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本のタイトル会議で揉めることとは?

出版社あるある話しの一つに、
新刊タイトル会議(コピー含む)で、
編集者と書店営業の討論があります。

僕は常に口癖のように編集に
いつも聞くことは決まっているのですが、


⁡それは、


「この著者は何を一番伝えたいの?」
「一言で伝えるなら何なの?」


なわけです。


この質問にパッと答えられなかったらNGだし、
書店に営業したとき、
仮にこの質問を書店の方からされたら
負けなわけですよ。

だってタイトルやコピーを見て、
パッと何を伝えたい本なのかが分からないから、
その質問をしてくるわけですから。

本というのは(雑誌ではなく書籍ね)、
そもそも何か読みたくて、探したくて、
書店に来ている方を対象にするわけだから、
タイトルやコピーを見て「何の本か」が
パッとわかることが大事になります。

たまに、何を言うか以前にどう言うかばかりを
考える編集がいたりするけど、著者も。

ハッキリ言って、
キャッチーなタイトルにしなければ
手にさえとってもらえないのではないか?
という思い込みに支配されている場合が
あるのですよ。


なんて言ったて、
余るほどの本が出版されていて、
類似者だらけの世界だから、
気持ちはわかります。


でも、どう言うかよりも、
誰に何を伝えたいのか?が一番大切なんですよ。
ここできちんと見極める必要があるのが、


「誰に」なわけです。


つまり、ターゲットになる読者の見極めです。


なぜ一番大切なのかと言えば、
何を一番伝えたいのかがハッキリしていても、
それが、読んでもらいたい読者の欲求から
逸れていたら売れないからですよ。


分かりやすく言えば、


「俺はおまえが好きなんだーー!!」


って一番伝えたいことがこれだからと言って、
彼女がそれを望んでいなかったら
アウトなのと同じなわけですから。


スティーブ・ジョブズが
上手いこと言っていて、


「美しい女性を口説こうとしたとき、
ライバルの男が薔薇を10本送ったら、
君は15本贈るのかい?
そう思った時点で君の負けなんだ。
ライバルなんて関係ないんだよ。
その女性が何を望んでいるのかを
見極めることが大事なのさ」


つまり、ターゲット読者の望みを
きちんと見極めた上で、
伝えたいことをアレンジする技術が
編集には求められるし、
著者自身も気づけていない場合があるから、
簡単に分かる話でもないんだよね。


本当なら自分も本文にきちんと目を通さないと、
編集からタイトルどうしましょう?
と聞かれても難しいんですが、
全部の新刊を読めるわけもなく、
だからこそ、せめて僕の口癖のような質問に、
パッと答えてもらえるとめちゃくちゃ助かるんです。

「誰に」「何を」という問題は、
タイトルにしても、広告コピーにしても大切な
視点であることに変わりはありません。

ターゲットの最大欲求、最大の痛みを検証し、
「そう!それだよ!それが知りたいんだよ!」
と、本の場合はパッと見て感じてもらえないと
非常に売りづらいんです。

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