#64 -これから増え続けるであろう離婚率を鵜呑みしてはいけない理由。

3組に1組が離婚している!!
離婚率30%!!ヨーロッパでは50%も当たり前!!

ニュースやネットで一度は見たこと聞いたことがあると思われるこのフレーズ。

え?てことは〇〇ちゃん夫妻と〇〇クン夫婦と我が夫婦の誰かはいつか離婚するってこと?

あ、でもそーいえば、〇〇さんとこは離婚してるし・・・〇〇さんは片親だし・・

と、自分の知っている情報をそっちの方向に注意を向けてかき集めれば、「3組に1組」という信じられないような割合も信じられそうに感じるからヒトの意識ってこわい。

みなさん、どう思います?この数字。
3組に1組が離婚。離婚率30%。


3組に1組が~は正しい情報ではありません


はい。全くもって正しい情報ではありません。

なぜでしょう?

それはこのパーセントの計算の仕方に理由があります。

下記は某弁護士(離婚関係専門)ポータルからの抜粋です。(一文字違わずそのまま貼り付けてます)

日本の離婚率は約35%前後になっており、2019年度の厚生労働省の調査によると離婚件数は約20万9,000件にものぼります。一方、婚姻件数は約59万9,000件にものぼりますが、3組に1組の夫婦が離婚しているというのが現状です。

勘のいい人ならお気づきですよね?

そう。ここでいう離婚率というのは、2019年度に登録された離婚件数を婚姻件数で割っているだけなのです。式にすると、
20.9万件 ÷ 59.9万件 x100= 34.89

いやいやいやいやいやいやいや


それ、どう考えてもおかしいでしょ!

普通、「離婚率」という言葉を想像する時は、
100組結婚した内の何組が離婚するに至ったか?

ということであって、その年に登録された離婚届と結婚届の数を割って、強引に率を出すなんてことをしていいんでしょうか?しかもそれをやっているのが弁護士の人とくる。。。

日本の離婚率

とGoogle様に検索すると、トップランクに入っている多くのサイトは上記の計算で出した数字を使って記事、ホームページの一部にしたりしています。
やはりその多くは、離婚に関する弁護士関連の人たち。。

じゃあ、ちゃんとした離婚率はどうなってるの?


よくぞ聞いてくれました。

それは・・・・

回答に困ります。w

え?

いや、上手く回答できないんです。

え? ここまで記事読んだ時間返して。

いや、ちょっと聞いてください、理由があるんです。

ほう。。申してみよ。

(殿様??)


ここからの数字は全てこちらのサイトから拝借したものです。

一般的な離婚率の計算にはいくつかの計算方法があるんです。
まず一つ目が普通離婚率というもの。(厚生労働省が公式に使っているもの)

これは、1年間での人口1000人に対する離婚件数を表すもので、%ではなく‰(パーミル)で表します)
この計算法で見ると2017年度の普通離婚率は1.7‰(パーミル)となります。

しかしこの普通離婚率は、計算に全人口をふくめているので未婚者から赤ちゃんまでが含まれていることになります。

えぇ・・なんかこれもあんまり当てにならない数字じゃないですか??

ですよね。。。

そこで登場するのが、有配偶離婚率!!

こちらは離婚数÷有配偶人口(既婚の夫婦の数) で計算されていて、1年間で既婚者のうち、何人が離婚したかが分かる公式です。
この計算法でいくと、2015年の統計では5‰(パーセントでいうと0.5%)  つまり、1年間で200組に1組が離婚している計算になります。

ですが。。。(またぁ!?)

こちらの数字も全既婚者のうち何組が一年間の間に離婚したか?というだけで、ボクらが普通に想像する100組の内、何組が離婚するか?ということではないのです。

結論

ちゃんとした離婚率をだすことは無理!!(少なくとも今は)

ええーーー・・・・ん?少なくとも今は?

そうなんです。もうあと30年くらいすればそれらしい数字は出せるようになるんです。

例えば、1940年から1960年に結婚した人全員が天国にいくなり地獄に行くなりカブトムシに生まれ変わるなりして、この世からいなくなれば初めて、〇〇〇組のうち、XYZ組が離婚しました。離婚率は〇〇%でした。と言えるわけなのです。

それまでは本当に正確な離婚率というものは出せないのが現実だと思います。

この記事を書いた動機

結婚・離婚・夫婦関係のことを記事にしようと思って書き始めた時に離婚率を調べたのがきっかけでした。冒頭で述べたパーセントを見て、うん?となって掘り下げていったのが今回の記事だったわけです。

ボクはもともと統計はあまり好きでなく、平均〇〇とかいう言葉はほとんどあてにしない人間です。少なくとも、詳細を明確に表記していいない統計には興味がありません。

興味のない統計
平均収入・平均点・平均寿命・・などなど

興味のある統計
平均収入の割合い表記 
・200万~400万  〇〇%
・500万~700万    〇〇% 
・800万~900万    〇〇% 
・1000万~1500万   〇〇%
など。

平均点や平均寿命なども↑のやり方と一緒であれば、見てみよーかな?と思えます。

今後の離婚率について

現在、「結婚」という法的な手続きや定義・考え方に疑問をもつ人は増えていってます。事実婚の人数は増えていく一方でしょうし、少子化や不安定な経済環境などにより「結婚」する人の数は減っていく一方でしょう。

そんな中、冒頭に述べたような計算の仕方を採用すれば、これからの離婚率(間違いの)は増えていく一方です。

そしてそうやって数字をうまいこと利用して悪だくみをする人はたくさんいます。ネットで離婚率〇〇%!!という数字を見たら、まずホンキにしないことが健全です。

そもそもボクは離婚すること自体は悪いこと・ネガティブなことと思ってません。こればっかりはケースバイケースですし、他人同士の2人がお互いのやりたいことを限りなく100%に近い状態でやり抜く。ということが如何に大変で、労力のいることかは自分の経験上、理解しているつもりです。

結婚する前に全てを知ることなんてできないですし、結婚して子どもができてから変わることだってあります。もうこれは運といっても過言でないくらいのレベルだとも思ってます。

なのでまずは世間が離婚はネガティブことばかりだ。と捉えなくなること。

そしてそれを煽るような人たちが減ることを心から願います。



いや、それにしてもこのしっかりした情報元が年金のサイトだったてことがちょっとシュールだ・・・


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