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ほぼ週報 #企業分析のタネ vol.3(23/01/22~23/01/28)

1. 気になる決算一問一答

ちょっとした疑問をサクッと調べる一問一答的なリサーチ。
納得したら終了です。ガッツリ深掘りしたくなったら別枠で記事化します

■SGホールディングス(9143)

SGホールディングス 2023年3月期 第3四半期決算短信(連結)

佐川急便のSGホールディングスが減収減益。
物流 2024年問題とかもある中で需要はめちゃくちゃ高いのになぜ減収?

SGホールディングス 2023年3月期 第3四半期決算説明会資料

営業収益の3割ほどを占めるロジスティクス事業が3QでYoY-54%と大幅に減益したことが今回の減収の主要因ぽい。ロジスティクス事業の事業内容は以下に示すが、今回の減収は国際航空・海上輸送の取扱高の減少が原因。

【ロジスティクス事業の内訳】
・流通加工(梱包や検品など)
・物流システム構築
・在庫保管・入出庫管理
・物流センター運営
・TMS(美術品やチャーター輸送など個別ニーズに対する物流コンサル)
・国際航空・海上輸送
・通関代行

国際航空・海上輸送の取扱高が減少した背景に、アメリカへの輸出(商品輸送)のニーズが縮小したことがある。
具体的には、例年10-12月期にはアメリカでのクリスマス商戦に向けた商品の輸送需要が高まり、運送取次や航空の代理店、海運の仲介業が儲かる仕組みがあるのだが、今年はサプライチェーンの混乱でアメリカに消費財を中心に過剰に在庫があったり、現地の小売店が景気の見通し不安で在庫を抱えたくなかったりといった思考が働き、国際運送の取次が盛り上がらなかったという。納得した。

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あとSGホールディングスで調べていて気になったのがROEが27.8%とめちゃくちゃ高いこと。デュポン分解してみた結果が以下。

・純利益率(収益性)  :9.7%
・総資産回転率(効率性):1.7回
・自己資本比率(健全性):59.5%(財務レバレッジ1.7倍)

日経で推移を調べてみたら、自己資本比率を高めて財務レバレッジが効かないようにしていきながらROEを確実に高めていってるのがよくわかる。

マネーフォワードが出していた運輸業の総資産回転率の目安は1.17回だったがSGホールディングスは1.7回まで高めてきているし、かなり効率の良い経営をしている企業なんだなと知った。おもしろい!


■スペースシャワーネットワーク(4938)

スペースシャワーネットワーク 2023年3月期 第3四半期決算短信(連結)

スカパーとかケーブルテレビとかで見れるスペースシャワーTVの会社?
確かスマホで見れないし、テレビの視聴も減ってる中でなぜ増収増益を果たしている?

株式会社スペースシャワーネットワーク 2023年3月期 第3四半期決算短信

まず事業セグメントを確認すると、「メディア」と「ライブ・コンテンツ」「ソリューション」の3部門あるらしい。もしかして「2020年にコロナでライブが大打撃食らって大幅減収し、増収しているけどコロナ前の水準に戻っているだけ」パターンかなと予測を立てる

バフェット・コード「スペースシャワーネットワーク」

バフェット・コードで傾向をチェックしてみたら完全にそのパターン。
短信を読んでも、当初の読み通りメディア事業は番組販売売上が減少しており減収減益。やはり音楽フェスの「SWEET LOVE SHOWER 2022」を3年ぶりに開催できたことが増収(復活)の要因ということでライブ・コンテンツ事業は前年同期比143.3%の大幅な増収。ロック好きなのにラブシャやってたの忘れてた。

スペースネットワークのセグメント別売上高の割合

参考までに、事業セグメントごとの割合はこんな感じだった。
メディア中心かと思いきやバランスのいいポートフォリオ。先ほど解説したライブ・コンテンツに加えて、デジタル音楽配信やファンクラブ・ECサイト運営がけっこう大きいのか。

スペースネットワークHPより


■サイバーエージェント(4751)

ABEMAのFIFAワールドカップ投資やそれによる赤字転落のニュースに隠れているけど公営ギャンブルアプリの「WINTICKET」の勢いがすごい。市場自体が1.2倍に成長している中でシェアも11pt上昇している。ABEMAで中継番組をエンタメ化しているのが絶妙にマッチングしてるんだろうなーー。

サイバーエージェント2023年度第一四半期決算

FY21の決算説明会資料をみると、いかに今の市場規模とシェアが順調に拡大してきているかがわかる。

参考:サイバーエージェント2021年度通期決算

ミクシィの公営ギャンブルアプリも確か伸びていた気がするし、IT×公営ギャンブルの領域はしっかり調べてみてもいいかも。

ミクシィ 2023年3月期 第2四半期決算


2. 今週気になったニュース

とくになし


3. おもしろかった記事のサマリー

memo
■OpenAIが開発しようとしているのは、あらゆるジャンルで人間を凌駕する究極の汎用AI。同社は「キュリー(化学・物理学)、チューリング(計算機科学)、バッハ(音楽)を組み合わせたようなツール」と表現した
■OpenAIのCEOを務めるサム・アルトマンは弱冠29歳にして著名アクセラレータ「Y Combinator」のトップを任せられた人物。
■2017年、OpenAIは人気のバトルゲーム『Dota 2』で、開発したボットが人間の世界チャンピオンに勝利して脚光を浴びた
■高度なAIを発展させるには土台となるコンピュータ自体の拡大が必須。だからこそ多くのハードウェアベンチャーがAI特化型のチップを開発している
■ChatGPT公開の目的は「利用者のフィードバックを得て、強みと弱みを知ること」
■APIは「テキストを入力したら、テキストが返ってくる」シンプルで汎用性の高いインターフェースを採用した。理由はこれなら英語である限りどんなタスクにも対応できる可能性があるため。


memo
■サイバーがエンタメ、特にコンテンツの「制作」に注力しアニメ制作部署の立ち上げや映像制作会社バベルレーベルの買収などを実行
■コンテンツはABEMAにこだわらず、グローバルプラットフォームに出し、まず世界で勝てるコンテンツをつくるところから始める
■エイベックスとKADOKAWAに出資もしておりエイベックスでは筆頭株主
■格闘技のPPVが世界で人気で、儲かりやすい
■韓国の芸能事務所HYBEとIT大手NAVERが提供するBTSのファンコミュニティアプリ「Weverse」をベンチマークにファンビジネスをマネタイズ


memo
■地方自治体の巻き込みが法整備が早く進んだ要因の一つ。人口減少や高齢化で近距離の移動手段が乏しくなる地方へアピールし、電動キックボードの使い道をイメージさせた
■もう一つのポイントは業界団体の早期立ち上げ。省庁との窓口を一元化してコミュニケーションを円滑化。
■岡井大輝CEOは大学を卒業後、コンサルを経て2018年にLuupを起業。当初はスポットで介護人材を派遣するサービスを模索。事業化には至らなかったがこの検討過程で日本の交通インフラの不便さに気づく


最後に

今週もみていただきありがとうございました!
また来週!Twitterではもっとラフにニュースをピックしてます〜


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