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龍神ハクちゃん 赦し/許しについて

ハクちゃん紹介

ようやく夏の暑さが過ぎて
外は秋の実りでいっぱいだ

少し前まで樹の上で青い顔をしていたドングリも、いつの間にか渋みのある茶色になり、
地面に落ちて実りの季節が来たことを教えてくれている。


車を運転しながら景色を眺めていると
木々の葉が紅くなっており


ああ…これぞ秋!

という感じだ。

私は秋が好きだ

夏は暑さが厳しくて
ど根性を試されているようにすら感じる。

夏に強い人もいるが…
私は冬体質で
暑いと干上がってしまうのだ…

暑さは苦手だ
暑さは気持ちもクタクタにさせた

だが私の中には夏よりも暑い熱があった


怒りだ


ここのところ、いつも怒りがあった
理不尽なものへの悔しさは
ずっと心に残り
満たされた時間を過ごしても
ふいに甦る


ブッタの教えに、怒りについての名言がある

怒りを抱くことは、熱い炭をつかんで誰かに投げつけようとするようなもの。 やけどをするのは、あなた自身である。



さすがお釈迦様!
まさにその通りです…。。


そう、
怒りと共存してても
得する事は少なかった
(逞しくなるという点は…感謝ではあるが…)


怒りは結構なエネルギーを奪う
どうせなら、せっかくのエネルギーを
人生をもっとポジティブで豊かなものに使いたいと思った。


だって、復讐を題材にした映画にハッピーエンドなんて、なかなかないぞ。。
ろくな結末がない。

秋の景色の中
そろそろ怒りから卒業したいなぁ…
と思った

ハクちゃん…ハクちゃん
私怒りから解放されたいよ…
いつものように龍神さんに声を掛けてみた

龍神さん:
それは赦しの課題だね


おおっ
ハクちゃんの声が聞こえてきた。
あれ?だけど今日は姿がみえない…
いつもの龍神さんの姿を探してみると、なんと今日はミニサイズになって助手席にいた!

なんと!こんな小さくも変身できるのか。。

隣でハクちゃんの話が始まった…



龍神さん:
怒りと赦しについて話そう

怒りは厄介なしろものだ
何故なら、怒りは正義感を生むからだ

自分が正しい、という思いが強くなり過ぎると、
怒りは陶酔を与えてしまい、怒りを手放せなくなってしまう。

人間の世界の発電システムのようにも似ている。自然に害のあるエネルギーで発電し、それによって生活が成り立ってしまう。
それがないと困るだろう。
だが、それを作る為に毒を発してエネルギーを作っているとしたら…
いつまでも、その循環は維持できない、という事だよ。

人間もそうだ
怒りは時に、人を立ち上がらせる原動力にもなるが、それは永遠に持ち続けられるものとは違う。

怒りの役目は、少しだけ使えばいい
絶望で立ち上がれない時
やむ終えず必要な運命のときもある


起きてしまった怒りは
変化を受け入れ
流す事で消えていく

川の流れのごとし流すのだ。

人間のエネルギーは常に動いている
ゆらめきながら変化している

一秒単位で、少しずつ変化成長していて
たとえ一秒でも、少し前と同じ状態になる事はない

実をいうと魂は放っておいても成長しているんだ。何もせず、たとえ何も起きなかった一秒でもそれを経験しているんだ。

一秒の成長、
一秒分の輝きを増している

だから、いつも君達には変化が起きているんだ。


だがね…

人間は成長を拒否する場合がある。

変わろうとしない人
彼らが問題だ。。


流れは自然に起きているんだが
川の流れを止めるように、水の流れを止めてしまう。。

怒りの記憶で
頭の中の時間が止まってしまうんだ…
止まった時間は流れを拒絶する


自然界に例えるなら
それは湖だ

流れの止まった水は湖になるね。

だが美しい湖には意志がある。
動物や植物、生命の為に留まるという慈悲の意志がある。だから、彼ら(湖)は美しい姿をとどめられるが…


怒りの感情で作った
心の水の湖はどうだろう…
水には、その人の怒り悲しみ悔しさ
複雑な思いから出来た湖だ。
魚は住めない
いずれ水も腐ってしまう。


愛や慈悲の水ならば留めても大丈夫だが
怒りの水は留めてはおけない。
いずれその人自身を破壊してしまうだろう。


だから、変化を受け入れる事が大切だ。
どんどん起きている変化の流れを
そのまま受け入れれば大丈夫だ。


流れが起きれば
怒りは違う形となり、
生きる逞しさだけを君に残して消えていくだろう。

すると自然に

赦し

という現象が起きてくる。


赦し…
赦しとは、人にとっては複雑な課題だろう
赦せるはずがない
と、人は苦しんで、自分で自分の首を絞めている。


だがそれも、魂の大いなる旅の一つなのだが

いつかはわかる…
わかる時がくるのだ


心の中の時計を止めると
心の水も流れなくなる

覚えておいて欲しい。


ERI:
ハクちゃんは話し終えると少し悲しそうだった。これまで苦しむ人をみて、ハクちゃんも心を痛めてきたのだろうか。

うちには二歳の子供がいる。
服を着る時ボタンを上手く通せず、よく大泣きしている。たかがボタンだか、子供には物凄い課題なのだ。
つたない手ではなかなか難しい。それでも乗り越えようと頑張っている。

ハクちゃんもそんな親心に近い気持ちなのだろうか…


そう考え運転していたら

目の前に稲穂の景色が見えてきた

龍神さん:

見てごらんこの稲穂達を。

稲や植物達は、必ず成長を止めないだろう。
一秒一秒、必ず成長している。
彼ら(植物達)は止まることがない。

これはどういう事だと思う?

彼らは一秒も無駄にせず変化を受け入れている
だから彼らには怒りが一切ない…

植物達にはいつも赦しが起きている
常に変化を受け入れているからだ


だから
植物達から恩恵をもらう時
いつも知らずに赦されながら生きている。

難しく考える必要はない。
そうやって、いつも赦しは身近で起きているんだ。

だがしかし植物達は本当に健気だ…


ハクちゃんはそう話し終えると
稲穂の美しい黄金の景色を眺めている。

私にはハクちゃんの横顔と稲穂が眩しく美しかった
ハクちゃんはいつも赦しのエネルギーに溢れている

私も人生に起きた色んな出来事を赦したい

生きていくうえで
理不尽な事はたくさん起きてきた
でも、毎日
今この瞬間から未来を歩んでいる

明日には、今日よりも赦せるようになるだろうか

ハクちゃんや稲穂達のようになりたいな

美しい彼らの姿を見て心からそう思った

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