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大学教員の公募に向けての備考録

 現在所属している大学に不満はまったく無いのだが、最近大学の異動を考えている。ここでは、然るべきタイミングが来たときのために、私が過去に体験した大学教員の就職活動(経済学部)について記録しておく。あくまでも将来の私に対する覚書である。

公募書類の準備

 経験上、履歴書と研究業績、そしてエッセイが求められる。

 履歴書と研究業績は指定された形式に従って作成すれば良い。このnoteの記事を書くように、眠気覚ましに音楽など聴きながら気楽に書く。当該書類をどんなに張り切って書いても、研究業績は増えないためだ。ただし、エッセイは別である。

 私が体験したエッセイは「教育の抱負」や「研究紹介」といったものである。どんなテーマであっても、文章の構造や表現に細心の注意を払って書く。前述の「音楽などを聴きながら気楽に書く」など言語道断である。

 私の応募書類を見る人は二種類に大別できる。私を採用したく無いと思っている人と、私を採用したいと思っている人である。前者は不採用の理由を探しており、後者は採用の理由を探している。このとき、エッセイは不採用の決め手にもなるし、採用の後押しにもなり得る

 例えば、エッセイが駄文とする。応募書類を目にした人は「このサラリーマンEconとかいう奴は、研究業績はしょぼいし、エッセイもまるで中学生が書いたみたいだな(笑)」という印象を持つだろう。対して、せめてエッセイを真面目に書いた場合は「このサラリーマンEconは研究業績はしょぼいが、馬鹿では無いかも?」に論調が軟化するかもしれない。

面接

 経験上、「研究報告」と「研究報告+模擬授業」という二つの形式があった。

 「研究報告」はどのような研究を選ぶかべきかはよく分かっていない。査読誌に未掲載だが意欲的な論文を選ぶも良し、査読誌に掲載済みの論文を堅実に選ぶも良し、とにかく自信を持って報告できる論文を選ぶべきなのだと思う。一方で、学会報告のようにフロアからの有益なコメントは期待しない方がよい。

 報告に際しては、平時の学会やセミナーよりも緊張する。緊張した際に持つべき心意気は下記の記事を参照。

「模擬授業」については、事前に「どの内容について何分間で講義してください」という指示をもらうことがある。例えば、「需要の価格弾力性について20分で講義してください」と指示されたとする。次の説明の流れを補助するような講義資料をA4一枚程度にまとめて臨む。20分間だと下記の内容で十分であった。

①今日は「需要の価格弾力性」について説明します。

②「需要の価格弾力性」とは、「価格の変化率に対する需要量の変化率の比率の絶対値」と定義されます。云々、、、

③例えば、ある商品の価格が上昇した、という状況を考えてみましょう。云々、、、

④「需要の価格弾力性」は「需要の価格感応度」と言い換えることもできるでしょう。

⑤ここまでの内容の理解を深めてもらうために、問題を作ってみました。云々、、、

 大学の異動を決意したときにこの記事の存在を思い出せれば良いのだが。 

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