Food|マイベスト、野菜がおいしいレストラン
先日、お世話になっている方から「お野菜がおいしいお店を紹介してください!」というリクエストをいただいて、すこし考えてお伝えさせてもらいました。
その時、これまで行ったお店をいろいろ記憶を呼び起こしていくつかピックアップしてリストにしたので、せっかくなのでみなさんにもお教えしようかなと思います。
The Burn|アメリカ料理、青山一丁目
炭火焼の肉が人気のアメリカンスタイルのレストランですがこちらは野菜もおいしい。シェフの米澤文雄さんは、『ヴィーガン・レシピ』(柴田書店)という本を出すほど、野菜をメインにしたお皿を作るのが上手な方です。
野菜のおいしさは、いかに素材がもつ水分をコントロールするかということと、しっかり焦がすらい火をいれてメイラード反応による旨味と香りを出すことだと思っています。米澤さんの料理は、それに加えてオイルやスパイス、ハーブで厚みを出すことで、野菜が主役のメニューを次々に生み出します。
資生堂 FARO|イタリア料理、銀座
The Burnの米澤シェフとともに、東京のガストロノミーシーンでヴィーガン料理を押しだしているのが資生堂ビルに入っているイタリアン「FARO」の能田耕太郎さんです。
FAROではベーシックなコースのほかにヴィーガンコースも用意されています。このヴィーガン料理、「もう野菜だけでいいね」と思うほど、重なり合いがうまく、満足度が高いです。
1999年からヨーロッパに渡って、海外でのキャリアが長い能田さんは、ローマの「bistrot64」でミシュラン一つ星を獲得するほど、ベースにヨーロッパの機微をもつシェフです。日本人とはまた違った野菜使いは、FAROの魅力です。
アンディ Ăn Đi|モダンベトナミーズ、外苑前
最近取材で伺った際に、「『肉や魚の付け合わせてとしてある野菜』の主従関係を変えたいんです」と言っていたシェフの内藤千博さん。その思い通り、白菜のさまざまな部位を発酵させたり、煮込んだりしながら重層的な味に仕上げ、見事な野菜がメインの皿を作り上げています。
ラ・ボンヌ・ターブル|フランス料理、日本橋
フレッシュでモダンなフランス料理を出す「ラ・ボンヌ・ターブル」。去年の夏に食べたホウレンソウの冷製ポタージュとのモッツァレラ(CHEESE STAND)がすばらしくおいしくて、また来年も行きたい。シイタケのローストも印象深い。
フランツ|白金台、フランス料理
フレンチをベースにしながらも神宮前の名店「eatrip」に参加し、カリフォルニアの伝説的な店「シェパニーズ」の薫陶を受けたことで、素材そのものの姿を意識した料理を出すようになったという福田祐三さん。
野菜をできるだけシンプルに調理していただく。素材を信じなければできない野菜料理です。
ロス・タコス・アスーレス|三軒茶屋、タコス
素材を重視したタコス屋さんで、とくに辛みをうまくつかって野菜に厚みをもたせて食べさせる感じは、おもしろい野菜の食べさせ方だよなと思います。
シェフのマルコ・ガルシアさんは、メキシコと日本の食文化の融合を目指しているといい、日本の野菜とタコスの可能性も追求しています。
ビストロ・ニード|都立大学、フランス料理
発酵野菜をうまくつかって、旨味や塩味にバリエーションをつけています。
スプートニク|六本木、フランス料理
フレンチで1軒好きなお店を上げるとしたら、僕はル・スプートニクを上げます。真摯な料理への姿勢。狂気ともいえる手のかけ方。はやく2つ星になってほしいです。
※現在休業中、残念です。
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東京以外でもいくつか印象的なお店を。
COMMUNICO|生駒・奈良、イタリア料理
寒じめのホウレンソウの料理、おいしかった。野菜は奈良の生産者さんから直送で送ってもらっているそうです。
UOZEN|燕三条・新潟、フランス料理
新潟県版でミシュラン2つ星を獲得したUOZENさんの向かいにある畑で採れたというカボチャ。塩釜焼きにしてブイヨンでいただきました。これも忘れられない野菜料理です。
ヴィラ・デラ・パーチェ|七尾・石川、イタリア料理
ヴィラ・デラ・パーチェの近隣の農家さんから送ってもらったたくさんの野菜をひとつ一つ丁寧に火入れをしてあります。この地域の畑の景色が見える。そんなひと皿でした。
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野菜がおいしいお店、ぜひ行ってみてくださいね!
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明日は「note」。今週読んだnoteのなかから気になった1本について書いてみます。
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