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先生の発言の影響力は強い

こんにちは。エデュサポです。

教師や塾講師は、生徒に意見を求められることがあります。

子どもたちと話をしていると、自分を含め、大人の発言の影響力の大きさを感じることがあります。

そうした中で、自分の意見をどこまで話すべきかに悩むこともあります

今回は、いろいろ考えた中で、自分の意見を子どもたちに話す際に気をつけるようにしていることを書きます。

特に、塾講師をはじめたばかりの先生方に参考にしていただければと思って書いていきます。

最後まで読んでいただき、子どもたちとの会話の参考にしていただけたらとても嬉しいです。

発言の影響力には注意する

子どもたちと話していると、かなりセンシティブな意見を求められることがあります。

例えばですが、

「戦争が科学技術を発展させてきましたよね。戦争は必要なことなんじゃないんですか?」

「私たちが食べ物をたくさん食べてしまっているせいで、貧しい国の子どもたちがお腹を空かせてしまうんですか?」

「結局はお金ですよね。」

「日本は戦争放棄を謳っているのだから、自衛隊があるのはおかしくないですか?」

「きのこの山よりたけのこの里の方が遥かに美味しいと思うんですが、先生はどう思いますか?」

などなどです。

大人でも(むしろ大人だからこそ)大論争に発展しそうな質問を投げかけてくることがあります。

こういった質問に答える際は、慎重になる必要があります。

教師や大人の意見はいつでも「正しい」と信じている子どもも多いからです。

自分の放った発言が、その後に子どもが偏った意見を持つきっかけとなるかもしれません

反対意見も紹介する

子どもに意見を求められた以上、真摯に答えるべきだと私は思います。

子どもに、「自分の意見を言えるようにしましょう。」と指導している以上、逃げるわけにはいきません。

ただ、立場上どうしても正直に答えられないこともあります。

その場合は正直に、「立場上答えられない。」と伝えることも大切です。

自分の考えや意見を言うときは、自分の意見を言ったあとに、それに反対する意見も紹介することが大切です。

子どもの考えが偏ってしまう原因の一つは、知識が不足していることです

知識不足の状態で、大人という信頼する人間から「こうなんだよ。」という意見を聞いてしまうと、思考がググっとそっちに引っ張られてしまいます。

しかし、「こうなんだよ。でも、こういう意見もあるんだよ。」と、反対意見も紹介すると、立場や見方によっていろいろな考え方があることを、子どもたちに知ってもらえます。

そうすることで、子どもたちが自分の正しいと思う意見を選択し、子どもたち自身が議論の輪に加わることができます。

そういった中で、多様な意見をぶつけながら認め合っていくことの大切さを学べることがベストだと思います。

両者の主張に気を配ることを知ってほしい

私が小学校2年生のとき、友達が同級生とケンカをしました。

私はその友達と仲が良かったので、友達から「あいつが悪い!」という話をたくさん聞きました。

私も「それはあいつが悪い!」と思って、当時担任の先生だった石井先生(仮名)に、友達の援護射撃をしに行きました。

そのときに、石井先生はおっしゃいました。

「ケンカの時は、必ず両方の話を聞いた方がいい。どちらかからだけの話では、見えないこともある。」

ケンカの原因はもう覚えていないのですが、当事者全員の意見を聞いてみると、「あいつも悪いが、友達も悪い。」と思いました。

「絶対こうだ!」と思っていたことが、別の視点からの意見が入ることでみるみる考えが変わっていった経験をしました

以来、何か議論や争いごとがあるたびに、必ず両者の言い分を確認してから自分の考えをまとめることに注意しています。

子どもたちにもこのことを学んでほしいと思っています。そして、私たち大人が、一方的な意見を子どもに植えつけないよう気を配る必要があります。

主張を伝える事の大切さ

私が中学校3年生のとき、社会の担当だった野村先生(仮名)が、授業中に映画『プラトーン』のワンシーンを見せてくれました。

ベトナム戦争中のアメリカ軍兵士が、現地の民間人の村で暴虐の限りを尽くし、女の子(子ども)を襲うあのシーンです。

当時からアホのように映画を見ていた私は、既にプラトーンは見ていたのですが、その日見たプラトーンはかなり印象が違いました。

近代史で冷戦のことを習ったあとだったということもありましたが、このシーンについて野村先生の個人的な意見を聞いたことが大きかったと思います。

第2次世界大戦中の日本軍の行いも交えながら、戦争の中で兵士たちは現地の人々に酷いことをしてきたという話をされていました。

兵士たちは絶対にやってはならないことをしたというお話をされました。

それと同時に、兵士たちは常に死の恐怖と隣り合わせの極限状態にあったという話もされました。

その上で、映画を見てどう思ったかと問いかけられました。

私はこの問いかけによって、「教科書の中の近代史」というもの以上の学びを得たと思っています

社会の授業で、特に近代史の授業で教師の個人的な意見を言うことは非常に危険です。

私も、ものすごく気を使う単元でした。

近代史は現在に直接結びつく部分だからです。近代史の捉え方によって、今現在の世界の捉え方が変わってしまいます。

それでも、教師や大人が1つの意見を子どもたちに発信することは大切なことだと思います。そして、そこに大きな危険がはらむことに留意することも大切だと思います。

だからこそ、自分の意見は子どもに伝えるが、意見は1つではなく、何が正しいかは自分で考えなければならいことを教えなければならないと思います

まとめ

それでは、子どもにセンシティブな問題について意見を求められたときにどうすべきかというお話をまとめます。

1,自分の意見は言う
2,自分の意見に対立する意見も紹介する
3,両者の言い分を聞いてから自分の意見を決めることが大切だと教える
4,大人の意見が子どもの学びを濃いものにできるようよく考える

特に小さな子どもにとって、大人というものは大きな存在です。

子どもに与える影響の大きさに注意を払いながらも、自分の意見をはっきりと伝えられると良いと思います

そして、子ども自身が自らの意見を持って、有意義な議論ができるようになればベストだと思います。

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