ある天使の肖像2(短編・天使と悪魔シリーズ38話)
【天使のことが大好きすぎる悪魔と、彼に惹かれていく天使の、見た目BL小説群の38話目です。ちょっと長めなので4回に分けて投稿します。(これまでの話はマガジンをご参照ください)】
そのころ私は田舎の小さな教会で、司祭の職に就いていた。教会は小さいだけではなくとても古く、石造りでなければとうに、どこかから隙間風が吹いてきていてもおかしくはなかった。埋め込み式のステンドグラスから差し込む日の光は美しかったが、壁面を飾る聖人たちの絵は劣化が激しい。
その日、私はひとりで午後の祈