「人の力を借りれる力」も生きるスキル
我が家の二人目妹ちゃんは、初めての場所・事が大の苦手である。
今日も初めて塾のテストに行くことになり、昨日から彼女の中でドキドキバクバクが大変なことになっていて、「行きたくない行きたくない」と繰り替えしていた。
行きたくないのはテストが嫌なのか?と思ったら、そうではないとのこと。
テストは自分の勉強してきたことを試したくて早く受けたいのだそうだ。
だけど、彼女の中では、
何分前くらいに行けばいいのだろう?
受付では何を出して何といえばいいのだろう?
会場の教室はどこだろう?
トイレに休憩中いっていいのだろうか?
お茶は飲んでいいのだろうか?
そんなテスト自体への心配事ではなく、別のクエスチョンが沢山沸いていたようだ。
「そんなの塾の先生や友達に聞けばいいんだよ」と兄さんが言った。
兄さんは早生まれで体も小さく、昔から自分一人でやれることが少なくて、いつも人に聞いたり人に頼ったりして生きる術を身に着けている。
だから初めての場所・事も、「わからなかったら聞けばいい、できなかったら頼ればいい。なんとかなる。」と考えているので、まったくもって躊躇せずに飛び込んでいく。妹ちゃんはそんな兄さんの後ろをただ着いていくことが多かった気がする。
兄さんの意見を受けて、妹ちゃんは、「人に聞くこと、それが、わたしは緊張するんだ」という言い分だった。
そうか。妹ちゃんは、人に聞くのが緊張して苦手なんだな。だからいつも自分一人で何とかしようと必死で、でも、やはり初めてのことは経験したことがないから自分でも何が起こるか予想できずに不安で・・・それでハラハラドキドキが増すのだなと思った。
塾まで送っていく道中で、「あなたのドキドキハラハラは、人に聞くことを緊張せずにできるようになると、少なくなるかもしれないね?でも、人に聞くことは最初は緊張するのはわかる。だから、今のうちに何度もトレーニングして、わからないことはわからないと聞ける練習をしてみるといいかよ?人の力を借りれるようになると、そのあとの人生、楽になるかもしれないよ?」
そういうと、妹ちゃん、納得したように深くうなずいた。
楽になるためにトレーニングしなければと思ったようだった。
楽になるなら頑張ってみようと思ったようだった。
コーチングセッションをしていると、わからないことを聞いたり、人を頼ったりすることを思いついておらず、目の前の課題を一人で解決しなければならないと思い込んで、悩まれている人もいらっしゃる。
もちろん私は、「個」の力を最大限に発揮できるように伴走するが、とはいえ、人がたった一人でやれることは、たかが知れているとも考えている。
人を頼ったり、人に助けてもらったりして、早く壁を越えられることもある。人の力と自分の力の相乗効果ですごい成果が生み出されることもある。
そう考えると、「人の力を借りれる力」を磨くことも大事なことだと思う。
人は一人では生きられない。一人で頑張りすぎなくてよい。でもそのために少しトレーニングが必要な場合もある。妹ちゃん、がんばれ!
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