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Train new world

この日も、朝まで打ち上げがあった。
いつも通り電車に乗りウトウトしながら帰路につく。。。


ウトウト。


ウトウト。。


うt...


...


はっ!!どうやら終点まで来てしまったようだ。


急いで折り返さないとバイトに間に合わない!!


ふと視線を上げるとちょうどタイミングよく向かいに電車が止まっているではないか。


急げー!!!!!


何とか間に合ったのだがここから思いもよらぬ展開となっていくのだった・・・


この日の電車は何かがおかしい、
ざっと私を含め乗客は8人ほどだろうか、みんな席の場所にいるのだが、
なんと全員が起立しているのだ。


なぜ??


疑問はあったもののあまりにも睡眠不足とお酒で頭が回っていなかったのか、


まぁ立ちたい人もいるのかな?
自分は座ることがでそうだし、まぁいっかー!


ぐらいのなんとも能天気な思考で悠々と席についた。


いよいよ、扉が閉まり電車が出発する。
と同時に周りの乗客が一斉に座る。


何事!?!?


怪しい、非常に怪しい、、、

こんな電車今まで乗ったことがあっただろうか。。。
ようやく、この電車の異常さに気づいた私は、あたりを気にしだす。


しかし、全員が席に着いた様子は普通の電車そのもの、
ちゃんと進んでいるし問題がないように見えた。

ところが、景色がどんどんと見慣れないものに変わっていく!!

なんと電車の洗浄をするであろう設備の整ったところを通過しているのだ。


おかしい、こんな所、普段通らないのに。。。
(どんだけ寝過ごしているんや!)


でも、確かにおかしい、ここまでの状況で一度整理しようとする私。


1.電車が出発するまで複数人が起立をしている。

point1:電車に敬意を払い、日々の業務に感謝を示す。
point2:同じ志の者たちが集っている。
=電車が大好きな人たちが集まる会のようなもの

2.電車業界の裏側のような世界に連れていってくれている。

point:普段見れない景色を見せることによって楽しさと鉄道の興味を誘う
=働く鉄道関係の企画??


1.+2.=電車好きによる、特別鉄道裏側ツアー

某鉄道会社が企画した鉄道ファン向けの鉄道ツアーなのではないか!!


あぁ、なーるほどね。
それなら、途中でチケットの確認もあるやろから、
そこで正直に話して戻してもらえばいい!!
それまで申し訳ないけど堪能させてもらおうかしら。
にしても、すごいなー!!


...馬鹿である。


電車は速度を上げずじっくりと進んでいく。
普段見れない景色が広がり、ワクワクしてきている私。


そして、ついに高揚感が高まってきたところで電車が止まる。


扉が開き、乗客がおりていく。


続いて私も降りる。


電車の基地のようなところに降ろされた私は、
初めて東京に行った時のように、周りをクルクル見渡しながら歩く。


すると一人の人が線路をまたいでいく際、
左から右へ?右から左かは忘れたのだが指さし確認を行うのが見えた。
続く鉄オタたちも同様に指さし確認を行う。


郷に入らば郷に従え


ほかの鉄オタ同様私も指さし確認を行う。。。
(見よう見まね、背中を見て成長タイプ。)


そしてとうとう、某鉄道会社の事務所らしきものが見えて来たため
そろそろツアーの終わりを予感した。


楽しかったなぁ。
チケット買ってなかったけどめっちゃ満喫できた。
一言ちゃんと謝って事情を説明しよう。


なんて考えていたら、思いもよらない言葉を耳にするのである。


お疲れ様でーす。


...お疲れ様です!?
今確かにお疲れ様ですと聞こえた、続けてほかの鉄オタ達も同様にお疲れ様ですと言う。


いやいやいやいや、ツアーにしては凝った演出!!
ひょっとして、鉄道職員体験ツアーの方やったか!!


...馬鹿である(2回目)


そして能天気な私もすかさず、元気に見知らぬ人たちにお疲れ様です!!と挨拶をする。

挨拶された人は不思議そうにしているが何とか通過。。。
というか私の順応性の高さが完全に仇となっている笑


そして、本当の本当に決定的なものを見つける。。。


それは、室内に入るためのセキュリティーカードだ。
鉄オタだと思っていた方々はみなそろって
セキュリティーカードをかざして、室内に入っていく。

ここで馬鹿な私もようやく気付く

この人ら従業員じゃね?


急に不安になってきた私はある男性に声をかける、


私:今日ってツアーかなんかがあるんですか??なんか迷い込んでしまったみたいで。。。


男:え?ツアー...ですか?


私:○○に行こうと思って電車乗ったら間違ってしまったんですよ。


男:ここまできてしまったのですか!?!?警備室の場所をお教えしますので出口まで案内してもらってください。


私:へっ!?これは大変失礼いたしました。鉄道ファンのためのイベントかなんかだと勘違いして。。。すいませんでした!!


皆さんはもうずいぶんと前からお気づきだったとは思うが、私がツアーだと勘違いをしていたものは、ただ出勤をしていた人たちに紛れて一緒に出勤していただけだったのだ。笑


その後、警備室に行き、事情を説明し、おっちゃんたちに爆笑されながらも丁寧に駅までの帰り道を教えてもらった。さらに料金の事は今回だけ大目に見てあげるよとのことで駅と連携をとって私を助けてくれたのであった。

いい人たちで本当に助かった!!


あっ!!バイト!!!!!!


そして、見事に遅刻をかますのであった。
本当にいろいろごめんなさい。

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