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応募条件:基本的なPC操作とは

私がつねづね疑問に思っている三大応募条件に「基本的なPC操作」「経験○年」「コミュニケーションスキル」があります。どれも共通概念っぽいようで、人によって考えているものが少しズレています。

この「少しズレている」が厄介で、その際たるが「コミュニケーションスキル」です。このことについては、別に語りたいと思います。

その言葉、本当に伝わっている?

今回の「基本的なPC操作」も同様です。あえて求人に記載する場合は、大きく2パターンが考えられます。一つは本当にキーボードを打てるレベルの基本。もう一つは、そうは言いながらも、それなりなスキルを求める場合です。

前者は「最近はスマホしか触ったことない子も多いから、パソコン使えればいいよ」という言葉を変換したものです。数年前にスマホは使えるけど、パソコンは使えない若者がフォーカスされたこともあり、意外にキーボード操作に慣れていないという人は少なくありませんでした。

ただ、とはいえ求められるのはWord、Excel、PowerPoint、会計ソフトなどの操作です。スマホが使えれば難しい操作ではありません。その意味で「基本的なPC操作」を応募条件に記載するのは、あまり意味がないと考えています。

あなたの当たり前は、他人の当たり前ではない

問題なのは後者です。基本的なPC操作=Excelの関数が入ってくることがあります。Sum(合計)、Average(平均)などです。ここで重要なのは、どの関数は基本で、どの関数が応用なのかは使ってきた人によって異なることです。
Excelを使って仕事をする人(特に事務系)にとって、VLOOK関数は当たり前かもしれません。しかし、数字を入力するだけのことが多い営業や販売スタッフにすると、文字入力は基本的な操作だけど関数を使うことは基本ではない可能性があります。

この感覚はExcelを仕事の中で、どう使ってきたかによるので、共通概念は存在しません。「基本的なPC操作」は事務系求人に多いので、この差は大きいと感じています。

基本的なPC操作とは書かず、「キーボード入力ができるレベル」「SumやAverage関数が使えるレベル」「VLOOK関数が使えるレベル」「ピボットテーブルを作れるレベル」など、どのくらいのレベルか具体的に記載することをオススメします。

キーボード入力ができるレベルであれば、そもそも基本的なPC操作と書くべきではありません。求職者にとって採用条件に記載されている=それなりなレベルを求められると考えるからです。
本当はすごい低いハードルなのに、明記することで無意味にハードルが上がってしまうのはもったいない。

まとめ

冒頭の三代応募条件は、なぜ記載されるのか。それは企業側が自分目線で物事を考えているからです。企業が「俺の常識は、世間一般の常識だろ?」と考えているからと言い換えてもいいでしょう。
残念ながら、そのような企業は(誰もが名前を知る大企業以外)良い人を採用することはできません。感覚が求職者とズレているからです。優秀な人は、そのような企業を避けるので、採用がうまく行かないのです。

採用をうまく行かせたのであれば、求職者は何を考えているのか、求職者に伝わっているのかを考えたほうがいいでしょう。

よろしければ、サポートをしていただけると嬉しいです。サポートが今後の活動の励みになります。今後、求職者・人事担当などに有益な情報を提供していきたいと考えています。