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読書ログ『大量廃棄社会-アパレルとコンビニの不都合な真実-』

読むのにかかった日数:2日ほど
あまりにも自分に身近な存在であるアパレルとコンビニの実態。大きな社会的課題があることに目が離せず、一気に読んでしまいました。


コンビニで買った食べ物を、「食べられないから」と捨ててしまったことはありますか?
また、買った服を「あまり似合わなかったから」と一度も袖を通さずに捨ててしまったことはありますか?
残念ながら、私はこの二つへの回答はYesです。もったいないなと思いつつ、捨ててしまったものは1つや2つではないように思います。
ただ、この質問に完全にNoと答えられる人は少ないのではないでしょうか?
そんな風に使われることもなく捨てられてしまうもののことを考えると、私たちは年間でどれだけ無駄なごみを出してしまっているのだろうと恐ろしくなります。

こちらの本は、「SDGsプロジェクト」に取り組む朝日新聞の2人の記者が大量廃棄社会の実情をリポートした書籍です。
発行は2019年。4年前ですが、この問題はまだ根強く残っているどころか、解決の兆しが全く見えていないのではないかと思います。

私がこの書籍で受けた一番の衝撃は、『日本では年間約10億枚の服が一度も袖を通さずに捨てられている』ということです。
10億枚。途方もない数です。
一瞬本当かどうか疑いたくなりますが、アパレルショップなどでセールでも売れ残っている数多くの衣服を考えるとあながち間違いでもないように思います。

そしてさらに大きな問題として、服を作るために途上国の人々がひどい環境の中、低賃金で働かされているという実態があります。
衣料品の単価は十年前に比べて、明らかに下がっています。
1000円程度でも着られる服は街にあふれており、少し前であればどうやって作られているのか疑問に持った服も慣れてしまえばその安さは快適さに変わり、もはや簡単に服を買える利便性は手放せないものになってきました。
なぜこんなにこの服は安いのか?
少し考えれば疑問に思いそうなことに目を向けなかった自分を反省したくなります。


この現状を見ると、あまりの負のループに眩暈がしそうになりました。

服を作るために労働力が酷使される
 ↓
作られた服は買い叩かれ、売れ残る
 ↓
誰の手にも渡らずに廃棄される

果たして誰の幸せのために服は作られているのか?
書籍の結論によると、私たち消費者がたくさんの選択肢の中から服を選ぶ快適さのために、現状の結果を招いていると言わざるを得ないのだということです。

あまりにも大きな社会的課題があること、それを今まで知らずにいたことに、この本を読んで深く恥じるようになりました。
そして同時に、まず身近な一歩から進みたいと感じ、いらないものは買わないことから自分の生活を見直そうと思います。
たくさんの人の意識が変われば、一人でも悲しむ人を減らせるかもしれない。
なるべくたくさんの人に読んで、この現状を知ってほしいと切に願った本でした。

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