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えりたマガジン

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#わたしの本棚

【読書note】あなたの「光る君」はだれですか―紫式部『源氏物語』

えりたです。 今日は、大河ドラマ『光る君へ』に関わる本のご紹介です。 以前、こちらの記事を更新しました。 こちらは、長い間『源氏物語』をはじめとした、平安時代の文学を研究していらっしゃる三田村雅子先生による『源氏物語』の入門書です。「100 de 名著」シリーズですから、書店で手に入れやすいですし、また、お値段もお手頃。なので、私にとっては、心からのおすすめ本♡ これを読むと、けっこう本気で「うわぁ…『源氏物語』読みたい…‼‼」ってなるですよ。しかも、大河ドラマ『光る君

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【読書記録】椎名誠『続 失踪願望。 さらば友よ編』―日常を綴ること。日々を愛おしむこと。

えりたです。 去年までは、本を読むのに「冊数」にこだわっていました。とにかくたくさん読みたい。だから、選ぶ本も手軽でささっと読めるものが主体になっていたのです。 それが今年に入ってから、なぜか、そういったざっくりとした集中力で読める本たちでは満足できなくなっていたのです。理由はいろいろありましょう。 たとえば、そういった本の文法にアタマが慣れきってしまって、読んでるときの感情の振れ幅が小さくなったこと。また、ありがたいことに、仕事が昨年よりも忙しく、手軽に一冊の本をざっ

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■平安貴族たちの心の軸にあるものは―ビギナーズ・クラシックス『白楽天』

大河ドラマ『光る君へ』第6話では、藤原道隆さまのもとで「漢詩の会」が催されました。 そのとき参加した若き上級貴族(通称F4)のうち、お三方は白楽天の詩を提出し、藤原公任さまだけは白楽天の詩を下敷きにした自作の詩を詠まれました。 今回は、その白楽天の漢詩を集めた『白楽天』という本のお話です。 ・ ・ ・ きっかけは『紫式部日記』でした。 大河ドラマ『光る君へ』は平安時代中期に『源氏物語』という世界最高峰の物語を紡ぎ出した紫式部を主人公とした物語です。 彼女―紫式部は

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■自分のなかにある違和感をスルーしない―『言葉の展望台』

■『言葉の展望台』 ■三木那由他著 ■講談社 ■2022年7月 ■1300円+tax ■『言葉の展望台』について私たちは主に言葉を用いて、他者とコミュニケーションをとります。そのなかで、相手に伝わらなくてもどかしい思いをすることも少なくありません。あるいは、自分の伝えたいと思うことをうまく表現できず、のたうち回ることも多々あります。 また、日々さまざまな情報を目にするなかで感じる違和感があります。 なぜこの人はこんな風に言うのだろう。 あの言葉はいったい何を伝えようとし

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■土は地球の特産品―『大地の五億年』

土と砂は違うことは、理解していました。「これは土。あれは砂」。見てすぐに分別することはできるのです。それなのに、それぞれを言葉で説明することはできない。不思議ですよね。 そんな、疑問を持っていることすら忘れてしまうほど、身近にある「土」について、五億年の歴史を紐解きながら、縦横無尽に解き明かしたのが、今日ご紹介する藤井一至『大地の五億年』(ヤマケイ文庫)です。 ■土は地球の特産品

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■春の桜を愛でる気持ちはどこからやってきたのか―『100分de名著 古今和歌集』

国語の記事を書くようになって、改めて感じたことがあります。それは「義務教育で教えられる内容の濃さ」です。 たとえば。 今回話題に取り上げる『古今和歌集』。かなり多くの人が、これが平安時代の和歌集であることを知っています。また、 『古今和歌集』に収められている二首です。そのどちらの歌にせよ、歌そのものや歌の意味するところを、多くの人が何となくは知っています。 それって、とてもすばらしいことだと思うのです。 この二つの歌も『古今和歌集』も、どちらもおそらく、教科書に載っ

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■「あした、なに着て生きていく?」―『私、誰の人生もうらやましくないわ。』

先日、TwitterのTLをぼんやり眺めていたら、こんなtweetが流れてきました。 広告なのに、字だけで成立? しかも、タイトルがすてき過ぎ‼ 絶対に面白くないわけないよね‼と思い、一気にポチりしたのです。 ■『私、誰の人生もうらやましくないわ。』について■児島令子著 ■パイインターナショナル ■2022年12月 ■1400円+tax この本は、児島令子さんが「これまで書いてきたコピーを集めたもの」。それらが「広告から離れて、商品から離れて、時代背景からも離れて、ここ

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言葉を哲学することで、緩やかな生き方を知る―『言語ゲームの練習問題』

きっかけはすっかり忘れましたが 大学生の頃、 一人の哲学者にハマりました。 その人の名は、ヴィトゲンシュタイン。 興味の赴くままに 生協で『論理哲学論考』を購入し おそるおそる読み始めたのです。 そしたら。 全く理解できず、撃沈。 言葉が端的過ぎて。 論理が徹底され過ぎて。 私自身の思慮が浅過ぎて。 哲学的知識が乏し過ぎて。 とりあえず、何もかも足りず、過剰で 最初の一行から衝撃的なほど難解で。 その時は本をそっと本棚に差しました。 その後も、何度か 『論理哲学論考』

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■自分のこころが迷子になっていたことを知る―『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』

えりたです。 本日は読書日記です。 『なんでも見つかる夜に、 こころだけが見つからない』 ■東畑開人 ■新潮社 ■ISBN 9784103544913 ■1600円+tax コチラの本はこんな内容です。 生きていると いろいろな惑いや迷いが生じます。 もちろん、 絶好調に楽しい時もありますが、 地獄の方が まだマシじゃないかと思うほど 苦しくて悲しいときも やっぱりあります。 そんなときどきの 心のありようを架空の物語で描き出し、 そこに「7つの補助線」を引くことで

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■「ただいま!」のあとの幸せを―『オールド台湾食卓記』

ずっと忘れていた、当たり前の日常があります。 中学生の頃、学校が終わり お家に帰ると すぐさま台所に行って 「お腹空いた~」と言いながら 冷蔵庫を開けるのが習いでした。 ひとしきり、冷蔵庫チェックを済ませると 忙しく晩御飯の準備をしている母に 今日の出来事を喧しく報告。 ついでに、 揚げたての唐揚げをつまみ食いしては 口の中を火傷していました。 こんな、ありふれた 忘れるも何もなかったような記憶を 自然と引っ張り出してくれる本に出合いました。 それが今日ご紹介する 『オー

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大河ドラマ『どうする家康』おすすめ本①

「待ってろ、竹千代…俺の…白うさぎ…‼」で、第1話から萌え尽きた大河ドラマ『どうする家康』。みなさんは御覧になりましたか? 普段、ほとんどテレビを見ないワタクシですが、今回はTwitterで見た岡田准一さん=織田信長公のイケメンっぷりにまんまとつられ、かぶりつきで見てしまったですよ。 えぇ、どれほど岡田信長さまがイケメンだったか、我が最愛の推しさまである、名古屋おもてなし武将隊の織田信長さまに力説し、ドン引きされたのは、ここだけのお話(滝汗)。 ま、それはともかく。

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■胸のざわざわをほどくのは―『今日は誰にも愛されたかった』

気持ちがざわざわとして、妙に落ち着かない日があります。 理由はよくわからないし、その様子をうまくことばに表すこともできない。だからといって、時間とエネルギーを使って精一杯落ち込んでみる、などのアクションを必要とするほど深刻なわけではない。そんなふうに、ただひたすら、ざわざわとした手触りだけが続いている日ってありませんか。 イヤホンを耳にして、お気に入りの曲をヘビロテしてみる。コンビニに行って、ご褒美なスイーツを買ってみる。ぼんやりとInstagramのTLを眺めてみる。

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■面白さと「なんでやねん」②―『ヘルシンキ 生活の練習』

前回のnoteに引き続き 朴沙羅『ヘルシンキ 生活の練習』の 感想です。 フィンランドと言って思い浮かべるのは ■ムーミン ■サンタクロース ■サウナ ■世界一幸福度の高い国 といったことでしょうか。 えぇ、「サウナ」が フィンランド語だと知った時の あの驚き、、、はともかく(笑) ここで取り上げたいのは フィンランドという国に対して 枕詞的に思い浮かべてしまう 「世界一幸福度の高い国」という 事象なんです。

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モノが語る説得力―『城から見た信長』

「織田信長」という人物について知りたいとき、まず見るべきは太田牛一著『信長公記』です。信長の傍らで、彼の事績をつぶさに見て書かれた書物ですから、信用できる度合いでいえば相当に高いでしょう。 ただし、たとえば太田自身の手によって清書されたときに、話が盛られたり、時代の権力者に忖度した記述になったりという部分が『信長公記』にも確かにあります。また、幾つも写本の代を重ねるうちに写し間違いや、あるいは、意図的な書き直しがある可能性も否定できません。 つまり、ことばによって書かれた

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