史実とフィクションの間は、見る側の教養が試される/朝ドラエール、お疲れさまでした!

NHK朝ドラ「エール」本日最終回でしたーーー!!! 

明治の終わりに生まれ、昭和を代表する作曲家であった古関裕而氏をモデルにしたドラマ。

4月から毎朝楽しみに見て、7〜8月は放送休止でしたが再放送も見て、今日11月27日ついに最終回でした。(あ、明日土曜日にまた何かあったかも!?)

 
ドラマの最終回は昨日の木曜日で終わらせ(そんなのアリなんだ!)、今日金曜日の本当の最終回はキャスト総出でNHKホールで録ったコンサート♪

みなさん素晴らしかった中で特に圧倒されたのは、みなさん書いていらっしゃいますが、ドラマの中では一切歌わなかった馬具職人 岩城役 吉原光夫さんの「イオマンテの夜」!!帝劇のレ・ミゼラブルで主演ジャンバルジャンも演じためちゃ強面の吉原さん。ものすごい声量と安定の歌唱力で歌ってくださって…感動…❤︎ ぜひ次は、うたコンで!テレビにももっと出ていただきたいなぁ〜

そういえば私、エールを見始めて、久志役の山崎育三郎ファンになったんだったわ笑 CD4枚大人買いして、ファンクラブまで入っちゃって笑 いっくんは、誰とでもハモり、いろんなことができる方。吉原さんとはまた違う魅力があるよね^^  

あぁ〜〜音楽っていいなぁ〜〜 しみじみ❤︎

そして今回、ドラマを見ながら、私が並行して読んでいたのが辻田 真佐憲さんの記事でした。

『古関裕而の昭和史』という本をはじめ、昭和の音楽史の研究調査をされている方で、朝ドラ エールの進行にあわせてどこまでドラマで、どこまで史実かを毎週丁寧にまとめてyahoo記事にアップしてくださいました。

当時「軍歌」だった古関裕而さんの「露営の歌」「暁に祈る」などを、ドラマでは「戦時歌謡」と表現したことに、鋭い指摘もされていました。楽しいエンタメがプロパガンダになる可能性がある。ただ期待に応えていたら、軍歌を作って戦争の加害者になっていく可能性がある。多くのメッセージを、ドラマと辻田さんの記事から受け取れたと思います。


今回のドラマは史実とフィクションがかなり混ざりあっていました。

ドラマで古関裕而さんの人生をたどり実際の曲がどんどん登場する一方で、戦地で恩師を目の前で亡くすとか、「長崎の鐘」作者の言葉で再起するとか(古関裕而さんは永井医師に会っていない)、結構 お話の重要ポイントが史実ではなく フィクションだったりします。


これをどう捉えるか。

大河ドラマよりもずっとエンタメ性が強い朝ドラだからとフィクションと割り切って見た方もいるでしょうし、ドラマを通じて歴史を学べたと思っている方はそれが史実と違うとなると、えぇ!?となりかねない。古関裕而さんのお子さんやお孫さんは「本当は違うのにな…」とモヤモヤされた回もあったかと思う。


私は古関裕而さんをモデルにして、あの時代に実際に起こった名も知れらぬ人のエピソードを盛り込んだんだなと見ています。

古関裕而さん自身は、恩師を目の前で亡くさなかったけれどそのような経験をした方はいたはず。古関裕而さんは直接会っていないけれど長崎の鐘を書いた永井医師の言葉に救われた人はたくさんいたはず。

古関裕而さんの人生も、そのほかのあの時代に生きた人の人生も、主人公 古山裕一に歩ませたんだなと。

そういうドラマの演出家や脚本家の方、作り手側の意図まで想像してドラマを見れたからこそ、たくさんのことを受け取ったし、今回 人生初でこんなに朝ドラにハマったんだなと思う。

そもそも「史実」だって、完全に事実なんてありえないわけです。物事は全て解釈次第、数字も切り取り方次第。だからこそ改めて、はっきりと明示されないメッセージまでも受け取るチカラが求められると思う。

2020年、私のmyベストな一冊。『世界は贈与でできている』で心撃ち抜かれた一文があります(と言っても、ちょっと文面はうろ覚え…)。それは…

「教養あるひととは、宛名のない贈与に気づくことができる人のことを言う」

*帰ってからまた読み直して、正確に書き直しますね!!


だから、ドラマで描かれたことだけを観て、あれこれ言うだけじゃない人になりたいなと思う。そういうのも含めて、エール、最高でした。本当に大変な中での撮影、脚本変更などなど本当にお疲れさまでした。つくってくださってありがとう!!!


あー。ロスだわー。エールロスだわー

ロスだけど〜がんばるー笑

 


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