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雨の日は読書に集中できる気がする

角田光代さんのエッセイを久々に読んでいる。 

日常のちょっとしたことを綴ったエッセイは、人のことなのに自分にも見覚えがあって、ドキッとする。ああ、そうそう、こういう感じだったと嬉しくなる。 

エッセイだけでなく、角田さんの作品は昔から大好きで、新作が出るたびにチェックし読んでいる。 こんなに長い間新作を発表し続けていること自体を尊敬するし、変化しながらも変わらず私を引き付ける文章力に脱帽する。 

ただし最近は「行くと何かしら買ってしまうから」という言い訳を自分にして、本屋さんにあまり行っていなかった。それもあって、まだ読めていない作品がある。

角田さんが取り組んだ現代語訳版の源氏物語も買ったものの、積ん読になっている作品のひとつだ。読み終わってしまうのが、なんだかもったいないような気もする。

それにしても、ファン歴20年ということに驚いてしまう。初めて読んだのは小学校6年生くらいだった。地元の図書館で借りた本だった。時の流れにも驚くし、ずっと好きでいることにも驚く。 

初めて読んだ『キッドナップ・ツアー』を思い出すとき、図書館の静けさと児童文学が並ぶコーナーのカーペットの感触を思い出す。父親にユウカイされる娘の話。じんわりと心が温かくなる。

心が温かくなる話といえば、『Presents 』もいい。松尾たいこさんのイラストにも癒やされる。名前、ランドセルなどプレゼントにまつわる短編集。寝る前に1編ずつ読むのなんかもおすすめ。

『彼女のこんだて帖』も面白い。いくつかの物語と、物語のなかに登場する料理のレシピが載っていて、実際に自分でも作って食べられる。物語を楽しむことと体験をセットできるコンセプトがとても気に入っている。(今のところ、作ったことはないけれど…)

角田さんといえば、『八日目の蝉』や『坂の途中の家』、記憶に新しいところでは『愛がなんだ』など、映像化されている作品も多い。

それ以外にもすてきな作品があるので、また別の機会に書きたい。

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