どうして一瞬でも忘れてしまうのだろう、
「A Place in the sun」を歌った時、
あらゆる差別が無くならないことを嘆いていた。
それが自分自身のことで「も」あると自覚していたはずである。

黒人が、
クルド人が
性被害当事者が、
身体的のみならず、社会的にも抹殺される。
でも私はつい忘れてしまう、
彼らは私なのだということを。

日々浮彫になる差別やハラスメントにいちいち傷ついてみせる自分に腹が立つ。
たとえば、自身が過去に受けたパワハラ、マタハラ。
私はやっぱり忘れていた。
忘れてはならないことなのに。

「女性」だってそうだ、
なんなら地方では
「女性」+「若い」
で難なく蹂躙される。
小さな子どもがいればなおのこと。
泣くな、連れてくるな、子どもを利用して巧妙だな、
言われた言葉が靴底に溜まる。歩みが重くなる。
それでも、私は忘れてしまっている。
忘れてはならないことなのに。

ミネアポリスで左のポケットに手を突っ込んだままの警察官が、
渋谷で、豊島で、
黒人が、クルド人が、性被害当事者が、
なんなんだよ、この国。
なんなんだ。

足元が崩れそう。
杭を打たないと、杭を打たないと、基礎がもう崩れてしまった。
立ち上がらないといけない。
でも、力が出ないよ、誰か手を貸してくれ。
ひとりじゃもう、どうにもならないのに。

また忘れてしまうのか?
忘れてはならないことなのに。

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