投稿_20190714

若者が政治と生活につながりを感じられなくなっている理由

「若者の政治離れ」という言葉がよく聞かれるようになりました。
多角的な視点で、様々な人の感覚で分析が行われることで、若者が政治から距離を置く理由が無限にあるということは、今では誰もが知りうることではないでしょうか。

しかし、厳密にいうと、若い人たちが政治に興味がないと一概には言いきれないと私は思っています。
今回は、私なりに「若者の政治離れ」についてお話ししてみます。

1.若者が政治から距離を置く理由の一般論

まずは、「若者の政治離れ」がいわれるようになった一般的な背景にいくつか触れてみます。

「若者の政治離れ」という言葉が使われるようになった理由として、一番は「投票率の低さ」を挙げられることが多いと感じます。
投票率が低いことの理由として考えられるのは、そもそも本当に若者が政治に興味がないか、もしくは、政治に興味はあるけど投票に行くのが面倒・物理的や時間的に難しいか、ということだと思います。
もちろん、他にもいろいろと理由はあるかもしれませんが、大きく分ければ上記の2つだと私は考えます。

他に考えられる理由は、政治政策が高齢者向けのものが多いということ。厳密にいえば、マスコミやメディアで取り上げられる政治政策が高齢者を対象としたものが多いということです。
少子高齢社会の現代では仕方のないことだとも思いますが、それが若者にとっては政治に距離を感じる理由になってしまうのも確かです。

さらに、インターネットの普及も理由の一つといえます。
今はインターネットで検索すれば、大抵の情報が手に入ります。
しかし、”検索する”ということは、少なかれ主観が含まれているというのは確かで、検索する側の思いや考えを肯定するものが多くヒットする可能性も決して低くありません。
それは、情報や知識の偏りを生むということにもなります。
自分にとって不利益に思えることばかりだと感じてしまえば、若者にとって政治と距離を置くには十分すぎる理由になります。

他にも、それこそネット検索をすれば、いくらでも一般的な理由を挙げることは出来ます。

2.私が思う「若者の政治離れ」の理由

はじめに結論を言います。
若者が政治から距離を置くようになった理由は、「現代は"すぐに"結論が出ることが当たり前の世の中だから」だと私は思っています。

今は、SNSやインターネットの普及で、ほとんどのことが時間をかけずに完結してしまう時代です。
何か欲しいものがあれば、Amazonや楽天などで欲しいものを検索し、クリック一つで購入手続きが完了します。
いいと思うもの、いいと感じることはシェアしてあっという間に拡散する。
ちょっとした運とタイミングの良さが、実力と上手く融合して、一気にインフルエンサーに上り詰める。
そんなことは、この世の中ではいつでも起きうることです。

これらに共通して言えることは「スピーディー」ということです。
それは、政治のスピード感とは正反対なのです。

政治は結果につながるのに、どうしても時間がかかるものです。
「なぜ、こんなに小さなことさえすぐ変えられないんだ」と思われるかもしれませんが、政治は税金や人々の生活を動かす決断を下すものですから、慎重な協議などがどうしても必要になります。

政治の動きが、人々の生活を動かしていることは確かです。
しかし、それを実感するまでにはどうしても時間のずれが発生してしまいます。
それが、特に若者が政治と生活を結び付けづらいと感じる理由なのではないかと私は個人的に思っているのです。
だからこそ、若者にとっては魅力を感じづらいのではないでしょうか。

3.大切なことは「予測する想像力」

とはいえ、やはり若者にも政治に興味を持ってもらいたいと思いますよね。
興味を持ってもらう方法は、意外とたくさんあると思います。

よく聞くのは、学校の授業の中でも投票を身近に感じてもらえるように話題として取り上げたり、模擬投票をしたりすることや、若者自身が発信する形でSNSを活用した情報の発信などがあります。

もちろん、それらの取り組みはどれも大切だと思います。
今後も継続するべき取り組みだと思いますし、それが必ず多くの若者の気持ちを動かすことになるはずです。
なので私からは、そういった具体的な取り組みというよりも、若者に政治に興味を持ってもらうために大切な考え方・視点だと思うことをお話ししてみます。

何より大切なことは、『政治政策の結果が出る「プロセス」「時間」を知ってもらうこと』だと私は思います。

もちろん間違いではないと思うのですが、若い人たちに政治を身近に感じてもらおうと思うとき、決まって考えられる方法は、難しい言葉をなるべく使わず、政治の存在意義や政治のあるべき姿などを訴えかけるという方法だと思います。
図を多用し、パンフレットや説明冊子、動画などを活用した訴え方は、確かに若い人たちにも身近に感じられるものだと思いますが、私はどこか少し違和感を感じる部分があります。

誤解を恐れずに言いますが、若い人たちは、思っている以上に「現実的で賢い」と私は思っています。
そう思えば、「政治には結果が出るまでに時間が掛かる理由を知る」ことが出来れば、考え方そのものを変えることが出来るのではないかと考えます。

政治政策では「すぐに結果はでない」ということを知ることができれば、それを前提に計画的に発信することの大切さを知ることにもつながります。
何か実現したいことがあれば、それをいつまでに実現したいかを決める、そのためにはいつまでに発信をして、行動していく必要があるのかを知る。
逆に、どのくらいに時間がかかるかを知ることが出来れば、今、メディアなどで取り上げられている政策などが、いつぐらいから生活に反映されることになるのかを予測することができ、それに備えた行動を自主的に起こすことが出来るようになるはずです。

政治で大切なことが、仕事や生活の中でも大切な「先を予測する力」なのです。
そのことに気付けば、若い人たちも考え方は少し変わってくるのかもしれないと感じます。

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政治と生活は間違いなく繋がっています。
そのことに気付くためには、やはり、政治と生活が確かに繋がっているということについて、小さな実感を積み重ねることが何より重要です。
その小さな実感を、若者に少しでも多く届けることが出来る方法を考えたいと個人的には強く感じています。

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