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01.ハードを作り上げる

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2種類のサービスコンセプトが決まると、サービス作りをはじめる。

サービス作りには4つのステップがあり、ハード、基本サービス、しくみ、接客の順番に作り上げていく。
もちろん、サービスコンセプトを設計図とする。

なぜ4つのステップに順番があるのかいうと、ハードがなければ基本サービスが、基本サービスがなければしくみが、しくみがなければ接客が、それぞれ上手く運ばないからである。

また、4つのうちのどれかが不完全なままにサービス提供をはじめると、その後に続くステップではサービスの正しい提供を取り戻すことができなくなるという理由がある。

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4つのステップを順番に作り上げ、できあがったものがサービスのあるべき姿になる。
こうやってコンセプトを反映して作られたサービスは強い。
サービスに対する信頼性も強いし、顧客満足度も高い。

このようなサービスは売りつける販売促進をほとんど必要とせず、お客自身がサービスのことを知ろうとするお客主体のマーケティングを可能にする。

ディズニーランド、リッツ・カールトン、スターバックス、マクドナルドなどは言うまでもなく、コンビニやファミリーレストランもマーケティングされたサービスを扱っている。
お客がそれらのサービスのコンセプトを正しく理解し、利用しようと考えている。それを根本的に可能にしているものがサービス設計にある。

順を追ってサービス設計の手順を見ていくことにしよう。

ハードは軽視される。
コンセプトを反映し、サービスを設計する最初に位置していながら、ハードの重要性はサービスを形作る4つの要素の中で最も軽視されている。
しかしハードは、サービス設計でも、ブランド構築でも欠かせない役割を果たすとても重要なポジションにある。

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たとえば飲食店の場合、「ハード」は店舗、「基本サービス」は料理、「しくみ」はオペレーション、「接客」は文字通り接客を意味する。

ハードが軽視されてしまうのは、「料理」「オペレーション」「接客」には、それぞれの専門家を事業内に抱えているのに対し、店舗の造りに関しては外部に委託するしかないというのが理由として大きい。

事業者にハードの知識がなく、料理人であれば料理、経営者であればオペレーション、接客者はサービスの提供と、本業を優先してしまうためにハードの構築がどうしても軽視されてしまう。

サービス設計の第一歩として、私たちはまずこのことを克服しなくてはならない。



前話: 第4章 05.失敗する3つのコンセプト
次話: 02.基本コンセプトのハードへの反映



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