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ダラダラするのが生きがい

私には、忘れられない記憶がありました。
4、5歳の頃、大分県にいました。
それまで住んでいた家を失い、平屋の賃貸一軒家に逃げ込んでいた時のことです。
暖かく陽気な昼下がりに、家の外で弟と遊んでいると、父が突然、
「まずい!隠れろ!」
と言います。伯母さん(父の姉)に見つかった、こっちに来てる!と言うのです。
私には伯母さんの姿が見えなかったので、
「え?どこ?どこ?」
キョロキョロと辺りを見回しました。
いいから来いって、父に引っ張られました。
父母の家族も裏切るように夜逃げしていたので、見つかったら一大事なんだ、と子どもながらに知ってました。
そして、家の中でひっそりと、家族4人隠れて居留守を使うのですが、なぜか私は面白くなって笑いが止まらなくなりました。
ツボにハマったみたいな感じ。
「笑うな。静かにしろ。見つかるだろう!」
そんなこと言ったって、止められない。
結果的に、激怒した伯母さんに見つかりました。
この出来事は、私の心の中に、
"私のせいで、伯母さんに見つかったんだ"
そして、また追われることになるんだと刻まれました。
その後は、突如、岡山や広島を巡るヤケクソな旅に出たり、福岡にちょっとだけ住んだりと流れて行きました。

この一連の出来事から"家を失う"トラウマが出来上がります。
私の中にできた理論は、
「この世は勝負なんだ。勝ったらお家にいられるけど、負けたらお家を失うんだ」

まるで、戦国時代の武将です。
戦に勝ったら、陣地が広がるけれど、負けたら城を追われて敗走する。
私が敗走する明智光秀の気分です。

家に居続けるためには、勝たなきゃいけないんだ!
徳川家康にならないと、安全じゃない!

そう心に刻み込んで成長した私が、どんな行動を取るか?と言うと、ひたすらに「徳川家康」になろうとするし、負けることをめっちゃ嫌います。もしくは、最初から負け戦になると分かることはやろうとしないし、「勝負なんてどうでもいいもん」って諦めてるんだと、自分に言い聞かせて納得させようとします。

ぶっちゃけ、以前の私は、負けると分かる試合をするスポーツ選手が理解できませんでした。何で、1位になる可能性がないと分かる試合に出場するんだろう、みたいな。

だけど、どんなものでも初めは負けます。
習い事も仕事も、何年もやっている人に右も左も分からない新人は負けます。

そう、私にとっては新人が教わるのも「負け」だったのです。
例えば、コンビニバイトでレジ操作が分からなくて、お客さんを呆れさせて、先輩が代わりに操作したとしたら「あー負けたー」となります。

そんな感じだから、新人の頃は苦痛で、早く早く早く1人前以上にならなきゃ!仕事ができる人になる!って必死の形相になり、自分が勝った状態になろうとしました。

でも、不思議なことに、いつまでたっても「勝った」と思えないのです。
正確には、勝ったと思っても、すぐ次の瞬間には「やばい。勝ったからってうかうかしていると、追いつかれちゃう。そしたらまた負けて、家を失っちゃう!」ってマインドが言い始めます。

だから、
「英語を学び直そうか?いやいや、韓国語か?あの子が社労士の資格を取ったから、私も取ろうか??」
資格をたくさん取ったら、安心できるじゃないだろうか?とか、まさに何かやらなきゃ難民です。

でも、何せ負け戦なんてとんでもないので、うまくできないと諦めたくなり、何も身につかない笑
そもそも本心で興味があるわけでもないですし、ね。
結果、家に逃げ込み、ダラダラ過ごすんだけど、その間も心中はめっちゃ焦りまくってます。
「このまんまじゃ、落ちぶれて家を失うのに!何かしていなきゃいけないのに」

家を失う恐怖がある以上、私に負けは許されず、勝つこともないのです。

解決はひとつ。
戦国時代は遠い昔の話で、この世は勝負ではないし、家を失わない。
トラウマを癒し、マインドに戦は終わったと教えてあげることです。

その上で、私のやりたいことって何か?っていうと「ただただ、のほほんと暮らす」こと。

ダラダラして、ぐで〜として、何の実りのないことをして過ごす、自分が一番嫌いだったナマケモノみたいなのが、私の真にやりたい姿だったわけです。
何をしようが自由で、好きにグダグタできるのが、私が求める至福。

韓国ドラマ見ながらアイスクリーム食べるとか、龍に遊ばれて90度お辞儀ループを繰り返すとか、そんなしょうもない時間が生きがいだったのです。

さて、皆さんの至福はなんでしょうか。

お金が豊かになるとか、結婚したいとかも、私の場合は家を失わないためのフェイクな望みでした。
本当の望みじゃなかったんですね。

至福って、ほんとに些細なことだと思います。
花を愛でる育てる、散歩する、踊る、人と何かを作る、放浪する等、人それぞれだけど、大したことないことかもしれません。

自分を変えなきゃいけない、このままじゃダメだって思っていたのは、マインドだけ。
マインドマジックに気づくと、ありのままでよかったと目が覚めます。
ダラダラするという行動は変わらないけれど、責める自分がいないだけで、こんなに至福だったのか!と分かります。
マインドマジックから外れて、自由を手に入れましょ〜。

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