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Weekly HRTech #7(21/11/07~21/11/13)

今週のPICK UP

今週のPICK UPはクラウドワークス。
11月11日に創立10周年を迎え、同日11時11分にリリースを出されました。
主なトピックはミッションの変更CtoCスキルシェア事業への進出の2つです。

クラウドワークス、創立10周年の節目にミッションを変更し新事業の展開へ

まずはミッションの変更。これまでの「"働く"を通して人々に笑顔を」から、「個のためのインフラになる」というミッションへと刷新しました。
ミッション変更について、CEOの吉田さんは以下のようにコメント。

クラウドワークスは本日で創立10周年を迎えました!その節目でミッションの変更を行います。 旧ミッションは「"働く”を通して人々に笑顔を」でしたが、この10年で金銭報酬・感情報酬を得る方法が多様化しており、"働く"...

Posted by Koichiro Yoshida on Wednesday, November 10, 2021

ポイントは、「"働く"に留まらない生活領域も含めたサービス・モノを扱い個人のためのインフラを目指す」という点でしょうか。

実は、吉田さんのクラウドワークス創業のきっかけは「BtoB×インターネット」というカテゴリへ可能性を感じたこと。その意識が"個人向けのインフラ"をつくるという方向に変化したのが面白いですね。

自分が起業家として、経営者として、大きく大成するために「自分が得意なことは何か?」に立ち戻って考えた結果出た答えが、「BtoB×インターネット」の領域。その領域で世の中にインパクトを残せるプロダクトは何かを考え始めたのです。


この意識の変化について、11月8日のリクルートマネジメントソリューションズでのインタビューでは以下のように語られています。

「在宅ワークに従事する主婦のブログを読んでいたらびっくりしました。クラウドワークスで稼いだお金と、不用品を売買する著名アプリで手にしたお金が同列に扱われていたんです。自分たちがそのアプリと競合状態にあるとはまったく考えていませんでした」

かくして、吉田氏は働き方を、上に仕事、下に生活という縦軸、右に物、左に役務という横軸による四象限で考えるようになった。クラウドワークスを通じて行う業務は「仕事×役務」象限、フリマアプリのそれは「生活×物」象限にある。趣味の延長で作った物を売れば「仕事×物」象限、アプリによる出前サービスに従事した場合は「生活×役務」象限の仕事となる。事業者側は互いに別と考えていても、ユーザーにとってはどれも同じ「お金を稼ぐ手段」なのだ。

クラウドワークスを立ち上げた時点では、報酬とはもっぱら仕事を通じて得るものでした。今では違います。フリマアプリを使えば生活そのものが報酬を得る手段になる。われわれIT業界は特に経営環境の変化が激しく、それに応じて経営もすばやく変えていかなければならない。われわれは『Be Agile』(すばやく試し、学ぼう)というバリューを掲げています」

個人のユーザーにとって、クラウドワークスが「仕事」カテゴリとして独立したものでなく、フリマなどの生活アプリと同列に扱われていることに気づき、市場やサービスへの認識を改めたとのこと。

今後の進出領域を図式化すると、以下のようになります。
個人のインフラをどのように実現していくのでしょうか。

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クラウドワークス、ファンとつながるスキルのダイレクトECサービスを提供開始

その答えとして発表されたのが、スキルのダイレクトECサービス「PARK」。
スキル、レッスン、施術、コンテンツ、サロン、コンサル、制作物などを販売するストアフロント型のスキルECであり、予定管理から決済、売上管理まで「PARK」の中で完結し、ページを作ったその日からすぐに販売をスタートできます。

こちらについてもCEOの吉田さんがFacebookでコメントを寄せています。

そして10周年の節目に、私自身が直接手掛ける新サービス「PARK」を発表しました! スキル、レッスン、施術、コンテンツ、サロン、コンサル、制作物などを販売するストアフロント型のサービスECです。 --- 個人レッスンのマッチングサイト「サ...

Posted by Koichiro Yoshida on Wednesday, November 10, 2021

CEO自ら手掛けるサービスなんですね。コメント中に『ヒアリングの中で既存のスキルECには明確にユーザーペインがあり、今回のプロダクトがスキルを販売するユーザーの皆様のお役に立てると確信しています。』とありますが、それが「PARK」の独自性としている「コミュニティ形成」になります。

・購入者と簡単にやりとりできるメッセージ機能
・ファンがさらに広がる感想ノートのSNSシェア機能
・既存サービスのカテゴリ分けや販売数ランキングなどは不採用

などを特徴として、「スキルを提供する出品者がどういう思いでスキルを習得したのか」「なぜレッスンを始めたのか」といったこだわりを購入者に届けることが意識されています。

商品の販売数や価格だけではなく、その背景にある思いやストーリーに起因する価値提供が今後の社会には求められるとしており、人の個性や思いを伝えることで販売者とファンのコミュニティが生まれる市場を作り出すことを目指すとのことです。


競合の動き

一方、CtoCスキルシェアで出品数No.1を誇るココナラの動向はどうでしょうか。実は面白いことに、逆にココナラはクラウドワークスが強みとするビジネス領域への進出を進めています。(株式会社ココナラ 事業計画及び成長可能性に関する事項より抜粋)

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ただ、そのココナラの事業展開の背景にあるのは、単価や案件数などビジネスを相手にする際に得られる市場の大きさを狙っているからです。
以下は、スキルシェア市場の拡大可能性の資料ですが、やはりtoBの方が圧倒的な市場規模があります。

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この市場規模が小さい生活領域への進出という点や、フリーランスが仕事を探すツールとして機能するクラウドワークス自体とのシナジーが見えないという点では、CtoCのスキルシェアへとクラウドワークス社としての事業戦略や位置づけが気になるところではありますね。
ただ、社会や個人のあり方にとってあるべきサービスを追求する姿勢は痺れます!

後発ながらマーケットリーダーとなることへの自信はある様子!

クラウドワークスの際は、爆発的に事業を伸ばすために、「なぜ競合が社会に普及しきれていないのか?」を考えました。その結果、サービスのブランディングやメッセージ性、ポジショニングを変えればいいかもしれない、という結論にたどり着いた。クラウドワークスとして「クラウドソーシングの定義を変える」ということを打ち出していったんです。
Crowdworks.jpの時も先行しているサービスはありましたが、UXデザインの力でユーザーに選ばれて業界No.1になったと思っていますので今回もがんばります。

今後の展開や詳細な戦略が次の決算で発表されるのが楽しみです!


今週のHRTechニュースまとめ

2021年11月07日から11月13日にかけて発表された国内HR Tech関連のニュースは13件、内訳は以下の通りです。

①サービスのローンチ・新機能 4件
②業務提携 0件
③実績・導入実績 0件
➃資金調達・M&A・上場 1件
➄調査 6件
⑥その他 2件

①サービスのローンチ・新機能 4件

ヒューマネージ、“AIで、公平・公正な”採用活動を実現するエントリーシート診断ツール 『i-web AI for ES』 をリリース

株式会社ヒューマネージは、企業の採用活動で応募者から提出されたエントリーシートを診断するツール『i-web AI for ES』をリリースすると発表。

i-web AI for ES』は、AIエンジンを活用し、エントリーシートの内容から応募者と企業との「マッチング度」を予測。企業はマッチング度を参照し、「マッチング度の高い応募者は優先して次の選考に案内し、マッチング度の低い応募者のエントリーシートは複数人で判断する」など、選考の優先順位付けが可能に。さらに他人のエントリーシートのコピペ検知も行い、その可能性が高い場合はアラートを出し、人事担当者が詳細を確認して判断する。


ITエンジニア満足度No.1のキャリア支援サービス「フォークウェル」が採用広報プラットフォーム「Forkwell Jobs 質問箱」を11月9日リリース

「つくり手と、未来を拓く。」をビジョンに掲げる「Forkwell」を運営する株式会社groovesは、ITエンジニア採用に課題を抱える採用担当者の悩みに応える新機能「Forkwell Jobs 質問箱」をリリースする。

採用、技術、コミュニケーション、プロダクト、カルチャー、カイゼン、といったITエンジニアの注目度が高いタグから、自社がアピールできそうな質問を探し、共有URLで社内のITエンジニアに回答を依頼するだけ。Forkwell Jobs公開中の求人に自動でひも付き、SNSで回答をシェアすることで簡単に採用広報に活用できる。回答を閲覧したITエンジニアの履歴も残るので、気になる求職者に直接声をかけることも可能。


ランサーズ、業界初の仕事連動型・教育サービス「Lancers Digital Academy」を開始

ランサーズ株式会社は、2022年上旬から最先端デジタルスキルを学び、直接仕事につながる教育サービス「Lancers Digital Academy」を開講する。

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Lancers Digital Academyは、学びの先にある”プロとしての実務”を見据えた仕事連動型の教育サービス。様々なデジタル分野の業界トッププレイヤーが監修・制作した教材で、最先端デジタルスキルを学べる。さらに受講生ごとにパーソナライズした仕事・案件を紹介する専任コンシェルジュサポートを受けることも可能。


クラウドワークス、ファンとつながるスキルのダイレクトECサービスを提供開始

株式会社クラウドワークスは、創立10周年にあたる2021年11月11日、スキルのダイレクトECサービス「PARK」の先行利用登録を受付開始。これにより、クラウドワークスはスキルEC市場に本格参入する。


②業務提携 0件

③実績・導入実績 0件


➃資金調達・M&A・上場 1件

マイナビ、IT人材に特化したポーランドのHR企業 Challenge Rocket社へ出資

株式会社マイナビが、IT・AI人材に特化した採用プラットフォームを開発・運営するポーランドのHR企業CHALLENGEROCKET SP. Z O.O.への出資を実施。マイナビが欧州企業へ出資するのは今回が初となる。

チャレンジロケット社は2018年の事業開始以来、ポーランドをはじめとした中欧・東欧エリアでオンライン一貫型の採用プロセスを実現するプラットフォームを提供。応募者は最初にWEBテストを受験し、正確に自らのスキルをアピールできる。企業も客観的データに基づき採用を進められるため、その仕組みを高く評価している。今回の出資を契機にマイナビは、同社が蓄積する欧州エンジニアのデータベースを活用して、欧州のIT・AI人材獲得に関する日本企業の採用課題解決に新たなアプローチを提示するとしている。


➄調査 6件

マイナビ転職、「ジョブ型雇用と働き方への意識調査」を発表

株式会社マイナビが運営する総合転職情報サイト『マイナビ転職』は、正規雇用者男女700名を対象に行った「ジョブ型雇用と働き方への意識調査」の結果を発表。「ジョブ型雇用」について、以下の特徴が明らかになった。

▼「ジョブ型」よりも「メンバーシップ型」を望むほうがやや高い。30~50代では「メンバーシップ型」が上回るのに対し、20代はわずかに「ジョブ型」が上回る結果に
▼ジョブ型での給料アップは「期待できない」が半数超
▼メンバーシップ型による社内異動で「意外な適性に気付いた」、「スキルが身に付いた」と実感する声も
▼職務が明確になるほど、会社からの評価への満足度は高くなる傾向。ジョブ型雇用を導入しないとしても、職務の明確化は良い効果が期待される


「就職活動結果と自己効力感の関係」に関する研究結果を公開

株式会社リンクアンドモチベーションの研究機関モチベーションエンジニアリング研究所は、「就職活動結果と自己効力感の関係」に関する調査を実施。以下の特徴が明らかになった。

▼「第一志望内定率」との関連性は見られなかったが、自己効力感が高い人ほど、就職活動の「結果への納得感」が高い
▼過去に「他者から期待」をかけられていた人や、「挑戦への後押し」をしてもらっていた人ほど、自己効力感が高い

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【日本の人材市場におけるリファラル採用に関する共同研究】リファラル採用は人材確保などの採用面だけでなく、会社全体のパフォーマンスにも良い影響を及ぼすことが明らかに!

株式会社MyReferは運営する「リファラル採用研究所」にて、株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役 伊達洋駆氏と「日本の人材市場におけるリファラル採用に関する共同研究」を1,532名の協力のもと実施。以下の特徴が明らかになった。

▼「紹介したいと思うこと」と「実際に紹介したこと」が組織市民行動につながり、組織パフォーマンスが向上し得る
▼会社への帰属意識が「紹介意思」を促進し、「紹介した友人の入社」が愛着を向上させる
▼「求職者を助けたい気持ち」と「会社への帰属意識」が紹介意思を促進し、紹介行動につながる
▼「リファラル採用で入社した人を見た」ことが紹介行動につながる

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【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】Vol.2リモート時代の新入社員(Z世代)が抱える成長課題と不安

株式会社日本能率協会マネジメントセンターは、2020~2021年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員の計2,068名に対し、新入社員の意識と行動、指導者の指導と育成に関するアンケート調査を実施。以下の特徴が明らかになった。

▼内定~配属前には、新人の3人に1人が生活のリズムが掴めず、4人に1人が「仕事が自分に合っているか」を悩んでいる。職場との接点減少により、社内の人間関係構築や仕事、キャリアなどの今後の見通しが立ちづらい
▼配属1~3ヵ月後には、リモートによって1人仕事が増えた影響下において、感情処理の課題が増加。生活リズムは整うも、配属後も約5人に1人が成長への不安を抱える
▼配属6~12ヵ月後には、成長への不安や焦り、仕事への不安を抱える状態が続く中、周囲との人間関係が築けない、相談できない課題が大きくなる
▼新入社員に期待し、されていると思う事について、上司・先輩は「基本行動」や「考え方と態度」に関する項目を期待しているが、新入社員はそれほど認識していない。一方で新入社員は「前に踏み出す力」を期待されていると認識しており、両者の認識ギャップが明らかになった。

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23卒理系学生の6割「キャリアのロールモデルが身近にいない」 ~87%が「研究や専攻に関係ない分野」の社会人に話を聞きたい ~

株式会社ビズリーチが運営する、OB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」は、同サービスに登録する2023年卒業・修了予定の理系の大学生・大学院生を対象に、就職活動や卒業後のキャリアに関する調査を実施。以下の特徴が明らかになった。

▼23卒理系学生の6割が「キャリアのロールモデルが身近にいない」
▼学生が話を聞きたい社会人は、「専攻や研究に関係のない分野に進んだ社会人」がトップに
▼96%が「就職活動と学業の両立は負担がある」と回答

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3人に1人は求人情報を半分以上信じていない!信じていない理由は「ネガティブなことは書かれていないと思うから」が1位/『女の転職type』が働く女性にアンケート【第38回】

株式会社キャリアデザインセンターが運営する、女性の転職に特化した転職サイト『女の転職type』にて、女性638名を対象に「求人情報の見方」についてアンケートを実施。以下の特徴が明らかになった。

▼3人に1人は求人情報を半分以上信じていない
▼信じていない理由は「ネガティブなことは書かれていないと思うから」が1位
▼面接で求人情報の内容と違うと感じたことがある人は57.6%
▼求人項目を見て女性が活躍している職場だと感じるのは「出産・育児をサポートする福利厚生」が1位

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⑥その他 2件

活躍する人材がひと目で分かる適性検査「ミキワメ」が、初のCMの放映を開始

株式会社リーディングマークが運営する適性検査「ミキワメ」が、初のCMの放映を開始する。2021年11月8日より、東京都心部のタクシー広告を皮切りに順次展開。またCMの放映を記念し、システム利用とコンサルタントによる社風分析を通じて、自社で活躍する人材の特徴を分析する無料トライアルキャンぺーンを実施。


【面白法人カヤック×株式会社人間】1度の応募で2社同時に面接!?「一石二鳥採用」11月11日よりエントリー受付開始

「面白くて 変なことを 考えている」をモットーにインターネット広告やPRイベントの企画・制作を行う株式会社人間は、面白法人カヤックと共同で、1度の応募で2社同時にエントリーが可能な「一石二鳥採用」を行う。

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本企画は、応募フォームから1度エントリーするだけで、人間とカヤックの両社同時に書類選考と面接を受けられる一石二鳥な採用企画。「面白法人カヤック」の求める人材と人間の求める人材が一致していることを受け、合同で採用面接を行うことに。

本企画の開催に伴い作成した特設サイトでは、人間とカヤック、両社の会社概要と「コラボ相手の紹介」を掲載。サイト中央に浮かぶ指紋のアイコンを左右にスライドするとサイト内容が一変する仕組みで、両社の代表がお互いに、相手の会社がこれまで実施した企画の内容や率直な会社のイメージなどを解説している。

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さいごに

今週のWeekly HRTechは以上となります!
TwitterではHRに限らず決算情報など幅広く情報発信しているので、もし興味があれば覗いてみてください!

では、また来週!





















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