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「メトン周期」ってなんだ?ー占星術への活かし方

先日受講した賢龍雅人先生のマンディーン講座で「メトン周期・メトニックサイクル(Metonic cycle)」なるものを知りました。
同じく太陽と月の運動サイクルの一つであるノードの「サロス周期」と混同してしまいそうなので、自分なりに整理してみました。

「メトン周期」=月の位相のサイクル

「メトン周期」とは同じ月日に同じ月の位相が見られる周期として、紀元前433年にギリシャの数学者メトン(Meton)が発見した19年の周期。
公益社団法人 日本天文学会「天文学辞典」HP「 メトン周期」より

19太陽年≒235 朔望月
19 太陽年:365.242194 日 ✕ 19 = 6939.601686 日
235 朔望月:29.530589 日 ✕ 235 = 6939.688415 日


つまり、月の満ち欠けの1周期を235回繰り返すと、19年前と同じ月日に同じ月の位相が見られるそうです。

「メトン周期」と近い約18年周期の「サロス周期」。
こちらも太陽と月の運動のサイクルなのですが、月の満ち欠けである「メトン周期」と異なり地球から見た太陽と月の軌道の交点のサイクルです。
※「サロス周期」についても、また(いつか)noteにまとめたいと思います。

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国立天文台さんHP(https://www.nao.ac.jp/gallery/moon.html)から画像をお借りしました。

チャートではどうなる?

先程の上限の月は、2018年11月15日 18時44分撮影(国立天文台)。
メトン周期の19年前である1999年11月15日にほぼ同じ月が見えていたということで、ホロスコープ上はどうなっているのか検証してみました。

メトニックホロスコープ

蠍座太陽はどちらも23度で上弦の月だけど、月の度数が微妙に違う。
(1999年は水瓶座12度・2018年は水瓶座21度)これには、二つの理由があるようです。

・19太陽年と235策謀月は誤差が約 0.0869日(約2時間5分)ある
・1太陽年と暦の太陽暦(1年365日)にズレがある

2時間5分の差だけを簡単に修正し、引き続き2000年から3年分のメトン周期の比較チャートを出してみました。

メトニックホロスコープ3

メトニックホロスコープ4

メトニックホロスコープ5

下弦に向かう月→新月→満月に向かう月と、19年ごとに同じ位相で変化していますね。ちなみに、一年ごとに月が進む度数はランダム。2018~2036年を調べたところ、それぞれ一年で約60~140度の間隔で進んでいました。

占星術ではどう活かす?

月の位相とは、太陽と月のアスペクトの変化です。つまり、位相が同じということはアスペクトが同じなので、太陽と月の関係性が19年サイクルでまた同じになるということを表しています。太陽と月が重要なイベントを起こす日の19年前を確認してみると、何かヒントになりそうです。

・「マンディーン」→ 国のリーダー(太陽)と国民(月)の関係性

・「ネイタル」→ ソーラーリターンでその年の目標やテーマ(太陽)と気分やプライベート(月)の関係性

賢龍先生は日食の説明で「メトン周期」を紹介されていたので、
「個人のチャート上で起きる日食の場所(リセットが起こる場所)は19年前にも食が起きている」
ことを指摘されていました。メトン周期が理解できると「確かに!」とうなづけます。

そう考えると、占星術は大きなサイクルの中の営みであることを改めてしみじみと感じます。サイクルの流れに身を置く喜びとそれを紐解いていく楽しみ。

皆さんも「メトン周期」で、ぜひご自分のホロスコープ確認してみてくださいね✯

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