バイトから社員になった3年後、給与50%カットになって、バイトに戻った話
新卒で入った最初の会社は、元々アルバイトで働いていた30人規模の装置メーカーだった。時給2000円という待遇で画像処理のプログラミングをする仕事。上司は外国人で、やたらと褒めてくれる。コーディングスキルも上がったし、間違いなくバイトとしては良すぎる環境だった。
社員登用の誘いは来ていたが。片付いていないフロアにウィルス入りのPCと、社員として働くのは明らかにヤバかったので最初は断っていた。だが、就活してみると世の中は甘くなく、心が折れた私は流されるように入社した。
入ってみたらやはり危ういところがボロボロ出てきて、そりゃこうなるわなと思った。覚えているのは、企業での利用が禁止されているはずの公民館を「~同好会」と偽って借りていたことだ。途中で社長が会長に退いて、社長が大企業出身者に交代したらやらないようになったので、やはりまずいことだったのだろう。
そんな中でも「俺みたいなアホにはお似合いだ」と思いながらとりあえずは頑張ろうと思っていた。
・上司から「明日の出張は中止」と言われたので翌日普通に出社したら、社長から「なんで来てないんだ」と怒られて結局出張
・3ヶ月中国に滞在し、3日間日本に帰って、また中国で3ヶ月中国に滞在
・午前に出張が決まり、午後に博多に飛んで泊まり、翌日中国に飛ぶ
などの出来事があったが、悪い人間はいなかったのでなんとか3年近くやっていけていた。(自分も含めて、感情を抑えられない情けない人間はいたが)
だが、スマホ需要に乗っかった一大プロジェクトが失敗して業績が悪化、皆のモチベーションも急降下した。私も見切りをつけて転職活動を始めたが、懲りずにワナビー願望を満たそうとして無駄な時間を費やした結果、いつの間にか社に残る数少ない人間の一人になっていた。給与は50%カットになっていた。
そんな私もとうとう社長から呼び出されて「転職活動してるみたいだし、辞めてくれないか」と言われた。もう惰性で出社してただけだったので何とも思わなかったが、「残りたければ残ってもいいが、来月から給与が70%カットになる」と言ってくれたおかげで退職理由の説明に困らなくなった。
ところが退職届を書いて提出した後、再び呼び出されて「退職が月末になっているけど、引継ぎの時間がないんじゃないか?フルタイムで雇う金はないからバイトでもう少し残って欲しい」と言われて1ヶ月間またバイトをすることになった。バイト→社員→バイトである。時給は最初と同じ2000円だった。
1ヶ月間ほど、昼間数時間働いて、飽きたら漫喫に行って夕方帰る日々が続いた。シグルイを読破した。転職活動真面目にやれよとは誰も言ってこなかった。社員時代にきついことがたくさんあったので、充電期間とみなされていたのだろう。仕事の内容としても、納期に追われなくなったのでプログラミングの細かい議論とかができたのはよかった。
その後、本格的に転職活動を再開した。ワナビー願望は捨てて受かりそうなところに絞り、やばそうな会社は内定辞退してようやくそれなりのところに入社することができたのである。