お出かけnote9―高知城
先日、高知へご出陣だった
我が推しさま。
もれなく私も付いて行ったのです。
が、そこは旅人えりたさん(誰)。
推しさまが退陣なさっている隙を狙い
近くにあった『高知城』へ
馳せ参じました。
■沿革を雑に
高知城は、日本で唯一本丸の建築群が
すべて現存する城郭です。
もともとは、南北朝時代に築かれた
大高坂城がありました。
そして、戦国時代には
長宗我部元親が築城に取り組むも
治水の難儀さに断念。
その後、慶長6年(1601)に
山内一豊が築城を始めます。
難工事を完遂し、ほぼ全容が完成したのは
それから10年後、慶長16年のことでした。
ちなみに。
ステージのトークで武将さまが、客席に
「お主は、長宗我部派? 山内派?」
について、問うたところ
圧倒的に「長宗我部派」が多かったです(笑)
そして、後ろで酔っ払ったお兄ちゃんが
「土佐は坂本龍馬じゃあ!」と
雄叫んでおられたのも
なかなかに印象深い出来事でした。
えぇ、武将さまより250年ほど後のお話ですね♡
閑話休題。
その後、焼失したり、復興したり
紆余曲折はあったものの
そのまま江戸時代の終焉を迎えます。
そして、明治維新により廃城が決定。
本丸と追手門を除くすべての建物が取り壊され
公園として今に至るのでした。
壊さないと前に進めなかったのよね、
明治時代って、と思いつつ。
それほど強大な城の
「象徴」という機能を
ちゃんと浴びてみたかったなぁと
一方では思うのでした。
■とにかくフォトジェニック
高知城は、最初の追手門から
カッコいいです。
そもそも黒いお城って好きなのですが
(熊本城とか、松本城とか)
高知城も真っ直ぐな美しさが
カメラ小僧の心をぐっと掴んで離しません。
どこをどう切り取っても
うつくしいし、カッコいい(語彙力)。
木の配置も、建物とのバランスが絶妙で
隙がないんですよね。
しかも、石垣が
それだけですてきなんです。
この石垣は、
近江の技術者集団によるものだそうです。
雨の多い土地柄を考慮し、
崩れにくく排水能力の高い野面積みが
多く採用されています。
年月が経ち、苔生す姿もまた凛として。
機能と美って
ちゃんと両立するのだと…
寧ろ、機能の伴う美だからこそ
見るものの印象に深く残るのだと
そんなことを思いました。
■軍事拠点としての城
リーフレットを見ていて
「軍事拠点としての城の性格」という語に
気が付きました。
そういえば、このお城も築城開始が1601年。
関ケ原の戦いの翌年ではありますが
大坂の陣はまだ先の話なんですよね。
だからこそ、
横矢掛りとか矢狭間とか
そういった軍事機能をちりばめる必要があった。
そのときの緊張感が
建物の其処此処に反映され
戦いのない今も、それは
ずいぶん弱まってはいるのでしょうが
残り漂っている。
現存する建物のなかに入ったときの
ひんやりした独特の緊張感の正体は
ここにあるのだなと
高知城でようやく実感したのでした。
■知識って大事
実は、高知城へ行ったものの
その感想を書けずにいました。
自分のなかにあるものが見えなかったというか
どう書いても、何か違ったんです。
そして、書けないなと思いながら
リーフレットを読んでいるうちに
ようやくコトバが固まってきたのです。
感覚だけでは書ききれないものを
知識が補強してくれる愉悦。
私はいつも
ガチガチな頭になるのがイヤで
事前知識をほとんど入れずに旅へ赴きます。
でも、知識があっても
ちゃんと感じられるものはあり
それはそれで面白いのだと
今回の高知城の旅で知りました。
だから、今度どこかへ行くときは
ちょっとだけ準備しようかなと
そんなことを思ったのでした。
・ ・ ・
高知城は、JR高知駅から
歩いて行ける距離にあります。
途中、朝市があったり、市場があったり
誘惑もなかなかに多い道ですが(笑)
でも、とても美しく
近世のお城らしさを存分に堪能できる
ステキな城郭です。
スマホのカメラロールが
黒でいっぱいになること間違いなし(笑)
機会がありましたら、
ぜひお立ち寄りくださいね。
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