見出し画像

読書日記29 言葉ダイエット

こんばんは。えりたです。
本日読了したのは、コチラ。

『言葉ダイエット』
■橋口幸生
■宣伝会議
■1500円+tax
■ISBN:9784883354801

この本の副題は
「メール、企画書、就職活動が変わる
最強の文章術」
です。

□1文は40字以内
□カタカナ語禁止
□「させていただきます」禁止 など

こういった原則を挙げ
文章をダイエットする方法を
豊富な実例と共に解説します。

・ ・ ・

上に挙げた原則って
例えば、この3つだけでも
文章を書くときに、実際に用いようとすると
思いの外、難しいです。
えぇ、ワタクシったら
今まさに、この文章を書きながら
その罠にずぷっとハマっています(笑)
でも、同時に
この原則をきっちり自分のモノにできたら
文章を書く上で
強い武器になるだろう
とも思うのです。
…なので、がんばる(涙目)

閑話休題。

本書では、豊富な文例の
「改変前」「改変後」を示します。
その上で、
どこを、どのように変えたのか、
何が、どのように変わったのかを丁寧に解説。
そのため、読むだけで、
ダイエットのための方法が
自分の方法としてアタマにすんなり入ってきます。

また、圧巻なのが
実際に言葉ダイエットをやってみる項です。
例として挙げられた
エントリシートやプレゼン資料を
まずは、読者自身が言葉ダイエットを施します。
その後、筆者による改変後の文章を読む、
という構成です。

で、実際にやってみると…

言葉ダイエットを施す箇所や、
言葉のいじり方に
自分の書き方のクセや思考の偏りが如実に表れて
かなりあわあわします(笑)
でも、
方法を自分のものにするためには
実際に使ってみるのがいちばんの近道です。
そう考えれば、本書の構成って
とても実践的だし
読者を導くための配慮に満ちているなぁと
改めて感嘆します。

・ ・ ・

この本を読んで印象的だったことを幾つか。
まずは、
「ビジネス文章が長くなる原因」について。

文章の内容が伝わるかどうか、
誰も不安になります。
しかし、そもそも
読んでもらえるかどうかを不安に感じる人は、
驚くほど少ないのです

自分が文章を書くとき…(中略)…
無意識のうちに、一言一句、
相手がぜんぶ読んでくれる前提でいませんか?

同書 16頁より引用(太字は原文)

…はい、ワタクシ、しっかりその前提でした。
これは本文の最初に出てくるのですが
ほんとうにびっくりしました。
そこを疑ったことはなかったからです。
えぇ、仰る通り、
めんどくさいメールを斜め読みする自分
ちゃっかり棚に上げてました(笑)
何はともあれ、まずは、
そこから考えを叩き直す必要があるのだと
ほんとに目から鱗でした。

また、筆者は
「おもしろい」とは何かと問います。

確かに、考えたことがなかったですが
これも人によって
解釈に相当幅のある言葉ですよね。
そして、筆者は「おもしろい」を
「『発見』があることを指す」
きっちり定義付けます。

私自身、「おもしろい」について
筆者と同じ様に捉えてはいたものの
言語化まではしていませんでした。
ですから、
そういった抽象的な語彙に関して
自分のなかの定義を意識することも
大切だと改めて知りました。

・ ・ ・

でも、何より本書の内容で
いちばん印象的だったのは
「あとがき」でした。
具体的な内容は読んでいただくとして。
筆者は、
AIが人間の仕事を担うことについて
「歴史の必然」と言い、
「仕事に自分を見いだせない人は、
仕事を失う」
と指摘します。
そして、だからこそ
「言葉ダイエット」をしようと提案するのです。

「言葉ダイエット」をすることで
「あなたのありのままを、文章で出す」ことが
可能になる、と。
余分な言葉の鎧を取っ払って
どんなにダイエットしても削ぎ落せない
自分の心からの気持ちを表していこう、と。
そんなふうに伝えるのです。

「言葉ダイエット」
この言葉だけ聞くと
余分なものを削ぎ落していく印象が
先行します。
私など、本書を読む前は
「シンプル・イズ・ベスト」的なもの?と
思い込んでいました。

ですが、そうではありませんでした。

「言葉ダイエット」を心掛けることで
自分の伝えたいことが
今までより明確に伝わるようになる。
文章により強く、
「自分らしさ」をにじませることができる。

そして、何より
その方がきっと
仕事が、ひいては、生きることが
もっともっと楽しくなる。
『言葉ダイエット』

そのための具体的な方法を
わかりやすく示してくれる良書でした。

#読書の秋2022

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が参加している募集

推薦図書

記事をお読みいただき、ありがとうございます。いただいたサポートはがっつり書籍代です!これからもたくさん読みたいです!よろしくお願いいたします!