スロベニアのAjdovščina/アイドウシチナで贅沢なお散歩
トレランレースのUTVVに参加するために訪れたAjdovščina。Wikipediaの日本語版ではアイドウシチナとアイドウシュチナの2表記が出てくるくらい日本人には馴染みがない街だと思うが、小さいがなかなか素敵な緑や山に抱かれた街だったのでゆっくりと自然の中で過ごすにはよかった。もっともスロベニア自体が自然豊かなので敢えてここに、ということもないのだろうが。
とはいっても首都のリュブリャナからもバスで2時間くらいだし、ここからイタリア国境のNova Goricaやアドリア海に面したKoperへもバスがつながっている。日本語情報はほぼなさそうなので一応今回(2024年4月)2泊3日の滞在についてメモしておく。
というわけでまたしても誰に向けて書いてるのかわからないニッチな情報。けどいいのだ、未来の自分のためなのだ......。
1、アイドウシチナへのアクセス
リュブリャナ空港からは事前予約のGooptiなどのシャトルサービスを使うと一番スムーズに行ける。1時間ちょっとで着き値段は流動的だがいくつか調べた感じでは30-50ユーロ程度だった。あとはリュブリャナのバスターミナルからバスでも行ける。逆のリュブリャナ行きで利用したが途中数カ所停車しながら2時間くらいで着いた。料金はいまだに信じ難いがわずか2ユーロ(現金のみでバス車内で購入した)だった。電車の駅はあるが、リュブリャナからは乗り換えもあり、アクセスがめんどくさそうだった。2ユーロ流石に安い。
2、アイドウシチナの街
こじんまりした街でバスターミナルのすぐ北側に幹線道路が通っていて、その北側がちょこっとした旧市街になっていて広場や教会がある、ヨーロッパのミニマム都市機能のある田舎町って感じ。
旧市街の外側は城壁が一部残っていて、ローマバス跡も簡素に展示されている。街を南北にHubelj川が流れている。その川沿いは遊歩道が整備されていてここをフラフラ歩いているだけでも気持ちがいい。川の東側に住宅街が広がる。
街の南側にリュブリャナなどとも繋がる高速道路が走っている。Vipava Valleyというのがこのエリアの総称らしく、その中心都市らしい。とはいっても人口は2万人前後らしい。というかスロベニア自体が200万人くらいである。本当にこじんまりした平和な街。
銀行のATMやレストラン、パン屋、パブ、カフェなどは一通りあったし街の南側にはスーパーのLidiもあった。日曜はしまってる店が多そうな感じだったのと現金のみの店もそこそこあった。
街の北側には僕は今回滞在したユースホステルがある。ドミトリーながら綺麗で日当たりもあって清潔感がある。ベット周りに電源がないのは少しマイナスポイントだが、後述のハイキングルートまですぐ行ける場所にあるので山に入りたい場合はよい。こういうアウトドアの拠点のところにユースホステルというのは3月に行ったポルトガル中部のLousaの街を思い出す。
3、街の北側の贅沢な散歩道
さて、なかなかよかったお散歩コースについて記す。ユースホステルを左手に北上するとすぐに左に道路が折れて小さな橋を渡る。
目の前にはマウンテンバイクのコースがありヘルメットをしてビュンビュンアップダウンのあるコースを楽しんでいる。小さい子もお父さんに付き添われて可愛い自転車に乗って楽しそう。
そんな微笑ましい光景の脇を川を右手に見ながら進むとベンチと水道などがある。BBQでもできるのだろうか。そこが自然散策路の入り口である。渓流沿いの2キロちょいのコースだがなかなか素敵な渓流と緑でレース後および翌日にも再び訪れた。
この辺りはマウンテンバイクのコースもかなり多いようなのでマウンテンバイクルートに入らないようにだけ注意する必要あるが(たいていマークがある)、よく整備されていて近所の人が犬の散歩にも使っているような道なので何の心配もなく歩くことができる。川の方に降りる道はいくつかあるようだが、場所によっては川に降りるところだけやや気をつける必要がある印象。余談だがこの街ではシーズーの割合が高かった気がした。僕も実家でシーズーを飼っていてスマホの待ち受けが和室にいるシーズーなので、シーズーを連れている人をみるとついついスマホを見せて同じシーズー仲間である謎アピールをしてしまう。向こうもこんなスロベニアの森の中でシーズーの写真を見せてくるアジア人に会うなんて想像もしていないだろう。普通に怪しい。
さて、散策路。途中で謎の看板があってそちらに川沿いの方に進んでいくと、川まで降りる道だったようで、奥に進んでいくと綺麗な沢があった。夏なんかは天然のプールになってそうなところである。
写真だとなかなか伝わらないものの、とても綺麗な青と新緑で最高に気分がいい。このあと再び上の方に行く道に戻って、しばらく川とは距離をとりながら登り貴重で進んでいく。途中に吊り橋が1箇所ありプチ楽しい。
よく整備されているがこのあと少し登りの階段があるので、散歩してるおばちゃんがはぁはぁ言っていた。僕も暑くなって上着を脱いだ。
最後のところでももう一度やや強引ながら、川に降りることができたので降りてみたが、日本の渓流みたいでなんとなく懐かしい気持ちになる。特にこの村で他にやることもないのでボケーっとする。
この後階段を登ると水場があり、左右に進む道がある。左にいくと街側であり、右側にいくとさらにこの川の詰めにでて水力発電所のようなものがある。
レース当日はこのまま同じ道を引き返した戻ったが翌日はユースホステル側から川沿いを歩いてきて水力発電所の方に行かずに14の分岐から川の西側にある丘の方に行ってみた。
4、緑の谷を眺めながらの丘の上の散歩道
すっかりこの渓流の自然散策路が気に入ったので翌日ももう一度行ってみることにした。今度は単純往復でなく、西側に地図でSkolと出ている丘に行ってみようとした。途中まではUTVVのレースのコースとかぶっていることに後で気づいた。散策路を登ったところから左手側にしばらく進むと開けたところにでる。
この開けたところの脇の狭い道を登っていく。下の写真の右側の道である。左はおそらくマウンテンバイクコース。しばらく進むと展望の櫓があるので登ってみる。
展望台からは北側の山が気持ちよく見える。そのまま展望台を背にゆるゆる登っていく。樹林帯はあっという間に過ぎて終始開けていて北側の山や左手の街が見えて気持ちいい。
写真を撮ったりしながら分岐のところから20分ちょっとで山頂らしきところに着く。開けている広い山頂なのでわかりやすいピークはないが、街に向かって崖になっていてそこにベンチが置かれている。何人か地元の人らしき軽装のハイカーにもすれ違った。
その後降っていき20分ちょっとで学校の脇から街の方に戻ってきた。周囲がほとんど緑に囲まれた中にポカリとオレンジ基調のアイドウシチナの街が浮かんでいるみたいでとてもいい景色で気持ちよかった。ユースホステル起点で渓流の方からぐるっと丘をまわって街にいって再びユースホステルに戻っておよそ6kmちょっと、獲得標高200mくらいのお手軽散歩道だったが景色は変化に富んでなかなか気持ちよかった。
あまりこれと言って目的地になるような場所ではないかもしれないがスロベニアをまわって時間のある人やUTVVに参加する人は前後のウォーミングアップやリカバリーにちょうどいい気軽なコースだと思った。
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