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ほぼ週報 #企業分析のタネ vol.10(23/04/09~23/04/15)

1. 気になる決算一問一答

ちょっとした疑問をサクッと調べる一問一答的なリサーチ。
納得したら終了です。ガッツリ深掘りしたくなったら別枠で記事化します

■イオンモール(8905)

ショッピングセンター「イオンモール」を開発/運営する専門デベロッパー。
増収増益。

(仮説)
・商業施設のビジネスモデルはテナントの稼働率(賃料)か、テナントの売上からの歩合収益。新規出店が増えているのか、店舗あたりの収益性が増加しているのかをチェックしたい。
・コロナ禍からの回復で成長している形かと思うので店舗あたりの収益性だとは思う

前提となるイオンモールの収益構造は「専門店からの賃料」と「専門店の収益に応じたフィー」で相違なし。

イオンモールの収益構造

ということで「総賃貸面積」と「1㎡あたりの売上高」をチェックしてみた

1㎡あたりの売上高はコロナ禍の際に落ち込み、直近コロナ前以上にまで回復しているが、総賃貸面積は拡大し続けています。特に海外への新規出店を推し進めていることが背景のようで、ここで賃貸収入を増やせていることが営業収益が安定成長している要因のようですね。

今後店舗あたり収益性改善のために事業用地の活用法の改善も行うようです

土地活用の工夫の余地はもちろんありつつ、先ほどのグラフの推移を見てもインパクトが大きいのはやはり店舗数のようですね。
物件確保してその稼働率を高められるかというシンプルなビジネスで、線形の成長しかしないので爆伸びはしないけど土地資産とストック収入を安定して持つので強い印象です。


■サイゼリヤ(7581)

ファミリーレストラン「サイゼリヤ」。増収&黒字転換

(仮説)
・昨年同期までの赤字の理由はコロナによる時間制限や客足の減少で人件費などの固定費を回収できなくなったことと認識している。増収によりその費用を回収できるようになったと考えるのが自然
・消費者としての体感として最近サイゼリヤはメニュー数を絞っている気がする。売上原価率も低減しているのでは?

(検証)

予想と違って売上原価率は昨年36.9%に対して39.5%と2.6ポイント上昇していました。資材価格高騰と円安による食材価格高騰が背景のようです。

気になったのは客数と客単価の関係のスライド。コロナ禍での制限で客数は変動ありますが、客単価は一貫して上昇してるんですね

サイゼリヤは2020年に299円や399円などの価格から1円上げてキリのいい数字への値上げを実行しており、それで客単価が向上したというのはありましたが、それを経ても客単価が増加し続けているのはなぜなんでしょう…

自分の体感では、「サイゼ飲み」みたいにサイゼの安価な料理をつまみにワインを飲むようなライトな飲み会をする場面が地味に増えてきているように感じます。客数は同じでも、単価の高い夜の利用が増えているのかもなと感じました。


■ジンズHD(3046)

メガネの「JINS」。増収減益。

(仮説・疑問)
・売上高は微増を継続しているが、なぜ営業利益が減少し続けているのか?
・市場:デジタルデバイスとの接点が増え続ける中でアイウェア市場は安定成長していそう
・ビジネスモデル:大多数はメガネの販売だが、コンタクトレンズのブランド開発も行っていた気がする。ただしJINSは確かキーエンスや任天堂と同じでファブレスの会社なので売上総利益率は高かったはず
・費用構造:広告や店舗づくりを含めて、競合他社よりブランディングにはお金を使っている印象だが、広告宣伝費はコントロールできる。ファブレスで人件費の固定費が重いということもなさそうなので、シンプルに何か新事業に投資しているから赤字なのではないかと予想。
・具体的にはIoT系のアイウェアとか?

(検証)

まず市場について。
同じくメガネ業界で卸売りや小売を提供しているビジョナリーによると、メガネの市場規模はほぼ横ばいで推移。メガネの購入者は増えてるけど、低価格専門店の台頭やコンタクトの普及拡大が背景らしい。確かに企業数も多いですが、想像以上にレッドオーシャンのようです。

ビジョナリーHD 2023年4月期 第2四半期決算説明資料

ビジネスモデルはやはりファブレスで記憶は正しく、売上総利益率は78%とかなり高い水準でした。しかし店舗での販売が中心なこともあり、人件費や貸借料は自分が想定していた以上に高くついていました。

営業利益が減少している理由も、新規投資などポジティブなものではなく、かけている費用に対して売上高が上がっていっていないというネガティヴなもの。アイウェアの販売本数が伸び悩んでいるようですね。

ファブレスで機能性やデザインにこだわりつつ安価に商品を仕入れ、それを低価格で販売することに優位性があったわけですが、市場の逆風を受けて販売本数が伸びず、店舗の人件費や貸借料がかさんで利益が上がっていないという状況ですね。

あとあまり考慮できていませんでしたが、眼鏡の販売に当たっては検眼や眼鏡の加工があるため人材の確保や育成は重要らしいですね。なるほど


2. おもしろかった本

会社四季報プロ500 2023年春号

直近のトレンドや重点政策の関連企業、密かな有望企業とかがデータと解釈とともにまとまってて最高でした。
あまり知らないけど凄い企業がたくさん知れてたまらない


最後に

今週もみていただきありがとうございました!
また来週!Twitterではもっとラフにニュースをピックしてます〜


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