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自分が輝ける場所

大学に入ってダンスサークルに入った。
ダンスは中学の頃から憧れていたけれど、住んでいた町があまりにも田舎だったので、習える場所もなく、いつも見様見真似でYouTubeを見ながら踊っていた。
きちんとダンスを基礎からやったのが大学からだったので、最初はとんでもなく下手だった。それに運動神経もないので見るに耐えない感じだった。
それでもダンスが楽しく、サークルを辞めようとは思ったことがなかった。

大学生の後半にはサークルの外でも活動するようになった。サークルの外には、サークルにいる人よりももっともっとダンスが上手い人がたくさんいて、とても刺激になった。友達もたくさん増えた。わたしももっと上手くなりたい、とますます練習するようになった。

自分で言うのもなんだが、当時のわたしはめちゃくちゃ練習していたと思う。大学の授業の合間、バイトの前、バイトが終わってから、寝る間も惜しんでダンスの練習をしていた。

でもなかなか思うように踊れなかった。練習しても練習しても、みんなに追いつけなかった。自信がなかった。先生に選ばれる立ち位置もいつも2列目だった。

嬉しいことよりも、悲しいことの方がずっとずっと多かった。深夜練をして、朝、悔しくて駅のホームで泣いたこともあった。

「才能がない」「センスがない」何度も思った。でも辞められなかった。
何ヶ月も練習して、たった1度、5分のステージに立つ。そのときの景色。歓声と高揚感。爆音の中で体をリズムに乗せる快感。
ひとつステージが終わると、またやりたい。また頑張りたい、と思った。

だけど最近、もう終わりにしようかなと思うことが増えた。きっと完全に辞めることはできないけれど、もうこれまでみたいにのめり込むことはないだろうなと。

気が済むまでやったというのもあると思うけれど、やはり才能がない分野にいつまでもしがみついていても自分が輝けないと思った。

でも、ダンスをやってきたことに後悔しているわけではない。ダンスはわたしにいろいろなことを教えてくれた。
夢中になるということ。悔しい気持ち。心が折られても折られても立ち上がる強さ。ダンスしている間、嫌なことは何もかも忘れられた。
ダンスをしていなかったら、今の友達のほとんどと出会っていなかった。

今は、もっと自分らしく輝けるものを探している最中だ。自分も周りも幸せにできるものが見つかれば、きっとわたしはそこで輝けると思う。

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