から見たらおばさんが懐メロを歌っている程度のものかもしれない。それでも、私にとっては最高のアイドルなのだ。

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