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あなたの、大谷翔平になりたい



 大谷翔平さんが結婚を発表した。




今や、大谷と言えば翔平の時代。


野球に興味がない人でも、大谷翔平はすごい選手だと知っているだろうし、日本だけではなく世界各国で愛されているのが彼だ。



大谷さんが
どんなに辛く、自分に厳しい練習をしているのか。
わたしのちっぽけな想像力でしか推測できない。

きっと、めげそうになったり、投げ出したくなったりした時が、ほんの一瞬くらいはあったんじゃないだろうか。
(大谷さんが野球を辞めたいと思ったことはないと話しているインタビューを見たことがあるので、ないかも…)


大谷さんは自分のチカラで、今の自分になっていることを理解しているつもりだ。


それでも、WBCやニュースを見ては
すげ〜な〜。憧れる〜。羨ましい〜などの単純な感情を持っているわたしがいる。


その人の努力ありきなのは勿論だが、
人に憧れられるような性格やパフォーマンスを持っていたり、容姿やセンス、コミュニケーション力を持っている人のことをいいな〜、わたしもそうなれたらな〜と思ってしまう。





 最近、悩み相談を聞いてもらった人に、恥ずかしながら白状してみた。


わたしはエッセイや童話を書いていきたい。それを形にしたい。自費出版するのか、どうなのかはハッキリしないけれど。今は口先だけかもしれないけれど…。みたいな内容を。


相手は、本を読むのが好きなんですか?
書くことが好きなんですか?
と聞いてきた。


わたしはどれも、「はい、好きです」と即答できなかった。


読書家のように、毎日毎週本を読むわけではない。気持ちに余裕があって、なおかつ気が向いて、読みたい本があるときにしか読まないし、書くことは苦しくて面倒だと感じることもある。


「ふぅーん。
その程度でそんなこと言っているんだ」



そんなふうに思われているようで、恥ずかしくなった。顔が熱くなって、マスクをしていてよかったと思った。


わたしだって考えてるのに!
頭の中でマグマのように熱いものがグツグツしている。なんでカッカしているの?
他にもいくつか言われたことすべてに、的を射ている部分があるからむかつくんだと思った。
わたしは考えが甘い。
悔しい。




大谷翔平さんは野球が好き。

じゃあ、わたしは文章を書くのが好き?


正直、分からない。
思っているように書けないし、構成を考えて書くこともできない。
自分の感情をそのまま書けた!と思えたことも、一回しかない。



文章を書くのが好きだと言えないわたしが、文章を書いていきたいなんて。


おかしいんじゃない?
向いてないんじゃない?
努力が足りてないんだよ。
とか、まっとうな意見は置いておいて、欲望の気持ちだけ掬うと


文章で大谷翔平みたいになりて〜〜〜。


というのがわたしの気持ちである。


大谷さんのように、野球が好きだから野球選手にというわけではない。

運動よりも文化系が性に合っていた。
営業、接客、外でバリバリ働くよりも、自分と向き合うほうが向いていると思った。
消去法に近いかもしれないけれど、なにより、書いてみたいと思ったから。





 わたしは自分に自信がない。


人から評価されることを求め、価値ある人と思われたいと望んでいる。


実際は、人からの評価うんぬんよりも、大事なものがあるような気配は感じている。そんな気がしているだけで、本当のところはさっぱり分からんだけど。


いっそ、今はそれでいい。


今は夫にとって、わたしの母にとって、
自慢できたり、誇ってもらえる人になるために行動したいと思ったりする。


いつかは、軸を周りに置くのではなく、自分に置いていければいいのかな〜と考えたりする。


いつかいつか、
わたしにとって、わたしが胸を張れる人であるように。


今は、
わたしの家族にとっての大谷翔平になりたい。


それでいい。



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えりぱんなつこ
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