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誰を生きようか?『花(Hana)』藤井風 感想文②

2023年10月13日配信リリースされました藤井風さんの『花』という曲の超個人的スピフィルター濃いめ感想の備忘録 その②です(どなた様にも私の解釈や感じ方を押し付ける意図はありません)
 *『花』感想文その①はこちら→


『花』 さらりと聴ける曲だけど歌詞は深いよね…

何が出来るのだろうか
誰をいきようか

藤井風『花』

「誰を生きようか」?
たぶんあまり通常 歌詞として使われないような不思議な言い回し

う~ん? と思いめぐらすと
風さんのあのインスタ投稿が脳裏にうかんだよ
9月28日のインスタストーリー
彼が2013年(多分中学3年生)当時に書いたクラス文集らしき物の写真
その中にある一文

★みんなへ 
人生は一本の映画。
どんな舞台設定でも、どんなストーリー展開でも、
いつも冷静に、決して恐れずに、
善い主人公を演じ切って、
天国でアカデミー賞を貰いましょう。
K∧Zё♡

藤井風インスタストーリー (注①)より

えぇ~こんな中3どこにおるん!?
と見た時思いましたけど 実際いたんやねこういう子が 驚くね~

生きてるとまぁ日々いろんなことが起きて、喜怒哀楽自分の感情にどっぷりつかって泣いたり笑ったりしてるわけだけど、
そこから時々グーンとひいて目線を俯瞰にして
『人生は一本の映画』って自分の人生全体を客観的にみている
達観したもう一個の目をもつこと
その中3の文集に書いた精神が風さんの中でずっと続いてて
今の『花』にも通じている上での
「誰を生きようか」
(人生は自分が主人公 そして人生は自分が自在に決めていける、作っている)(注②)
「何が出来るのだろうか」(善き主人公としては)
と言っているように私には聞こえてきて…

ここの歌詞、『grace』の歌詞ともちょいかぶるわいね
「何が出来るかな 愛にしたがうのならば」

愛にしたがうのならば…といえば
風さんって、2020年にデビューしてすぐコロナ禍に突入してしまって
世界も自分自身(ご本人の心境はともかく周りは騒然としていたハズ)も
大変な時にも
「みんな落ち着いていたら絶対わしら大丈夫やけぇ」
と緊急事態宣言下、弾き語りライブ配信のMCで仰っていた人

そしてステイホームのお部屋から音楽でみんなの心を慰めてくれたよね
まさに文集の『どんな舞台設定でも、ストーリー展開でも、』
を実体験したであろうあの大変な混乱期のときに
『いつも冷静に 決して恐れずに』
おたがい思いやる事を語り、制限付きの状況でも与えられた環境のなかで
「何が出来るかな 愛にしたがうならば」を粛々と実行していたひと…
当時予定されていたライブは次々中止になり、かわりにyoutubeでの無料配信をされたんだよね
いやーマジで、常に善くいきようと心がけてるとこが、尊い…
自分が善くあるだけでも心がけがいりそうな混迷期に自分の事だけでなく人の役に立つことまで考えて行動していけるの凄いと思う(このへんは彼のチーム含め)
いつそう思い始めたのかは知らんけども
最低でも中学3年の文集から10年以上はそれやってるって事だもんねぇ
口先だけの善い人なんてすぐバレてしまう時代に
善くありたいと生きてくことの
綺麗ごとといわれそうでも綺麗ごとを大事に生きてくことの
実際に彼が行動で語っていることの
強さを考えずにいられんのですわ~

おぉっと話が脇道にそれまくった…
そんなしょっぱなから(まだAメロだ!)かわらぬ藤井風イズムというか藤井風スピリッツにやられてしまう『花』でございました、
口先だけならなんぼでも言える歌える事やけど
彼は実際言動でやってるな~と一本通った筋を感じるので
どんな軽やかに脱力モードで歌われてもそこに実があるというか
説得力が違うんです…ふぅ~


そぅ、『花』の楽曲制作中の夏頃からSNSに投稿してくださってた
花やら鼻やらhanaやら 数々の新曲の匂わせがあったなかで
あの文集の披露も『花』に繋がっているヒントというか
曲のソースをちらっと見せてくれたものだったんかもなぁ
ってわたしは思ったぁ
正直同じ文集に載ってたジーザス風ふう自画像のインパクトが凄すぎて
半分くらい印象そっちにもってかれてたんだけどね
(曲も歌詞も描けて絵までセンスあるの何なんでしょあの人…)
や~、今から思えばそうだったのかなと、多分…多分ね…

前作『Workin' Hard』MVのロボットダンスも
中学の時によくやってたダンスで、
その頃のクリエイティブで怖いものしらずだったバイブスを大事にしたい
ってインタヴュー(注③)で言ってらしたっけ 
このところ中学時代振り返りモードなのかもしれませぬな
これまた私の勝手な妄想だけれども…


もう!『花』のつくづくやばいとこは
歌詞数行でnoteが一本書けてしまうとこですね
それくらい数行のなかに圧縮されてる質量が濃いんよ…!
わたしのオタク濃度じゃなくって風はんが濃いんです
サラリと飲めても栄養たっぷりのスープのように
濃いいんですわ…花

長くなるのでつづく…!かも…


参考資料・注釈・感想の脇道🌻

注① 「9月28日のインスタストーリー」
彼が2013年(中3)当時に書いたクラス文集らしき物の写真。それは文章に添えられた未来の自画像(ロン毛でジーザスふう或いは「もうええわ」MVの髭面風さんによく似ている!)から、すでにほぼ今の形をなしているサインから、おふざけと真面目のバランスが絶妙な未来の自分へあてた文章から、
もぅツッコミどころ満載…いえ彼の原点、精神がびっしり詰まった
「え、中三でほぼ今の藤井風の原型が完成しているやん!」て驚愕の、宝箱みたいな投稿でございました ネットの大海原のどこかには残像がまだ残っているかも

注② 「誰をいきようか」精神のようなものは風さんの歌詞や発言のあちこちに顔を出すけども中でも忘れられないのは2023年3月のこちら

Q.
作品に込められている「自分を愛する」という考え方はどうしたら実践できますか?

A.(風さん):
いやぁ… 難しいですよね。ほんまに、僕もまだ探してる途中ではあるんですけれども、まぁ、全ては自分次第。全ては自分次第っていうことを知ることなんじゃないですかね。自分の思い、言葉、行動とかで、自分が見る、自分が感じる世界って決まってくると思ってるんで、自分にはそんだけのパワーが、ちからがあるんだよってことを、まずみんなに自覚してほしいし、ワシも、自覚していきたいし

2023年 CDショップ大賞 授賞時のインタビュー

自分で自分のハンドルを握るいうことがセルフラブなんやってことよね~
温泉とおいしいご飯でセルフラブ気分なわたし的には耳痛!
でもまぁ温泉もご飯も大事…大事だけどももっと大事で具体的な基本のキがあるってことよな
それから「思考・言葉・行動」やんね
それを意識して気を付けるってもう腐るほどあっちゃこっちゃで先人偉人によって語られているよく生きるためのセオリーなんやけども、風さんの場合はいうだけやなくて、やって見せてくれているのでそれがほんまに勉強になるし心強いんよな… (まぁたまに風はんもやらかしてるなーって時も見受けられますが、それもまた生きてもがく青年なんやなって感じでいいよね、私ついともすればうっかり崇め奉りモードに入りそうになるので、そんくらいが人間ぽくてちょうどいいんよ)

注③:中学時代振り返りモードを語るインタヴューはこちら→

⤴2023年11月24日(金)オフィシャルより花のミュージックビデオが公開になりました
曲のメッセージをストレートに表現した快作、必見です

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