地方移住までのロードマップについて

twitterで地方移住のためにあったら良いサービスとは何か?と問いかけたら、地方移住するまでのロードマップを作成してくれると良い、とのアイディアが出ました。

人それぞれ事情も要望も異なるので万人に通用するロードマップは作れないと思いますが、ここではまず私の体験談と、これが平均的な手順だろうか、と言う2点をお話ししたいと思います。

1990年暮れに長野県に移住した私のケース


1982年に入社した会社も10年近くなり、若手のリーダー格の仕事を任されるようにはなったものの、不動産バブルがピークに差し掛かった1990年初めにそろそろ東京の生活には見切りをつけて心機一転したい気分になりました。1991年4月には長女が小学校に上がるし、仕事も先が見えてきて(大型計算機の性能向上が頭打ちになりパソコンが主流になることが見えていた)、社内で異動するくらいなら転職しても似たようなものだなと思えたのと、岐阜県大垣市に住む両親がいずれは一緒に暮らしたいとの希望を聞いていたので、この際どこか地方で仕事を探しつつ二世帯住宅かなにか建てて第二の人生を送ろう、との計画が頭の中に浮かんだのでした。

そのもやもやが決定的になったのが、不動産バブルで近所の小さな一戸建てが1億円で売り出され、自分は一生かかってもあんな小さな家すら買えないのだなと悟った時期でした。

5月に入り、両親が上京して一緒に埼玉の長瀞・秩父に旅行した際に、東京を離れ岐阜かその近くに移住・転職を考えていることを伝えました。

転職のエージェントをいくつか当たり、30歳なら再就職口は結構あることがわかったので、あとは自分がその仕事に情熱を感じて打ち込めるか、自分の東京の住居と岐阜の両親の住居を売って新しい家が建つかどうかなどの綿密なリサーチをした結果、転職先として長野県塩尻市の精密機器メーカに白羽の矢が立ちました。

私の場合は、この大プロジェクトで妻・子供3人(うち一番上が翌年小学校に入る)・両親、の人生をがらっと変えてしまうので相当に悩み、逡巡しましたが、最終的には「賽は投げられた」の心境で決断しました。

長野県塩尻市に引っ越したのが1990年12月、翌1月には新しい会社に入社して仕事を始めます。

その職場には15年勤めて再度転職、その後起業しますがその話はまた後日。

今だったらどんな手順を踏むか?

私のケースはかなり大掛かりなプロジェクトでやや特殊かと思います。もう少し自分が身軽、例えば独身か、カップルでも子供がいない、もしくは小さい、しかも時間的余裕があるなら次のような手順を踏むと思います。

①まずは単身で移住・転職して仕事や生活に慣れた頃に家族を呼び寄せる

②初めに、どこにいてもひとりでできる、ネットで完結する仕事に副業として取組んで、仕事に目処が立ったら退職し移住する(リモートで仕事を続けられるなら会社員の立場を早々に捨てる必要はないかもしれない)。

の2パターンが思い浮かびます。①は転職する会社を決めると自動的に生活する場所が決まりますが、②なら移住する先は縛られないので住処はじっくり決めればよいことになります。

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いずれにしても、①家族をどうするか、②時間的なリミットはどのくらいか、③その他の希望(アウトドア好き、海or山に近い方がいい、農業がしたい、等々)もあるはずなので万人向けに共通のロードマップは作れないと思います。ヒアリングに時間をかけて提案するビジネスは成り立ちそうですが。

今回はここまで

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