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静かで、白くて、美しい。寒いのに、あたたかい

寒いのは苦手だ。

けれど、雪の世界は好きだ。

わがままだよね、わかってる。けれどやっぱり、寒いのに雪が降らない東京の冬は苦手だし、寒いけど雪が降る東北や北海道の冬は好きだ。

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出張で旭川に行くことになり、日曜日がまるっと1日フリータイムになった。もう10年ほど会っていない旭川在住の友人に連絡をとると、その日予定をあけてくれると言う。

"何したい?"

という彼の問いに、

"美瑛に行きたい。"

とわたしは即答した。

"雪だよ?花とか咲いてないよ?真っ白だよ?"

"うん、そんな、冬の美瑛に行きたいの"

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美瑛には一度、夏に来たことがある。

大学生の夏休み。当時は"彼氏"だった夫と、京都から北海道まで、そして北海道を半周、青春18切符での旅。その途中に立ち寄った、夏まっさかりの、花々が咲き誇る彩り鮮やかな美瑛。あの時は、自転車でへろへろになりながらまわったっけ(まだ電動自転車なんてなかった)。

今回は、友人の車で冬の始まりの美瑛へ。

静かで、白くて、美しい。寒いのに、あたたかい。

そんな冬の美瑛をおすそ分けします。

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美瑛の駅前。石造りの駅舎のたたずまいのかわいさよ。

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出発を待つ電車。ではなく、ディーゼル車。

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駅前には、白い世界を鮮やかに彩るナナカマド

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古い倉庫はおしゃれな道の駅に。

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寒い時はやっぱりラーメン

そして美瑛の市街地から、山のほうへ。

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道はどんどん白く。

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青い池は、すっかり凍って雪が積もり、白い池になっていた。うっすら見える青が儚い。

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青い池に注ぎ込む川は、ミネラルを含んだ青い水。上流で誰かが絵筆を洗ったんじゃないかと思うぐらいに、鮮やかな、青。自然の美しさは、神秘だ。

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雪をまとって山は白く染まり

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道も、丘も、全てが、白く白く。全ての音が吸い込まれていくような静けさで、深呼吸をするたびに身も心も浄化されていくような。

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道端にまっすぐ凛と立つ白樺。

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日が暮れた後のブルーアワーには、文字通り、世界の全てが青く染まる。

美しい。ただただ、美しい。

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なんだか少し息苦しい時。行き詰まっているとき。体も頭もかたくなっているなあと感じる時。ふと、雪の世界に行きたくなる。発作みたいなものだ。

今、このタイミングで、冬の美瑛に来れてよかった。カメラと一緒に、来れてよかった。

静かで、白くて、美しい。寒いけれど、あたたかい。そんな世界に身をゆだね、全てを白い息とともに吐きだして、キンと冷えた新鮮な空気を体いっぱいに吸い込む。そうやっていろんなものをセットして、わたしはまた東京に戻る。

やっぱり雪の世界が、大好きだ。


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#北海道 #美瑛 #FUJIFILM

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