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私なりのハーブ図鑑

あっ・・・!

い、いらっしゃいませ!!

「私なりのハーブ図鑑」という、なんともマニアックな空間に来てくれたってことは・・・


あなたは、ハーブが好き

もしくは

ハーブを知りたいのですね?!

そうだよねっ??



もう、存分に語らせてもらっちゃうよ。おもしろくお話できるように、がんばるから!!!!!

と、うざめに絡んできたハーブオタクこと私は、3年前までハーブについて無知だった。

「ハーブに詳しくなりたいな〜」

ほんのかわいい好奇心で「ハーブ」について調べたら、“ハーブ図鑑“の本がヒットした。買ってみた。

ワクワクしながら本を開くと・・・

種類が多すぎて、なにも頭に入ってこない。

そして、はじめて買ったハーブ図鑑はホコリをかぶってしまった。

ハーブを覚えるのは、英単語を覚えるのと似ている。単語帳を買って、単語だけ覚えても英語は話せない。海外など、英語を話なきゃいけない環境にダイブすれば、"実際に使える英単語"が身についていく。

ハーブは実際に、手でふれて、香りをかいで、思い出をつくって、五感に刺激すると記憶にのこる。

私はハーブをちゃんと知るため、ハーブ栽培をはじめた。そして50種類以上ものハーブをベランダで育て、今では畑を持っている。

この記事は、私のハーブにまつわる体験談をつづった「私なりのハーブ図鑑」だ。

せっかくここに遊びにきてくれたあなたに、少しでもハーブを知ってもらえたら嬉しい。

今回は定番ハーブを、3つ紹介したい。

🌱ローズマリー

はじめてのハーブには、ローズマリーを選んだ。

乾燥を好むハーブなので、水やり頻度が少ないため、初心者でも育てやすい。

18歳で、はじめてローズマリーを知った。

「アンナミラーズ」という、アメリカンレストランでウエイトレスをしてたとき。

ドリンクづくりはウエイトレスの仕事。
コーヒー、紅茶、カフェラテ、カプチーノ、そしてハーブティーもあった。

ハーブティーのつくり方。ちょっと存じ上げない4種類の草を冷蔵庫からとりだし、ポットにぶちこみ湯を注ぐ。砂時計を添えて提供する。

「砂時計がおちたらお召し上がりください」

4種類の謎草メンバーに、いた。ローズマリーが。だから強制的に覚えさせられた。

1つ上の先輩に「えりちゃん、ハーブティー試飲してみ」と、何かたくらむような笑顔ですすめられた。できたてのハーブティーをすすってみる。

ズズズ。

「うわっ、なにこれ!ベェ〜。」

先輩はうれしそうに「でしょ〜?」と言った。

「なんでこんなのメニューにあるんだろうね」

2人で首をかしげた。


しかし、どうだろう。ハーブティーは、紅茶にならぶ人気メニューだった。

注文するのはだいたい、30代くらいのイケてるお姉さんたち。

彼女たちはこぞって「ハーブティーは、なにが入ってますか?」と聞いてくる。

呪文みたいに草の名前を答えると「いいね。じゃあ、それで!」と注文してくる。

え?マジ?草の味だけどいいの?

心ではそう思いながら、笑顔で「かしこまりました!」とメニューを下げた。


「お待たせしました。ハーブティーです。」

テーブルにそっとティーポットを置き、遠くからハーブティーのお姉さんを観察する。

「う〜ん、いい香り・・・。」

ズズズ

「おいしい!」

幸せそうに、ティーカップを持っている。

「ウソだろ?!」

厨房の奥まで行って、わざわざ口に出した。

そして20年が経過した今。
私もハーブティーお姉さんになった。

ローズマリーは「若返りのハーブ」と呼ばれている。強力な抗酸化作用があり、免疫力を上げてくれる。

アラフォーに片足つっこんだ私には、アンチエイジングに目がない。欠かせないハーブになった。

▼ローズマリーを買ったときの話。


🌱ミント

はじめて買ったハーブ苗は、ローズマリー。

育てることに慣れてきたら、もっとハーブの種類を増やしたくなった。

健康オタクの夫は、「えりちゃんが自然とか植物に趣味を持ってくれてうれしい」と喜んだ。


▼ホワイトデーに買ってくれたもの


「もっとハーブにハマっちゃえ!」と言わんばかりに、ホームセンターでミントを買ってきてくれた。

ミントは、風邪や頭痛の緩和とか、食べすぎ・食欲不足などの消化器系によいらしい。

夫はよく、食べすぎて「おなかいたぁい」ってわめく赤ちゃんだ。そんなときはペパーミントのハーブティをさしだす。「うま!」とガブガブ飲みほされ、まもなく夫の腹痛はおさまってくる。

ミントとも、忘れられない思い出がある。

20歳のころ、日本語がしゃべれないオランダ人が経営するバーで働いていた。

メニューにモヒートがあった。お店の裏には、モヒートにつかう「ペパーミント」がボーボーに生いしげっていた。

「ミントめっちゃ増えるから、モヒートの注文いっぱい取ってきて。ほかのカクテルより単価が高いし。」と、英語で指令を受けた。

モヒートをつくるのは、正直めんどくさい。ミントをつんで、ライムを切って、砂糖と一緒につぶして・・・って、ほかのカクテルよりも圧倒的に工程が多い。

お客さんからオーダーをとるとき「モヒートはつみたてのフレッシュミントですよ♪」とおすすめすしないといけない。

すると、お客さん同士が「うんうん、いいね!」と顔を見合わせ、ほぼ全員がモヒートを注文するもんだから、てんてこ舞いだった。

混雑しているときは特に。イライラしながら、大あわてでミントをブチブチとつみまくった。

でも、生のミントの香りをかいでるうちに、不思議とメンタルが癒されてくる。ミントの色じかけにより、ルンルン気分でモヒート職人をやってしまう。オランダ人の思う壺だった。


それにしても、ミント類の繁殖力はすごい。小さい鉢では、たちまちに根づまりする。

家のなかに水差ししたペパーミントを置いておくと、蚊やGなどの虫除けにもなる。

左はローズゼラニウム。こちらも虫よけに。


🌱ジャーマンカモミール

効能で感動させてくれた、ハーブの話。

夫はハウスダストアレルギーに悩んでいた。
「なにか効きそうなハーブあるかな?」と調べて、ヒットしたのがジャーマンカモミールだった。

さっそくジャーマンカモミールのハーブティーを購入して、飲んでもらった。

「おいしい。」

すると、あれだけ鼻水に捧げられたティッシュ量が、みるみる減っていた。すごい。

おまけに、ジャーマンカモミールはりんごのような甘くてさわやかな香りがする。

苗も買ってみた。ちいさくて白いお花が咲くまで、楽しみに待っていた。

このとき私は、知らなかった。
カモミールの裏の顔を。

アブラムシがびっしりついた。

細くてやわらかな葉の裏に、ごま粒ほどのヤツが至極満足げにはりついている。思わず「ヒェッ」と声をあげた。

「ジャーマンカモミール 虫」

あわてて検索すると、「カモミールとアブラムシは腐れ縁」という言葉が出てきた。

ローズマリーやペパーミントは虫除けになるだけあって、あんまり虫が来ない。カモミールに人気が集中していた。ハーブ界の星野アイだ。

駆除方法を調べると、無数にあった。駆除用のスプレーも売ってる。私はなるべく無農薬で育てたい。

とりあえず王道で駆除することにした。

黄色いマスキングテープでペタペタ作戦。
黄色はアブラムシを引き寄せるらしい。

テープを竹串に巻きつけてとる。極めて原始的な方法。葉にあたるとキズつけてしまうので、指でペタペタさわって、粘着力をある程度落としてからヤる。

この戦いはキリがない。
プランBに変更だ。

てんとう虫を召喚する作戦。てんとう虫はアブラムシを食べるらしい。

てんとう虫誘拐の旅

てんとう虫の捕まえるのは簡単。空のペットボトルを近づけると、死んだふりしてコロッと入る。

カモミールの鉢に、てんとう虫をログインさせた。

すると、本当にあっという間にアブラムシを駆逐してくれた。リヴァイ兵長かと思った。

友達と仲良くなると「今日ちょっと元気なくない?」と気づくのと同じように。毎日ハーブを見ていればわかる。

「今日は調子いいね!」
「そろそろお水がほしそうだね。」
「虫にイジメられたの?」

そんな風に、今日も私はハーブに話しかけている。

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