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【最先端はいつも「遅れてやってくる」〜社会現象のメカニズム】〜オンラインサロン・ライブで話したこと

昨日オンラインで話したことの要点まとめ。


■結論 態度の集合が分野ごと未来を作り出す


物事には「お腹がすいた」から「食べる」または「お腹いっぱい」になるまでにインターバルがある。これを「遅れ」という。遅れはどんな物事にも必ずある。

社会の遅れというものもあって、しかも社会がどちらの方向に向かっているかによって、何がどのくらい遅れるかが変わる。分野や現状によっても「かなり遅れ」たり「少し遅れ」たりする。
この遅れのインターバルを縮めるのに、(個人ではなく社会の場合)いくつかの条件がある。そのうちの大きな要素のひとつがその分野における態度の良い人の数だ。人数に依存する。

態度が良い人が多ければ速く別の未来に変化し、少なければ遅れは輪をかけて遅くなる。


■態度とは?


社会構築の変化が個々人の態度(の集合)に関係するのは不思議に思うかもしれない。定量的には説明できないが、定性的にはある程度説明できる。

ここでいう態度というのは、ある分野に属している人の中で、その分野の常識や専門分野の正統な方法をただ守りその通りにするだけではなく、個々人に対してここ別々の判断を下そうとする人のことだ。
例えば医者なら、医学の知識から患者に接するのではなく、医学の知識を身につけた一個人としての自分が、患者という目の前の一個人に向き合いその人の状況をゼロベースから正しい答えを導こうとする態度のことを指す。

つまり、多くの人が「知識と経験」に照らし合わせて判断しようとする中、「目の前の事実を明らか」にして判断するということだ。
業界や分野の常識はサブの位置付けであり、ひとつひとつの物事を毎回ひとつひとつ対応する、とも言える。


■態度が良い人が「少ない分野」「多い分野」


例を挙げよう。
政治や経団連、芸能界、教育、不動産業界、中古車業界、スピリチュアルなどは態度の悪い人が多い。自分のことや利権のことしか考えない、継続年数が長い者が偉い、騙してでも多く売ったものが褒め称えられる、最もらしい浅い知識を正しいこととして触れ回る。
こういう態度の悪い人たちはどの分野にもいるが、そういう人は全て、目の前の個々別々の物事に真摯に対応しない。別の何か、例えば利権や俺様の実力こそが重要であったり、教科書やみんなが言っていることやルールに当てはめようとする。
医者ならこれまでの経験と医学の教科書に書いていることに、目の前の患者を当てはめる。
こういう人が支配的に多い分野は絶望的に進歩しない。一部の態度のいい人による技術の進歩はあり得ても、全体として停滞を招く。例えば態度の良い人がガンに効く特効薬を発明しても、医療産業の利権にメスが入るようなら、ガンで死亡する人を置き去りにして闇に葬られる。

態度が良い人が多い分野はある一定の発展がわかる分野だ。
自動車産業は過去から発展し続けている。万単位の分業体制が作られ、特に研究やデザイン部門は競争もあることで目の前のひとつひとつに向き合う人たちが少なくない。工場ですらトヨタ式と呼ばれるようなカイゼン体制が世界に広まっている。
IT産業も急速に発展した分野だ。優秀な人がIT業界に流れて次々とベンチャーが生まれ世界の舞台に躍り出たことは記憶に新しい。そういう分野は態度の良い人の相対人口が多い。

経済的な進歩があることや、文化的な発展があるからといって絶対に態度が良い人が多いとは言いきれない。業界構造にもよる。日本のスポーツ業界はどの分野も権力を持っている人が老害化している。しかし発展している分野とそうでない分野がある。スポーツ自体のマイナー、ポピュラーももちろんあるが、その業界内での進み具合だけを比較すると、発展的な分野とそうでない分野があるのがわかる。同じように老害を抱えながらプロサッカーは発展速度が速いが、プロバスケは停滞している。


■態度とはつまり、未来にあるか過去にあるか


疑問の余地は残るし、論拠の弱さももちろんある。
しかもこれはいち条件でしかない。ただ産業や業界の発展という「社会生態」を考える上で、多くの人が見逃すポイントではある。
政治家の脱税や絶望的な教育を問題にする時、だれもが何かがおかしいと分かっていながらその業界はなかなか良くならない。仕組み上磐石にその体制が守られるようにできている・・・・というシステムを理由にする人は多い。そのシステムがどのように作られるとか、だからどうすればいいという人もいる。
しかし、そこにメスを入れて、抵抗勢力に対しても正面から向き合った時、多くのケースで成し遂げられない理由は何か。戦術論なら簡単に説明できる。物量が違うからだ。Aという勢力がBという勢力を争う。AはBの3倍の人数を持つ。これだけでAの勝利は濃厚になる。Aとは態度の悪い人であり、Bは態度のいい人だ。

村づくりに参加している。
村に移住してやっていけるかどうかは、先住者の受け入れがどれだけあるかないかによって決まる。せっかく移住しても村八分にされるなら出るしかない。
先住者の「態度が良い」というのはイコールこれからの村のことを考え取り組むことだ。「態度が悪い」というのはこれまでの既得権益と優位性を奪われないために保守することだ。
わかりやすく言おう。良い態度は「これから」に視点があり、悪い態度は「これまで」に視点がある。これまでに視点がある人ほど自分のことしか考えていない。

遅れというのはよい未来が生まれるまでにどれくらいのインターバルがあるか?ということだ。インターバルが短くなるのはその未来を構築しようと、構成員が協力して前を向く。インターバルが長くなるのはとその場にとどまろうとする勢力が協力して変化を排除しようとする。
こういった力学は、個々人の態度に依存する。

分野や業界ごとにスピードの差はあるが、もっと全体、つまり日本というカテゴライズは世界から見ると態度が悪い人が多い国だといえる。よくすることよりも悪くならないことにコミットする人が多く、大事なことよりも不安にならないことを優先する傾向が強い。
その日本の中で未来に希望を創っていこうと考えるなら、分野を区切って有意の人を集め、態度の良さに集中できる環境づくりから始めるしかない。



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