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02_僕らが草を取り除く理由

これからお伝えする内容は徳島県神山町江田集落で10年間実践し、様々な失敗と仮説を繰り返してきた中で得た考え方です。

全ての田んぼで当てはまることは無いと思います。
しかし、除草を行う上で本質的な視点(きっかけ)につながる部分も多く、悩まれている方の負担を少しでも軽減できれば幸いです。

①私たちの現在地

現在、14枚(2反2畝)の田んぼを無農薬で栽培しています。
※2022年から一部減農薬栽培(特別栽培基準)も実験中

その上で、避けて通れないのが「除草」
今年も田植えから早2週間が経ち待ったなしの除草作業が始まりました。

無農薬栽培を初めて早11年目。数々の失敗と選択を繰り返し試行錯誤の末に今まで稲作を続けてこれました。その中でも毎年頭を悩ませているのが「除草」です。代表的なコナギ、ヒエを筆頭にウリカワ、オモダカ、アカシキ、クログワイなど多くの雑草と向き合ってきました。

来る日も来る日も雑草に追われ、様々な除草機や方法を試しながらも数日内には元どおりに戻る草たち。「なんで雑草が無くならないんだ!」と自然相手に憤慨したことが何度もあります。

除草方法も、中耕除草機から始まり、チェーン除草、アイガモン、デッキブラシ、手抜き、米糠除草、八反ずりなど試して来ましたが僕らの暮らしに沿う方法には辿り着けぬ日々。

今回、僕らが11年間頭を悩ませてきた除草に関するお話を書きます。

2018年から導入している「中野式除草(機)」についても触れたいと思います。そして、この内容は「中野式除草機」の活用にあたり、製作者の中野さんから多くの学びを得ていますので、予めご了承ください。

②楽して除草するなら農薬散布がオススメ

 無農薬栽培における除草は楽できませんが、楽しく正しい理解のもと行えば劇的に雑草の絶対数は減少するでしょう。無農薬栽培で除草にお困りの方、自給的農を実践する小規模農家の皆さん、中野式除草機の導入を検討されている方の参考になれば幸いです。

③10年間の振り返り

Q:無農薬栽培でなぜ草を除く必要があるのか。

これは、当事者によって様々な意見があると思います。
雑草と共生し自然あるままの姿で栽培収穫する農家さんもいるはずです。

僕らが草を除く理由は2つ。
・美しい景観を維持し、安心安全な食を地域(国内)で循環する
・自給的農家が増え一人でも多く無農薬の稲作農家が増えてほしい

 ※棚田を保全していく上で、一部減農薬栽培しています。矛盾を感じる方は予めご了承下さい

この明るい未来を思い描きながら僕らは日々草を取り除いてます。

雑草に覆われた無農薬圃場

「無農薬で栽培します!」と宣言しておいて、蓋を開けたら草ぼうぼう。
これでは、棚田を保全していく上で田んぼや畑を譲渡していく「信頼」に大きな影響が生じます。私たちが決断した方法で、信頼を得ていく上でも除草は大切な工程。「除草剤撒いたぐらい綺麗じゃな!」と集落の皆さんに感じてもらえるよう日々努力しています。

次の記事で、中野式除草機の使用方法についてお伝えします。

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