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心改まる出来事

徳島新聞 ちょっとええ話 2022/08/16掲載

 4歳の息子が、祖父母が大切にしている飼い犬に足をかまれてしまった。幸い傷は浅く、泣きわめく息子を慰めながら手当てをした。犬の毛づくろいをしてあげていたら嫌がってかみ付いてきたそうだ。悪いことが起こると神様による懲らしめ、すなわち「ばち」と考えがちである。それには思い当たる節があった。最近、息子は祖母に対して険のある言い方をしていたので気になっていた。「もうばあちゃんはいいけん」「あっちいって」「見んといて」など冷たい口調で祖母に反抗的な態度をとっていた。犬にかまれたことから、犬(けん)をもって神様から教えられたと思った。
 私は息子に、このことを分かりやすく諭した。それと同時に、母として私も反省した。「子は親の鏡」という言葉があるように、私が義母に対して冷たい言動をしていたのではないかと思う。息子には痛い思いをさせてしまったが、心が改まる出来事だった。

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