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元物理学徒、プロマネになる

大学で量子力学を学んでいるとき、まさか10年後自分がプロマネをやってるとは思いませんでした。

プロマネというとなんかすごい感も出ますが、実際にやっていると別にすごい仕事でもなんでもなくてプロジェクトをマネジメントする、というよりはプロジェクトを何とか前に進めるため四苦八苦するというのが正しいかと思います。

そんな初心者プロマネですが、こんなことをやると思って会社に入ったわけではありませんでした。

キャリアは全く分からない

キャリアは轍(わだち)という車輪が通った跡に由来し、自分が働いてきた跡がキャリアになるようです。なので、ハイキャリアとか意味が転じて、優秀な人を指す言葉になったようですね。

とにもかくにもキャリアは思ったようにいかないし誰も想像できないと言われます。

確かに私自身大学院を出てからは全然想像もしていないキャリアを歩んでいると思います。

私はもともと物理工学という物理をベースとしたものづくりをする工学部に入学し、その領域の1つでもある半導体や金属を扱う固体物理の道に進みました。研究室に入ってからは、半導体からナノテクの世界に興味を持ち、ナノ材料という領域で研究をして学位を取りました。

正確に元物理学徒かと言われると少々語弊があるかもしれませんが、広いくくりでは物理学徒でした。そして、ナノ材料の中で出会ったDNAに面白さを感じ、医療業界を志しました。医療メーカーに就職し、医療の研究ができるかと思ったら、全くそんなことはなく田舎の工場で事務仕事をしています。

ここまででもかなりハチャメチャな経歴をたどっているような気がしますが、まだまだ終わりません。

若手として配属されてからは、ひたすら事務作業をこなしてきましたが、その内1人では背負いきれなくなりました。とはいえ、会社は事業を進めなくてはなりません。チームの中でメンバーを付けてもらい一緒に仕事をするようになりました。

気づいたら、私がスケジュールを立ててタスク管理を始めていました。その頃には、私は一緒に事務作業をする時間が取れなくなりました。タスクを管理しながら、メンバーから相談に答えるだけで1日が終わってしまいます。

まあ、チームに社員も不足してるし、こんな業務も1回限りだろうと思っていましたが、そんなことはありませんでした。

今は2つのプロジェクトのタスク管理をしながら、スケジュールにおびえて仕事をしています。最近では根回しという言葉を覚えました。なんで同じ会社で働いているのに、相手の機嫌を伺わなければならないのでしょうか…

キャリアというのは本当にわからないものです。

キャリアは作れる?

先ほどキャリアはわからないといいましたが、自発的にキャリアを作ることはできなくもありません。

たしかに会社員として勤めれば仕事は選べませんし、上から降ってくる仕事によって形成されるキャリアはわからないものです。

しかし、時に提案という選択肢もあります。

私は多くのペーパーワークに耐えかねて、デジタル化を始めました。一応業務の効率化ってやつですね。

はじめは仕事を楽にするために自分が好き勝手プログラムを書いていましたが、上司が同じ目標を持つメンバーを集めてデジタル化のチームらしきものができてしまいました。今では他部署のお偉いさんまで巻き込んだプロジェクトのようなものです。

工場DX、私が嫌いな流行り言葉ですが、世の中的には希少なキャリアらしいです。とりあえず、どこまで行けるかわかりませんが、自分はプログラミングやデータベース設計をして、時に周りの人に自分の考えを伝える活動をしていきます。

メイン業務ではプロマネ、サブ業務では工場DXというよくわからない草鞋を履いた社会人生活を送っています。

そうはいっても私の興味はサイエンスなんですよね。純粋な科学ほど面白いものはないと思います。社会人生活3年目でこれなんですから、来年・再来年どうなっているかは予想もできませんね。

最後に

今回はもともと物理を学んでいた私が気づいたら科学とはまるで関係のない世界でプロマネもどきをやっている話を書きました。

人生って本当によくわからないものですね。頑張って生きていきましょう

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