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室内楽の歓び

星占いを一年に一度見る。
新しい年を迎える時だ。

今年の魚座は
文化祭にようにあちこちから誘われて大忙し、
仲間に囲まれてワイワイやりましょう

というような内容だった。

本当にそうなった。
ほぼ毎月
いろいろなプログラムで演奏会がある。



 先日は勤務している音楽院の講師コンサートがあった。



 

ブラームスのチェロソナタ1番


ファゴットとクラリネット、ピアノで
グリンカのTrio Pathétique 悲愴三重奏

夫とピアソラのカフェ1930(タンゴの歴史)


ラストには
ヴィバルディの春を皆で演奏した。

 ブラームスやグリンカという
 自分には似合わない重ためのプログラムをもらい
できるんだろか、と、この2ヶ月は時間があれば
ピアノに向かっていた。
その合間に
子供達と紙芝居コンサートをし、
娘のコンクールでリールに行ったり
クラリネットクラスの伴奏もあり
曲をさらえない
移動中には
いつも音源を聴いて勉強した。


クラリネットのオディール先生から
グリンカやらない?と誘ってもらい
譜読みを始め、私はこの曲に恋をした。

ファゴット奏者のステファンは
マルセイユオペラ座オーケストラのソリストだ。

ものすごく柔らかい深い音で
合わせるたびに彼からもらえるアドバイスは
一生の宝物になった。

ふたりの美しい音にどこまで寄り添えるか
私も自分で録音を繰り返し研究した。


チェロのエルザ先生とは
よく気が合う。
6月にはデュオでコンサートも決まっている。
昔からチェロという楽器には縁があり
パリ時代にも
室内学の授業でチェロとデュオや
ヴァイオリンとのトリオの勉強をした。
エルザは穏やかで本好き、
笑顔が優しく音も優しく力強い。

全身を使って演奏するパートナーたちに
学ぶことは多い。

たとえば
強調を意味する発想記号スフォルツァンドでは
管楽器では息をブオッと吹き込んで風を送る。

弦楽器でフレーズを歌うためには
弓を持った腕を大きく使う。

押せば簡単に音の出るピアノという
自分の楽器を
なんて安易に弾いていたのかと反省して
彼らのやり方を真似てみる。
似合わないと決めつけていた作曲家とも
向き合える年齢になったのだと思い始める。

この歳になって、仕事をしながら
学べる環境にいられることに感謝がやまない。


今年はコロナ禍が落ちつき、
イベントが増えてチームの結束が強まった。
それぞれに個性的だけど、あたたかい同僚たちに
囲まれて幸せな夜だった。

















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