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ISE-Workation|ポップアップレストラン「MIKASHIKI」

伊勢市が主催する「クリエイターズ・ワーケーション」に選ばれ、料理人の大野尚斗さんと「侍キュイジニエ」というユニットを組み11月13日から24日まで伊勢市に滞在しました。

滞在中は、伊勢市を中心に伊勢志摩エリアの生産地をまわるなどして食文化を学んだ後、活動の集大成として21日と22日の夜、伊勢市内でポップアップ(期間限定)レストラン「MIKASHIKI 」を開きました。

「MIKASHIKI」に込めた想い

レストランとお客様の最初の接点であるメニュー表に、ポップアップレストランの名前を「MIKASHIKI」にした理由をこのように書かせてもらいました。

御炊 みかしき
内膳司の官人。また、一般に貴人の食事の準備をする者のこと。 貴人の食事を調える場所のこともいう。伊勢神宮でも、神饌(神様に奉る食事)を作る者のことをさす。
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神宮の神事のなかに、1500 年以上365 日欠かさず行われている「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」があります。簡単にいうと、神様への食事を奉る神事で、朝夕2度行われているものです。伊勢神宮にとって神饌とは、そのときの旬の食べ物を神様に最初に食べていただくということだといいます。
 伊勢市クリエイターズ・ワーケーションに参加した料理人の大野尚斗は、伊勢とその周辺の食材への感謝を伊勢の神々に感謝しながら、料理をとおして「伊勢」を表現したいと思います。

メニュー表_最終版1

メニュー表_最終版12

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レストランの概要

日時:2020年11月21日(土)、22日(日) 18:00一斉スタート
人数:各回10名
場所:ロカンダ・ボーノ(三重県伊勢市河崎2-1-8)
料金:コース16500円(税込)、アルコールセット3500円(税込)

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21日(土)は9名、22日(日)は定員を超える13名にご来店いただきました。三重県外から多くの方がいらっしゃり、伊勢市内5名、東京7名、京都1名、和歌山1名、大阪2名、名古屋3名、岐阜2名、ワーケーション中のクリエイター1名でした。

当日の料理について

21日(土)と22日(日)では、食材の入荷状況によってメニューの変更がありました。このnoteでは22日、最終日の料理9皿と飲み物9杯を紹介します。

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岩戸の塩 出汁
岩戸の塩 百木良太さん「岩戸館」(伊勢市二見)

最初のひと皿は、二見浦の海水を煮詰めて製塩した焼塩「岩戸の塩」を味わっていただきます。

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夫婦岩で知られる二見には、御塩殿神社という内宮の所管社があります。ここでは、春と秋の二度、五十鈴川の水と海水が交わる場所から水を汲み、塩を作ります。この塩は、伊勢神宮に献上されて、お供えやお清めに用いられることになります。

岩戸の塩は、神宮の塩と同じ二見の海から汲んだ海水を釜で煮詰めて作ったもので、製法は違えど、同じ海から生まれた塩です。百木さんが作る、やさしい旨味のある伊勢海の味を味わっていただきたいと思い、伊勢鶏のコンソメを用意しました。

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淡い旨味のコンソメをまず味わっていただいた後に、岩戸の塩を手でつまんでコンソメに加えてみてください。料理における塩の力に気づくはずです。

岩戸の塩は、ミミズバイという針葉樹の葉の上に置いてあります。伊勢神宮に奉る食事(神饌)は、お酒や塩、飯などと品目が決められており、必ず素焼きの器にこのミミズバイの葉を載せた上に神饌が置かれてお供えされます。

このミミズバイは、伊勢市二見の高城神社付近の林の中で見つけてきたものです。

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ミミズバイは、殺菌効果もありますので、このまま引き続きテーブルに残して、お箸やスプーンなどを置くものとして使わせていただきます。

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金柑 伊勢海老
金柑、カタバミ 西川利道さん「六月農園」(明和町坂本)
伊勢海老 中村庸一さん「丸中商店」(志摩市和具)
器 中村一也さん ガラス作家(伊勢市二見)× ichishina(伊勢市)

今回のコース料理に出てくる葉物の野菜のほとんどは、伊勢市のお隣、明和町の六月農園の西川さんのものを使っています。無農薬栽培で土づくりにこだわる西川さんのお野菜の特徴は香りがいいことです。この後たくさん西川さんのお野菜が登場しますので、どうぞお楽しみに。

この金柑は、六月農園の駐車場になっていた金柑です。大きくて細長い見た目が面白い金柑で、色もきれい。最初のアミューズに使わせていただいております。

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なかには、伊勢海老のタルタル。伊勢海老は、この日の朝、志摩市和具の漁港で買ってきたばかりです。上には、西川さんの畑で見つけたカタバミを飾ってあります。

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トマト シラス
トマト 谷口順吾さん「谷口トマト」(伊勢市小俣)   

伊勢市小俣の谷口トマトの谷口さんが育てた土耕栽培の桃太郎トマトを食べていただきます。旬は、12月になってからということで味はまだこれからと谷口さんはおっしゃっていましたが、土の香りがする元気なトマトです。

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伊勢志摩の名産の海藻、ヒジキやアラメを散らした米粉のチップスの上に、谷口さんのトマトをのせて、その上からトマトと相性がいいシラスをたっぷりとかけました。

このシラスは、大野シェフが先月旅をして出会った、和歌山県の山利のシラス。トマトとシラスの旨味の相乗効果をお楽しみください。

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HIME WHITE
クラフトビール 「伊勢角屋麦酒」(伊勢市下野)

アミューズに合わせるのは、伊勢市内でクラフトビールを作っている伊勢角屋麦酒さんのHIME  WHITE。コリアンダーと柚子が入った白ビールで、金柑やトマトと相性がいいと思います。

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横輪いも ずわい
横輪いも、ずわい 「横輪町活性化委員会」(伊勢市横輪)

横輪は、伊勢市内から車で30分ほど離れた山間の集落。僕たちが行ったときは、紅葉の盛りで、真っ赤な紅葉が山を彩っていました。

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横輪桜の名所としても知られる、この地で戦後に作られるようになったの自然薯が「横輪いも」です。横輪いもはすりおろすと美味しいということで、地元では伊勢うどんに入れたり、いも汁にしたりします。

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横輪には横輪川という川が流れています。この川は、地元でズワイと呼ばれるモズクガニが獲れます。大くてハサミには毛が生えていて、結構凶暴。厨房でもちょっと気をゆるすと、逃げ出そうとするほどです。

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地元では、塩茹でして食べるそうですが、今回は、茹でて身をほぐしたのち、殻でとった出汁と横輪いものすりおろしと一緒にお椀仕立てにしました。

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春菊 ゴボウ
春菊、ゴボウ 西川利道さん「六月農園」(明和町坂本)

横輪のモズクカニと自然薯に合わせたのは、西川さんの畑で採れたゴボウのカクテル。ゴボウをアルコール度数96度のスピリタスに漬け込んで香りを移し、春菊の葉を添えました。横輪の土の香りに寄り添うカクテルです。

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サワラ 海苔 煎り酒 御師風
サワラ 鳥羽市産トロさわら
岩戸の塩 百木良太さん「岩戸館」(伊勢市二見)
日本酒 清水清三郎商店「作 雅乃智」(鈴鹿市)

伊勢に到着した最初の夜、宿泊先のおく文さんで、300年前に伊勢詣に来た参詣者たちが食べた料理を再現した「御師料理」をいただきました。

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御師とは、全国各地から伊勢詣に来る参詣客の食事や宿泊などを世話する伊勢の人たちのこと。明治4年まであった職業で、800軒の御師宿があったといいます。ある一軒の元御師の家から300年前の献立が発見され、それを専門家に解読をしてもらった上で、現代人の口に合わせてコース仕立てにしたのが御師料理です。

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しかしこの御師料理は、現代人にとっては豪華な食事とは言い難いものでした。鯛や海藻が入ったお椀、伊勢でよく採れるタイなどが繰り返し出てきはしますが、伊勢海老も松坂牛もない。とても質素なものです。

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しかし、江戸時代の人たちにとってはこれが十分に立派な伊勢での食事だったことを聞いたときに、タイの塩焼きや刺身などの質素な料理に意味が生まれて、それがガストロノミー(美食)になるんだよね、ということを二人で話していました。

伊勢市のお隣でトロさわらといってブランドになっているサワラを焼き、二見の岩戸の塩でシンプルにいただく。派手さはありませんが、300年前に伊勢での食事を楽しみにして参られた人たちが感じた最高の伊勢料理を体験していただければと思います。

伊勢志摩の道の駅で見つけた焼き海苔を添えてありますので、海苔でサワラを包んで召し上がりください。また、小皿には御師料理にも出てきたもので、三重の銘酒「」で作った煎り酒を用意してあります。お好みでサワラにつけても美味しいかと思います。

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伊勢茶 かぶせ茶 金柑
金柑 西川利道さん「六月農園」(明和町坂本)

伊勢市産のかぶせ茶と西川さんの金柑を使ったカクテルです。サワラをお寿司のようにいただきますので、お飲みものもあがり(お茶)に見立ててお出しいたします。

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伊勢海老 海老芋
伊勢海老 中村庸一さん「丸中商店」(志摩市和具)
器 ichishina 「ichi Pottery (iseshima blue) 」(伊勢市)

伊勢海老は、実は伊勢市では獲れません。この近くで獲れるのは、伊勢市から車で1時間ほど、およそ40km南にある志摩市和具の漁港です。

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先週、視察で和具漁港を訪れた際は、伊勢海老が大漁に揚がった日でした。しかし、レストランのために、金曜と今朝行ったところ、両方とも海が悪く休漁。その日に揚がった伊勢海老を買うことはできませんでしが、漁港にある魚屋「丸中商店」さんの中村庸一さんから2度とも購入させてもらいました。

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伊勢海老は、潮の満ち引きによって豊漁かどうかが変わってくるそうです。よく獲れるのは、新月の晩。海が暗い時の方がよく獲れるそうです。

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今回は、大野シェフは、伊勢海老のアメリケーヌソースというザ・フランス料理の一皿にして伊勢海老のおいしさを存分に味わってもらえればと思います。

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酒屋八兵衛 山廃純米酒 伊勢錦
元坂酒造(大台町)

アメリケーヌの磯強い香りと海老芋の濃厚さには、山廃の独特な濃度の濃いオレンジ色のイメージが合うのではないないでしょうか。伊勢錦とは、酒米のことで、江戸時代の終わりころから三重県で栽培されていた歴史ある品種です。

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山海飯
松坂牛 「霜ふり本舗」(松坂市)
ハマグリ 伊勢湾漁協 今一色支所(伊勢市)

三重県内では桑名がハマグリの漁場として有名ですが、最近では伊勢市二見が、桑名をしのぐ収量になっているそうです。

焼きおにぎりに、隠し包丁を入れた松坂牛のイチボのスライスを被せ、上から熱々のハマグリの出汁をかけていただきます。海と山が近い伊勢エリアならではの山海飯です。

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あらめ

お米料理には、お米のお酒を、ということで、六月農園がある明野町のお酒「斎王(さいおう)」です。伊勢市の皇學館大学と明和町が連携して造った日本酒で、正式には「神都の祈り 斎王」という名前です。 この日本酒にあらめを2時間ほど漬け込むことで旨味と香りが溶け出し、ハマグリの出汁と松坂牛の旨味に相乗効果をもたらします。

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セロリ グレープフルーツ
セロリスプラウト 西川利道さん「六月農園」(明和町坂本)

メインの肉料理の前に口直しの一皿。グレープフルーツジュースと刻んだセロリスプラウトをミキサーで撹拌してからこす。セロリの清涼感が口直しにピッタリです。グラスにささっているのは、1本のセロリスプラウト。細い茎と葉ですが、味はしっかりとセロリなんです。

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松坂牛 わさび菜 黒ニンニク
松坂牛 「霜ふり本舗」(松坂市)
わさび菜 西川利道さん「六月農園」(明和町坂本)

メインは、松坂牛です。今回はサシが少ないイチボを用意しました。

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六月農園の西川さんに教えていただいた、松坂牛専門の精肉店「霜ふり本舗」さんで購入したものです。店内に1頭買いした牛がぶらさがった解体風景が見えるという、とてもユニークなお店です。市民に愛されるお店で、いつもお客様で賑わっています。

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キッチンである程度、肉に火を入れてから、最後の仕上げをお客様のテーブル近くに置いた炭台で火を入れていきます。焼き上がったら、目の前でカット。温かいまま、すぐにお客様の元に運びます。

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牛すじでとったソースは、提供する直前に焼いた松坂牛の牛骨を入れて香りを移しています。付け合わせは西川さんのわさび菜です。

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Neko Nishiki
クラフトビール 「伊勢角屋麦酒」(伊勢市下野)

お肉に合わせたのは、伊勢角屋麦酒さんのニューイングランドスタイルのIPAビールです。通常よりもホップを大量に使うのがニューイングランドスタイルの特徴。豊潤なホップの香りをお楽しみください。

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人参ムース モルトC40
ミニニンジン 西川利道さん「六月農園」(明和町坂本)
モルトC40 「伊勢角屋麦酒」(伊勢市下野)
器 中村一也さん ガラス作家(伊勢市二見)× ichishina(伊勢市)

六月農園さんの畑に行って、2人がもっとも感動したのが、ミニニンジンでした。土から抜いてすぐに食べたミニニンジンはびっくりするくらい甘かったんです。この感動をぜひ食べていただきたいと思い、ニンジンをデザートに使ってみました。

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ニンジンのムースに、ハチミツとバターでツヤを出すように火を入れたミニニンジンと、素揚げしたミニニンジンの葉。そこに伊勢角屋麦酒さんがビールの原料として使っているカナダ産のモルト「C40」をアクセントにふりかけています。

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作 雅乃智 グリーンレモン
日本酒 清水清三郎商店「作 雅乃智」(鈴鹿市)

グラスには、グリーンレモンの皮を絞ってあります。和歌山から届いたフレッシュなグリーンレモンをを十分に香ってみてください。

そこに作を注いでいきます。透明感があってきれいなお酒の作が、レモンのさわやかな酸によく映えると思います。

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蓮台寺柿 フロマージュ
蓮台寺柿(樹上完熟) 山口さん(伊勢市)
器 中村一也さん ガラス作家(伊勢市二見)× ichishina(伊勢市)

蓮台寺は、伊勢市駅から内宮に向かう途中にある地域で、伊勢自動車道の高架をくぐった先、道の左右に柿畑が広がっているのを気づいた方もいらっしゃると思います。

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蓮台寺柿は、その地域で栽培されている伊勢の名物品です。江戸時代から300年以上の歴史を持つといわれ、蓮台寺柿の樹自体が伊勢市の天然記念物にもしていされています。

樹の上で完熟させた柿で、割ってみるとジャムやゼリーのようにやわらかくなってスプーンですくって食べることができます。ダラっとせず、すっきりとした甘さが特徴です。

この柿に出会ったのは、伊勢に来た初日。会場のロカンダ・ボーノさんに挨拶に来たときです。何気なく置かれていた完熟して赤くなった蓮台寺柿を、最初はトマトだと思い込んでいたほど。

「いただきものだから食べてみて」と勧められて食べてみたらびっくり。初めて食べる樹上で完熟した柿でした。

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合わせたのは、チーズはウォッシュタイプのラングレーです。トロトロに溶かしていますので、お好みで柿にかけて召し上がりください。

この料理にはおまけがありました。大野シェフが先週、鹿児島県の大崎町でいただいてきた地域限定の芋焼酎「大崎」をおすそわけさせていただきます。渋柿の渋を抜くのは焼酎ですから、きっとあうはずです。

MIKASHIKIメンバー

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シェフ 大野尚斗

1989 年福岡県出身。2008年4 月 高校卒業後 福岡中洲の人気フランス料理店「旬FUJIWARA」にて見習いとして修業を開始。2011 年、「The Culinary Instituteof America」ニューヨーク本校へ入学。在学中に「 TheNoMad」(ミシュラン一つ星)にて勤務。ガルドマンジェ(野菜)とポワソン(魚)部門シェフを務める。The CulinaryInstitute of America 卒業後、2014 年から2年間、シカゴ「Alinea」(ミシュラン三つ星・在籍時、 世界のベストレストラン50・世界9 位)にて勤務、部門シェフを務める。帰国後、日本国内数店で研修し、包丁1 本持ちヨーロッパをバックパッカーでまわった後、代官山「レクテ」(ミシュラン一つ星)にて勤務、スーシェフを務める。赤坂の1 年限定会員制レストランにてExecutive chef を務める。2019 年10 月14 日~ 12 月14 日 スウェーデン「Fäviken」(ミシュラン二つ星)研修。2020 年3 月 ペルー「Central」(世界のベストレストラン50・世界6 位)研修。 現在、独立準備中。

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ディレクター 江六前一郎

1977年、千葉県生まれ。1997年、木更津工業高等専門学校。2002年に雑誌・書籍の編集プロダクション「タミワオフィス」に入社。講談社パートワークシリーズ『日本の街道』『世界の美術館』などに携わるなど、歴史、文化、芸術分野で雑誌・書籍編集者として経験を積む。2012年から食の専門月誌『月刊 料理王国』を担当(~2019年)。国内外の一流レストランやシェフを取材、のべ取材店舗は350店におよぶ。副編集長も歴任。2020年5月にタミワオフィスを退社、現在フリー編集者、食のジャーナリスト、レストラン・ディレクターとして活動している。

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サポート サービス・ドリンク 成澤亨太

1978年東京都生まれ。東京都内にて数店舗でのソムリエを経て、支配人・ソムリエとして銀座「’Odorante」、麻布十番「Liberté a table de TAKEDA」(ミシュラン一つ星)にて研鑚。フランス・パリ「Restaurant TOYO」の東京ミッドタウン日比谷の日本初出店を受け、統括支配人 兼エグゼクティヴ ソムリエとして現職に。今までに経験した国内外の様々なレストランとのコラボレーションを基軸に、現職の傍ら、自身のプロデュースする「Restaurant Solfège」を自由が丘にオープン。様々な飲食店やバーのドリンク監修、またTBSドラマ 「グランメゾン東京」のワイン選定、Nespressoイベント・デザート監修等、レストラン業務の枠を越えた活動を行い、フレンチの枠に留まらないイノベーティブな料理に合わせて世界中の飲料からのペアリングを提案している。

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サポート 北村莉子、糸川幸汰(相可高校調理部)

TOKIOの松岡昌宏さんが主演したドラマ「高校生レストラン」(2011年)のモデルになったことでも知られる、多気町にある三重県立相可高校調理部の北村莉子部長と糸川幸汰さんに2日間キッチンのサポートをしてくれました。日本料理のr料理人を目指す2人にとって、西洋料理という勝手が違う慣れない仕事場だったと思いますが、とても熱心に丁寧に仕事をしてくれました。2人がいなければ到底、このレストランは開催できなかったと思います。どうもありがとうございました。

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生産者とZOOMでつなぐ「共食」の実験

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イベントの冒頭には、六月農園の西川さん、谷口トマトの谷口さんとZOOMでつないで、栽培へのこだわりなどを話してもらいました。レストランと産地をオンラインでつなぐことで、より豊かな食事の場になったのではないでしょうか。

名古屋から来てくれた友人の佐藤昌平さんに協力をしてもらいました。ありがとうございます。

川端康夫さんが染めたランチョンマット

MIKASHIKIの空間にすばらしいアクセントをつけてくれたのが、同じ伊勢市クリエイターズ・ワーケーションの参加者である川端康夫さんに染めていただいたランチョンマットでした。

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川端さんのワーケーションの目的は「伊勢神宮の色」を見つけること。11月20日の最終日に、滞在を経て見つけた色の染色のワーケーションを外宮前の「ASAFUKU」さんで行いました。

その時に外宮の色に選んだのは「白緑(びゃくろく)」。その貴重な染布を特別にランチョンマットに仕立ててくださいました。

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霊感が強い大野シェフも外宮には内宮よりも明確に気を感じると言っていたほどで、何かが繋がるものがあるのかもしれません。

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料理撮影に映っているものが、川端さんのランチョンマットになります。伊勢の食材を使った料理によく合っているし、食材がより輝いているようにも思います。

器や皿、食器について

器については、外宮の門前「おかげ横丁」で伊勢うどんのお店を出されている奥野家さんが立ち上げた器やカトラリー、雑貨のプロダクトを販売するブランド「ichishina」さんとコラボレーションさせていただきました。

Uchishibaさんは、今回使わせていただいた二見のガラス工芸作家の中村一也さんのように三重の作家さんとコラボレーションしたり、印象的な青が伊勢神宮をイメージさせる「ichi Pottery (iseshima blue)」(萬古焼との共同製作、伊勢海老で使用)などのオリジナルモデルを制作しています。

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レストラン開催中は、商品をディスプレイして、お客様に紹介させて戴きました。

その他の塗りのお椀や洋風皿は伊勢調理製菓専門学校さんからお借りしております。調理師免許を取得できる専門学校としては日本で最も歴史がある学校ならではの貴重な器をお借りできました。

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special thanks byspecial thanks by
坂田善則(大喜)、伊勢調理製菓専門学校、ichishina(奥野家)、川端康夫(川端商店)、ASAFUKU、樋口宏江(志摩観光ホテル)敬称略

photograph by 村川荘兵衛

料理人付き編集者の活動などにご賛同いただけたら、サポートいただけるとうれしいです!