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『Mein bester Feind / ミケランジェロの暗号』

ドイツ語タイトルの直訳は『僕の最愛の敵』。オーストリアとルクセンブルグ共作の一本。

先日の『ミュンヘン』の記事で言及したドイツ人俳優のMoritz Bleibtreu(モーリッツ・ブライプトロイ)が、主役のユダヤ人Victor Kaufmannを演じている。

第二次大戦がらみのドイツ語の映画と言われれて多くの人が想像するような雰囲気とはちょっと違う、コメディタッチな描かれ方をしている。

裕福なユダヤ人画商の家に生まれ育ったVictorと、その家の使用人の息子であるRudiの友情の変化を軸に、一枚の絵をめぐってナチス側ドイツ人とユダヤ人が駆け引きをするストーリーだ。ちょっと無謀で勇気のあるユダヤ人一家と、あまり賢いとは言えないナチスの人材との対比も面白く、こういうテーマの作品を観て言うのもアレだが、終わり方も面白かった。

(ネタバレ)ユニフォームを取り替えてナチスのフリをするVictorが、「ハイル・ヒトラー」を最初上手く言えなかったりする様子や、踵を打ち付けるのも何となくぎこちなかったりするところなど、コミカルに演じられている。所々にクスッと笑える所作や出来事が織り交ぜられていて、暗くなりすぎない。


興業的にはあまり振るわなかったのかも知れないけれど、暗くて悲しいだけの一本とは違うのがまた良いと思った。ドイツ語の勉強にもなるよ。



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