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バラの季節に思い出す、私にとって大切な出来事


とっておきの1枚を撮ろうとバラに接近する女性、色と形のきれいなバラを探して高い位置にカメラを構えるカメラマンらしき人、誰もがその華やかな美しさに魅了されているみたい。
私もその中の1人。みずみずしくて少し青臭くて甘い香り を放つバラが大好きだ。

大好きなバラの季節になると思い出すことがある。
ローズの精油が大好きだったお客様のこと。
自宅サロンのブログを読んで思い切って連絡をくださったそうで『昔アロマトリートメントを受けてよかったので、また何も考えずリラックスしたい』という。
予約時のやり取りでわかったことは、色々あって心療内科に通われているということ。
ご予約前日くらいから急に「私で大丈夫だろうか」と不安になったが、リラックスしたいと言っているのだからいつも通りで大丈夫!と自分に言い聞かせた。
お会いしてみると不安も吹き飛ぶような明るい感じのマダム。サロンでは最高齢60代のお客様なので特に印象的だった。


ローズの精油は希少で、普段の施術では使用せず季節限定キャンペーンとして取り入れていた。「このタイミングに来れて運命を感じる」と喜んでくれた。
始めは口数も少なく『施術を`お手並拝見'しているのかなぁ』なんて思っていたが、そのうちあれもこれもと言葉が溢れ出す。
トリートメント中盤には『こんなことまで話してくれるの?』と驚く程、ぶわーっと言葉が溢れ出す。

ストレスやコリ、凝り固まっていたものが緩んでほぐれていき、お身体がポカポカになった頃にはすっかりリラックス状態。

そうか、精油のチカラだ。
これまでも精油が手助けしてくれてきたんだっけ。
私はウンウンと共感しながら話に耳を傾けた。

翌月お会いした時には『娘家族のことが心配なあまり夜も眠れなくて…常に悪い方に考えてしまって…』と辛そうなご様子。

きっと優しくて共感力のある方なんだろう。共感するあまり他人と自分の境界線がなくなっているのかもしれない。
普段は聴く割合を多めに心がけているけれど、こちらからも少し話してみた。
その頃『7つの習慣』を読んでいて、課題の分離が頭に浮かび、やんわり慎重に声をかけてみた。

すると「カウンセラーさんも同じこと言っていて何だか軽くなりました。ありがとう。」と
その日の帰りは一皮剥けたようなスッキリした表情をしていた。『この方はきっともう大丈夫だ』となぜか確信できた。

次回予約がなかったので『もうサロン卒業かな?』なんて思ったけれど、その後何度か来てくれて、私の愚痴まで聞いていただく始末に…。(アドバイスもくれた人生の先輩✨)
そして、娘さん家族の住む県外に引っ越しするという連絡をいただいた。

それ以来お会いすることはなくなり『今どうされているのかな』とバラの季節にふと思い出す。

「ローズの香りを嗅ぐと深いところで安心できるのが不思議」と言っていた。
きっとこの香りを脳が必要としていて、香りが脳に到達しカラダを巡り、少しずつ軽くしてくれたのかもしれない。

アロマテラピーで使うローズ精油は観賞用のバラとは異なります。

ローズの嗅覚作用としては精神・神経系の不調に良い効果をもたらす。
特に女性には心身ともに素晴らしい作用が期待できる。
極度の落ち込みにも〇

ケモタイプ精油小辞典 より



こうしてお客様に育てられているんだな、とハッとする。
そしていつも一番頼りになるのは植物から採られた精油たち。
いつも優しく心に寄り添ってくれる精油にあらためて感謝の気持ちがわく、そんなバラの季節がまたやってきた。


【おまけ】


私を軽くした言葉(引用)

その悩みが自分でコントロールできるものか、それとも他者のコントロールにあるのかを分けるということ。

課題の分離とは

自分の課題と他者の課題を見分ける基準は「その課題の最終的な責任」を引き受けるのは誰かというところにあるということ

アドラー心理学による



最後までお読みいただきありがとうございました。

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