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曲のカバーについて / The Grass Is Blue

数時間前に "Gordi" が新曲をアップした。


"Gordi" らしくない歌メロだな、と思い調べてみると、"Dolly Parton" が1999年に発表した曲のカバーだということが分かった。

22年越しのカバー。 "Gordi" の再解釈に胸が躍った。


本家 "Dolly Parton" がフォーキーで「温かい」サウンドであるのに対し、"Gordi" のアレンジは実に彼女らしく「冷たい」。

ピアノを基調とした素朴なサウンド、どこまでも広がる柔らかいリバーブ、さりげなく漂うシンセサイザー、エフェクティブな処理が施されたコーラスがアクセントとなり彼女の中性的な声色を引き立てる。

冷たいと表現したが、それだけではないのがこのカバーの素晴らしいところである。コード進行や歌メロが温かいため、絶妙なバランスを持ってして「悲しい」ではなく「切ない」という感情を抱かせるのだ。

永遠にリピートできる。

僕の大好きなサウンドだ。


例えるならば、ひとり雪小屋の暖炉で温まっている感じ。

寒いけど温かいのだ。


 "Gordi" の他にも、 "Norah Jones" がこの曲をカバーしている。


こちらはジャジーというか、ゴスペルチックなピアノから始まり、途中からバンドアレンジが入る。若干のイナたさがありつつも洒落ている。急にお酒が飲みたくなってきた。飲みながら書こう。


遅ればせながら本家 "Dolly Parton" も貼っておく。


こうやって、それぞれのアーティストが1曲に対して、どのように解釈し、どうアプローチするのかを聴き比べるのも面白いものだ。

なおかつ、2人のカバーからは「どうだ、やってやったぞ」という恩着せがましさを感じない。原曲をリスペクトしつつ、各々のフィルターを通し、過去を現在へと蘇らせている。

それが素晴らしい。



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