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オレンジ色の宝石

オレンジ色の宝石が届いた。
海を越えた大好きな島国から。

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「台湾の夏の味を楽しんで〜」

彼女の声が聞こえてくるようだった。

去年の秋頃、母を連れて台湾に遊びに行った。
一日かけて「食」「文化」「風景」あらゆる角度からおもてなしをしてくれた大好きな友人と彼女のお母さん。
Googleマップを開き、右や左やと(少し迷いながらも)案内してくれるふたりはとびっきりチャーミングだった。

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愛はあふれているのだと思う。
少なくとも私が生きてきた世界にはいつも愛はあふれていたし、この先もきっと満ち満ちてくれていると思う。

ただ、生きてゆくのは地獄だとも思う。
人は偶然に死ぬし、社会は鋭利な恐れでごった返している。
目を逸らすことのできない圧倒的な事実。

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話は戻るがこのマンゴー。
柔らかく瑞々しくて、彼女が何年も前から私に与え続けてくれている無邪気で美しい愛によく似ている。とても甘い。
これも生きてゆく地獄とまったく同じ大きさの圧倒的な事実。

愛と痛みは実は同じ大きさなのだと気づかせてくれた、オレンジ色の宝石。

口いっぱいに含むとやはり本当に本当に甘い。




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