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#18 初めての内見 in Toronto

2024年6月9日(日)

カナダに来て2カ月が経とうとしている。
ホームステイで大体6カ月ほど住んで、その後いろいろ考えようと思っていたがお金を節約したくなったので、ホームステイを3カ月にして引っ越ししようと思い、2週間前からシェアハウスを探し始めた。

カナダにはe-Mapleというサイトがあり、日本人向けにカナダでの求人情報や部屋探し、中古品等の譲渡など様々な情報が載っている。
http://www.e-maple.net/  (e-MapleのURL)

そこで部屋を探していたのだが、やはり大都会トロント。基本的に家賃が高い。シェアハウスで基本的に1カ月で750カナダドル~900カナダドル(8万~10万)ほどが相場である。ここにWi-Fiや水道光熱費、洗濯機使用料などが含まれており、諸々の洗剤や食事、トイレットペーパー等は自分で準備することとなる。家具やキッチン用品等は、家に備え付けのものを使う。各々の個室はあるが、トイレやキッチンや洗濯機などはシェアメイトと共有である。

物価が高いトロントは、食費もひと月で350カナダドルから450カナダドル(4万~5万ほど)ほどかかる。特にアジアンマーケットとかで醬油や日本米を買うのは少し割高なので、人によってはかなりかかる。

合計で1050カナダドル~1300カナダドル(12万~15万)ほどかかるのが、相場だと考えていい。そう考えると、今のホームステイ代ひと月1100ドルは、手間暇や自由度を考えると格安なのかもしれない。

しかし、私は腐っても一人暮らし経験者。食費を抑える術くらい心得ている。ということでシェアハウスを相場より安めの、ひと月600カナダドル~700カナダドルくらいで探し始めたのだ。

そして探し始めて2日。
まさかの1カ月500ドルのシェアハウスをe-Mapleで見つけたのだ。カナダに来る人への注意勧告として、安すぎるシェアハウスは避けたほうがいいと言われている。
しかし、その部屋を興味本位で見てみたくなったのだ。そしてあわよくば、お金を節約したいと思ったのだ。

かくして6月3日、初の内見に向かった。
住所は最後まで全く教えてもらえず、家の近くに来てから電話で案内された。
この時点ですごい怖かった。部屋に招かれて、なんかヤバいことに巻き込まれるんじゃないかとか思ったりもした。

「とあるTim Houtonsの前に来て、Tim Houtonsの目の前の大きなアパートの上の方を見て」と言われたので到着後、見上げてみる。すると、上の階で元気にこちらに手を振っている人がいるではないか。部屋の番号を教えられ、実際にそのアパートに向かう。

アパートの前に小さな公園を見つけて、その横を通り過ぎようとした時、上の方から「バリンっ!」と何かが割れる音がした。そして次の瞬間、その公園に数枚の大きなガラスの破片が落ちてきたのだ。
もう少し早くここを通っていたら刺さっていたかもしれなかった。

そんな感じでビビり散らかしながら、アパートに侵入。
そして部屋へ。


ドアをノックすると毛深いタンクトップ姿のカナダ人が笑顔で迎えてくれた。そして部屋に入った瞬間、大きな犬が飛びかかってきた。

部屋にはもう3人日本人がいた。一緒に内見だそうだ。
自己紹介を済ませ、内見開始。

部屋は私が日本で暮らしていたアパートよりも狭かった。カナダ人はすっごく部屋をいい感じに説明してくれたが、主に犬と立地の話。個人クローゼットは無く、しかもここでシェアメイト3人で一緒に暮らすらしく、さらには汚かった。

ベッドもカナダ人のもののみ、あとはマットレスをクローゼットから出して寝るかソファベッドで寝るかだった。そのカナダ人はめっちゃマットレスを「寝心地いいよ!」と言っていたが、そういう問題じゃない。
500カナダドルの謎が解けた。

「なるほど、この狭いアパートの家賃を3人で分割するから500カナダドルなのか」

キッチンやトイレも汚く、今のホームステイ先がいかに清潔なのかを痛感した。ちなみにこのカナダ人は仕事が忙しいらしく、ほぼ部屋にいないためにもうシェアメイトの部屋のように使えるらしい。
ただ洗濯は2週間に1回のみ。
「服が足りなかったら貸せるよ!」と言うカナダ人の指す方向には、外のベランダに積み重なる服たち。誰が借りるんやコレ。


内見に来ていた日本人(以下A君)と仲良くなり、他の2人(以下B・C)とどうします?みたいな話をしながら内見していた。BとCは同じ学校で仲がいいらしい。Bは、「俺かっけぇ」みたいな話し方がすごく鼻についたし、Cのことを「俺Cよりは英語できる」みたいな風に言っていたのが気に食わなかった。

内見が終わり4人でアパートを出ると、バイクのエンジン音が爆音で聞こえる。そこは結構バイクが多い場所で部屋の中でもその音が聞こえてきていた。

するとBが「あれ、ハーレーダビットソンじゃん。古いやつだしまじかっけぇ。」と、鼻高々に俺詳しいぜ的な感じでCに話していた。いやぁ、嫌いなタイプ。

そのお友達二人組とはアパート前で解散。

A君と話しながらアパートから離れようとすると、さっきの公園に何かしらの薬を使ったような人たちが変な声を出して笑いながら座っていた。
「怖すぎ」と思いながらそれを横目に歩いていると、次はいきなり知らないおばさんにこっちを見ながら怒鳴られたのだ。何もしていないのに。

「はいー。ここ絶対薬やってる人多いー。治安悪すぎ、バイトの後帰ってくるの危なすぎ」

この時点で、ここに住むのは私の中では絶対になかった。しかしA君はかなり前向きで、「犬いるしめっちゃいいっすね!」と。その後インスタを交換し連絡したら、結局そのアパートに決めたらしい。彼が元気でありますように。


こうして夢見た節約ライフとおさらばすることになった。
A君と仲良くなれたからまあいいか、と二人で歩いていくその横にはインディアンのバイクが爆音でエンジンをふかしていた。

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