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枯れていく…⁉『花(Hana)』藤井風 感想文①

2023年10月13日配信リリースされました藤井風さんの『花』と言う曲の
超個人的、スピフィルター濃いめ感想の備忘録です(どなたにも私の解釈や感じ方を押し付ける意図はありません)


シティポップふうにも聴こえる優しくおしゃれな曲調で
恋愛や友情がテーマのドラマの主題歌で
『花』ってタイトルで
まさか冒頭の歌詞が『枯れていく 今この瞬間も』とは…
くらったな〜 

藤井風さん本人による英訳は『it's dying, even at this moment』
まさに俺ら今この瞬間も どんな命も平等に
「死」という一点に向かって
期限付きの肉体を着て限りある生を生きてるんだよって
冒頭から告げられたような氣がして… 
思わぬ言葉にハッ!としてたら次は
『今この瞬間も 咲いている(even at this moment , it's blooming)』
とくる

大きな大きな時の流れから見ると
手からこぼれ落ちる砂みたいにはかなくうつろい続ける一瞬の「形」と
形に囚われることなく輪廻転生を繰り返し
大いなる源ワンネスに帰っていく
永遠にそこに咲く花=「魂の輝き」のイメージの対比にさらにハッとさせられる

二つのフレーズをつなぐ『今この瞬間も』は、
『枯れていく』と『咲いている』の両方にかかっているように
わたしには聴こえている
ウーム冒頭からなんとも切なくて美しいよね

枯れていくからみんな儚くて
それでも咲いているからみんな尊いんだよね

そして最後はすべては1つにとけてゆくんだよって
そういうふうに風さんはこの世界を認識してると
冒頭からもう言ってるんだな

『花』という曲の歌詞は「枯れていく」や
その後出てくる「しわしわに萎れた花束」にも予想外の言葉選びで驚かされたけど
これは藤井風構文とでも呼んじゃいたくなるよくある構造で、風さんの曲は「死」をひきあいに出して
《さあ今をどう生きるか?》と問うてくる

心理学ではネガテヴィティバイアス言うて
脳はネガティブな情報の方が記憶に残る性質があるらしく
「死」の方が強烈に印象を残すけど
ほんとは彼の言いたい本題は
与えられた命をいかに「生ききる」か
って事なんだよねぇ
終わりを意識することによって 今ココにより集中して生きられるように…

「あなた(ハイヤーセルフ/真我)とひとつになって生きられないなら死ぬ方がいいわ≒死んだも同然」と歌う『死ぬのがいいわ』も
「死に際の時には何も持っていけないんだけど、その山盛りの荷物(エゴや執着)どうするの?早めに捨てた方がいいんじゃない?」の『帰ろう』も
「いつか粉になって散るだけ、いつかは消えゆく身なのにいつまで青春時代の輝きにとらわれたままでいるの?」と歌う『青春病』も
「明日なんて来ると思わずに燃えよ」の『燃えよ』もそう……
(*上記全部、私の個人的解釈による曲の要約です)

そらもう、結構はっきり言うてるよね~。
この肉体を持って生きれる時間は限られているし
形あるものは絶えず変化していく
感情や思考すらも一時流れては消えていく
だから上辺や外側のあれこれに惑わされず
さっさと「その閉じた心今こじ開けな」
自分の心の内に永遠なるものを探せ(『まつり』)と・・・
なにげーに
「内なる花(魂の輝き、内に宿る神性や大きな愛という本質)」や
「誰もがひとり みんなひとつ(ワンネス)」の悟りに導こうとする先生っぷり!
しかも急かしてくる!

近ごろ「自分は脱力系でいくのがいいみたいね」と目覚められて
風はんの歌声の優しさはどんどん増しているような気がするが
言ってることは全然かわらずスパルタ教育なのが、いいよね・・・
『花』は声が気持ちよすぎてばんばんシャワーのように浴びちゃうんだけど
言ってる内容はスパルタよ?
アウトロの my flower's here…×16回とか 
寝落ち寸前の心地よさでさ、うっかり寝たらありゃ睡眠学習ですわ…
内なる花にフォーカスせよと風はんは言っているみたい
あい、了解です
マントラ唱えるようにmy flower's hereを胸にきざんで
生きてゆく所存でござる

あ、長くなるので続く・・・

my flower's here
my flower's here
my flower's here…




参考文献ーーーーーーーー💐
近頃は脱力にめざめられて・・・

藤井:「まつり」以降の自分のマインドとして、脱力がキーワードになっていて。いかに力を抜いて、聴く人の耳に余計なストレスを与えないか、いかに自分がリラックスして、脱力したムードを聴く人に伝えることができるかどうかが自分の中で大事なことになっています。

Billbard日本<インタビュー>
藤井風に導きを与えた”第三のデビュー曲”「Workin’ Hard」ができるまで
より引用

*歌詞の英語訳はこちらを参照しました→ 

2023年11月24日オフィシャルよりミュージックビデオが公開になりました。
風さんの世界観がこれまたストレートに映像化されていて、驚きもあり、そうだろなって部分もあり必見のMVです↓


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