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HSPは人から下に見られやすい?

この社会で人間をやっていると、私たちは様々な“他人”と関わりを持つことになりますよね。
親切な人や、気の合う人がいる一方で、意地悪な人や、厳しい人もいます。
そして中には、自分よりも下に見た相手のことを、軽んじて扱ってくる人もいますよね…。

・まわりからちょっと小馬鹿にされたような扱いをよく受ける
・自分の意見が、他の人よりも軽んじられているように思う
・嫌なことがあっても言い返せず、段々言われたい放題になってしまう

そんなこと別に気にしなければいいのかもしれませんが、けどどうしても気になってしまうというのは、HSP当事者からよく聴かれる特性の一つです(^^;

というわけで今回の、
『HSP(とても敏感な人)の当事者研究ノート』

テーマは「HSP」という特性と、「よく人から下に見られること」との関係についてです。

そこでは一体どんなことが起こっているのか?
そしてそれを防ぐためにはどんな対策がありそうか?
当事者目線で、少し考えてみたいと思います


①「HSP」と「舐められやすさ」について

先週(4/13)に開催された、
HSP(とても敏感な人)の当事者研究 8かいめ【Zoom開催】

でも、
「HSPと、舐められやすさ」
についてのお話になりました。

職場などで、上司に立場を利用されて横暴な扱いをされたり…
気が付いたら雑用ばかり押し付けられていたり…
中にはパワーハラスメント被害に合ってしまったというエピソードも。

なかなか、同じことで悩んでいるHSP当事者が多いようです。
ちょっと自分の努力だけではちょっとどうしようもない、法的な対処などが必要なケースもあるとは思いますが…。
とはいえHSP当事者に共通して似通ったエピソードが出てくるのは、興味深いです。
もしHSPが、人から舐められやすいという仮説がありえるのなら、そこには一体どんなメカニズムがあるのでしょうか…?

先週の研究会では、
「どうやら衝突を避けようと周りに親切にし過ぎた結果、気が付けばすごく下に見られているということがよく起こっている」という発見がありました。
もう少し、詳しく見てみましょう。

②HSPが人から下に見られやすいメカニズム

ちょっと、これから新しい環境に入るという場面を想像してみて下さい。
新入社員として、新しい職場に入るだとか…
高校一年生として、はじめてのクラスに入るだとか…
そういう時って、結構緊張してきますよね。
その環境にはもちろん色々な人がいるわけですが…ちょっと周りが本当に信頼できる人なのかまだ分からなくて、少し心配に思うかもしれません。
恐い人が居て、意地悪の標的にされたらどうしようとか…
色々と不安は尽きませんよね。

一言で「HSP」といっても、こういう時にどういう振舞いをするかは、人それぞれだと思いますが…
これまでの研究会で出たお話を参考にすると、どうもこういう時に、がんばって周囲に「親切」にしようとするHSPが、人から下に見られやすい傾向があるように感じています…。

「嫌われたらどうしよう」とか、「感じ悪く見られないようにしなくちゃ」とか…
どうしても不安があるので、とにかく自分が害のない存在であることを周囲に分かってもらおうと、過剰に親切に振舞っちゃうんですよね…
で、最初は周囲もその親切さをありがたがってるんですが、段々それって、どうも当たり前のことになってきちゃうようです…
中にはその親切なHSPを、下に見てくる人も出てくるかもしれません。からかわれたり、屈辱的な冗談を言ってくる人とか。

多分、ここで起こっているのって、相手にとってその人が「ただ親切なだけの人」に見えてしまうってことなんだと思います。
本当はその人の中には、「親切な人」以外にも多様な側面があって、例えば「思慮深い人」であったり、「愛情深い人」であったり、あるいは「怒ることもある人」とか、「傷つきやすい人」かもしれません。
でも、一度「親切な人」として振舞ってしまうと、なんというか、今更それを撤回するのって、なかなか難しいんですよね。
これまで振舞ってきた、周囲の自分と、今ここにいる本当の自分とにギャップがあって、今から急にその印象を覆すようなことを言ったりするのって、ちょっとどうやったらいいかわからなくなっちゃいますよね…
そういう苦しさって、よく分かります。

③人に親切にするのを、少しお休みしてみる

そこで、人からよく舐められてしまう人に僕がおすすめしたいのは、「人に親切にするのを、少しお休みしてみる」ことです。

もちろん、あなたの「親切さ」は、人に誇るべき長所の一つです。
ただそれと同時に、あなたには他にも沢山の長所があって、そのどれもがちゃんと人に誇れる長所だと思うんですよ。

それに「親切さ」だけで人とのコミュニケーションをこなすのって、やっぱりちょっと限界があると思うんですよね…。
だから、「親切さ」だけじゃなくて、他の自分の感情も大切にしてみてはどうでしょうか。
きっとそのどれもが大切な、あなたの感情だと思うんです。

僕が言いたいのは、つまりこういうことです。
あなたが自分の「親切な側面」だけを相手に見せようとすると、相手にとってあなたは「ただ親切なだけの人」に見えてしまいます。
そしてあなたが親切なことは、周囲にとっては段々、当たり前のことになっていきます。
もしかすると、あなたがなにも否定をしないので、相手は段々それが当たり前になって、あなたを軽んじる様になり、面白がってからかったり、意地悪を言ったりするのかもしれません。
だから、あなたが周囲に当たり前に親切であると思われているように、何かを喜んだり、悲しんだり、怒ったり…といった、他の側面もまた、あなたの中には当たり前にあることを、周囲に示してみてはどうでしょうか?
少しだけ、「親切」をサボってみるのです。
そして「親切な人」以外の自分を、少しだけ表現してみませんか?

自分に多様な側面があると、他者に対して示してみること。
それって自分も相手も大切にできる人間関係を作るうえで、とても大事なことだと思うんですよね。
そうすると、相手の中にある、あなたについて知っている側面が「親切な人」だけではなく、「愛情深い人」「頭のいい人」「怒ることもある人」「傷つきやすい人」…と増えていって、結果あなたへの「なにをしても怒らないので、軽んじて扱ってよい人」という印象が、ちょっと更新されるかもしれません。

それと、あとこれはまあ、ただの経験談なんですが…
良心的なHSPが、ちょっと「親切」をお休みしてみても、わりと嫌われないことが多いんですよね。
なんでかって言うと、ちょっと周りを見回して欲しいんですが…大して親切にしていなくても、特に嫌われてない人って沢山居ると思うんですよね(^^;
世の中から見ると、HSPってマイノリティなので、多分世間の常識ではそこまで親切ではない人の方が普通なんだと思います。
大して親切ではない人が世の中には沢山居て、だから善良なあなたが少々「親切」を休んでみたところで、やっぱりあなたは周囲からは親切で良心的な人に見えると思いますよ^^

「親切をサボる」って、勇気のいることかもしれませんが…
ちょっと一日だけ、お試しでサボってみるのもありかもしれません。
あんまり上手く行かなさそうだと、止めてみるといいでしょう。

もちろんこれは「僕なりの答え」であって、これを読んでいるあなたには、よりあなたを生きやすくする、あなた専用の「答え」があるのかもしれません。
色々と試して、どうやったら人生を生きやすく出来るか、ご自身でも"研究”してみて下さい。
そして良い研究仮説が生まれたら、ぜひウチの研究会に教えに来てくださいね^^

(書き手:足達龍彦)

【研究者求ム!】
現在、「えすけーぷ。」のHSP当事者研究会は、
オンライン通話を使い定期的に開催しています。
次回の開催は、
4月19日(日) 18:30〜20:30
参加費は無料。

詳細とお申込みは下記より
HSP(とても敏感な人)の当事者研究会 9かいめ【オンライン開催(Zoom)】

今、不安を感じていたり、困りごとのあるHSP当事者さんの力に少しでもなれたらと思っています…。
よかったら気軽に遊びに来てくださいね^^

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