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戦争の惨劇 子に見る機会を

徳島新聞 読者の手紙 2022/08/15掲載

 核とは、人間がつくり出した人類史上最大の脅威であるといえる。日本は、世界で唯一核兵器が使用された国だ。その脅威を日本は身をもって世界に知らしめた。1945年8月、広島、長崎への原子爆弾投下の惨劇を私たちは決して風化させてはいけない。それが、戦後この国を託された者たちの責務だと思う。
 人類に核がもたらされた以上、その脅威は永遠に付きまとうものだ。だからこそ、唯一の被爆国である日本は、永遠に核を放棄し核の脅威を後世に伝え続ける責務を果たしていくしかないと思う。
 戦後77年経った今では、戦争経験者も数少なく、貴重な語り部から生の声を聞くことも難しくなってきている。風化させないためには、自ら戦争について考え、戦争の爪痕を実際に見聞することが大切だと思う。
 私は中学時代、修学旅行で行った広島平和記念資料館に展示されている写真や、熱線で黒焦げになった弁当箱、焼け焦げた服を目にして衝撃を受けた。脳裏に焼きつき何年経っても忘れられない。近年、コロナ禍での修学旅行中止は、こうした学ぶべき貴重な時間を奪っているのではないかと思う。
 百聞は一見にしかず。日本で起こった痛ましい現実を、しっかりと直視する機会を子どもたちには与えてほしいと切望する。

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